中国・武漢、感染警鐘の医師死去から1年 続く言論弾圧

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『【大連=渡辺伸】中国で新型コロナウイルスの感染拡大にいち早く警鐘を鳴らして処分され、自らも感染した湖北省武漢市の医師、李文亮氏(享年34)が亡くなって7日で1年となった。SNS(交流サイト)では哀悼の書き込みが相次いだ。中国では医療従事者が「英雄」と称賛されているが、言論への弾圧は続いたままだ。

「武漢市の病院で関係者たちが口を閉ざす中、勇気をもって感染症を告発した。李医師は英雄だ」「私たちは永遠にあなたを忘れない」。中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」では6~7日、こうした哀悼の声が続々と書き込まれた。

李氏は2019年12月、原因不明の肺炎を確認し、SNSに「(2002~03年に流行した)重症急性呼吸器症候群(SARS)が発生した」などと投稿した。武漢市公安当局は20年1月3日、「デマを流した」として李氏を処分した。

だが1月8日、中国の専門家チームは病原菌がSARSを含むコロナウイルスの一種であることを確認。李氏による早期の警鐘が市民らに評価され、市当局への批判が強まった。李氏が新型コロナに感染して2月7日に死去した後、市当局は処分を撤回した。

中国政府は現在、展覧会などを通じて、感染拡大に対応した医師らを「英雄」と称賛している。李氏は生前、中国メディアに「健全な社会には多様な声があるべきだ」と語ったが、「初期対応の遅れ」などを批判する言論への弾圧は続いている。上海市の裁判所は20年12月、武漢の感染状況を報じた市民記者に実刑判決を下した。

世界保健機関(WHO)の調査団が1月14日に武漢市に入った後、新型コロナで家族を亡くした武漢市の遺族ら約100人が参加するSNSのチャットグループが閉鎖された。遺族のひとりが日本経済新聞に明らかにした。遺族らは調査団との面会を求めていたが、中国当局がそれを阻むため、遺族側に圧力を加えた可能性がある。

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