震災10年、空前のインフラ増強 予算37兆円超

震災10年、空前のインフラ増強 予算37兆円超
東日本大震災10年 検証・復興事業①
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 ※ 『桁違いのインフラ投資は被災地の経済を潤し、3県の県内総生産は17年度に22.1兆円と10年度比16.6%増。全国の9.8%増より高かった。だが、人口減が進む地域だけにインフラを使いきれない面もある。造成地の利用者が決まらず、住宅への入居が遅れるケースが目に付く。

岩手県釜石市が直面するのは維持管理コストだ。19年のラグビーワールドカップ(W杯)で使った釜石鵜住居復興スタジアム(岩手県釜石市)。総事業費39億円のうち、県と市で約8億円を負担した。今後は芝生などの整備に年4千万円かかる。国や県の支援は期待しにくく、市は外部委託などを検討する。』

 ※ インフラは、造れば終わり…という訳ではない…。

 ※ その「維持管理費」が、年々かかっていく…。

 ※ そして、「最大、50年後」には、「鉄筋コンクリート」自体の寿命が、やってくる…。

 ※ その「更新費用」「年々のメンテナンス費用」の捻出のことも、勘定にいれないといけない…。

 ※ そして、何よりも、「しょせんは、モノ」なんで、「人口減」「クルマ社会の終焉」などという「構造問題」の解決には、全くの「無力」だ…。

『3月11日で東日本大震災発生から10年となる。地震と津波に加え、原子力発電所事故まで起きた未曽有の複合災害に対し、政府は37兆円超の予算を投じ復興を進めてきた。前例のない手厚い支援は功を奏したのか。復興事業を検証する。

青森と福島をつなぐ東北の大動脈が21年度に完成する。国が2兆円を投じて整備する復興道路・復興支援道路だ。全線開通すれば、車で8時間半かかった八戸―仙台間を5時間余りで結ぶ。釜石港(…

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釜石港(岩手県)のコンテナ取扱量が8年で36倍に増えるなど効果は大きい。

国は被害額を16兆~25兆円とはじき、急ピッチでインフラ整備を進めてきた。11~19年度で投じた予算は37兆1294億円。インフラ整備に費用のほぼ半分を充てた。20年末時点で災害公営住宅は予定の3万戸が、集団移転や区画整理に伴う宅地も1万8千戸分がそれぞれ完成。防潮堤などの海岸対策は今年度末で75%が完了する見込みだ。

インフラ整備の成果を示す「県内固定資本形成」からも被災地への集中ぶりがうかがえる。12~17年度と前の6年間(06~11年度)を比べた増減率は全国ベースが3.2%減。これに対し、岩手、宮城、福島は3県合計で1.4倍だった。

桁違いのインフラ投資は被災地の経済を潤し、3県の県内総生産は17年度に22.1兆円と10年度比16.6%増。全国の9.8%増より高かった。だが、人口減が進む地域だけにインフラを使いきれない面もある。造成地の利用者が決まらず、住宅への入居が遅れるケースが目に付く。

岩手県釜石市が直面するのは維持管理コストだ。19年のラグビーワールドカップ(W杯)で使った釜石鵜住居復興スタジアム(岩手県釜石市)。総事業費39億円のうち、県と市で約8億円を負担した。今後は芝生などの整備に年4千万円かかる。国や県の支援は期待しにくく、市は外部委託などを検討する。

平沢勝栄復興相はインフラの活用について「自治体と連携し、きめ細かく対応したい」と話す。できたインフラを使うには交流人口の拡大がカギ。新型コロナウイルスの感染拡大で人の移動に制約はかかるが、人を呼び込むことが地域の活力につながる。物流網を生かすため、農業や水産加工業の振興も欠かせない。

国は復興予算として20年度も1兆6974億円を計上し、21年度からの5年間で1.6兆円程度の事業を計画する。11年の災害による損失は10兆円程度(国民経済計算年次推計)だったが、予算は最終的に40兆円ほどになるとみられる。国費6兆円(地方負担を除く)の阪神大震災の6倍を超す。名古屋大学の齊藤誠教授は「震災の被害範囲を実態以上に著しく広く想定したのが予算を肥大化させた」と指摘する。

東日本大震災は人口減が本格化し、国力が低下する中での復興を強いられた。人口減に応じたコンパクトなまちづくりや、被災企業の力を引き出す産業再生など、持続的な成長につなげる点で課題も残した。

福島では再生可能エネルギーの活用やロボットの開発で世界に先駆けた新産業づくりが進む。津波被災地でも少子高齢化に適したまちづくりを探る動きが出てきた。施設や道路を造って終わりとせず、ソフト面を含め、国を挙げて復興を考えていく必要がある。

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