[FT]アフリカ諸国 欧米以外からのワクチン調達に躍起

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『新型コロナウイルスワクチンの世界的な争奪戦が繰り広げられる中、アフリカ諸国は、ワクチン開発でリードする欧米以外の国からワクチンを確保しようと懸命だ。特に、中国とロシアからの調達を目指す動きがアフリカ全体で目立つ。

ケニアからギニアまで、多くのアフリカ諸国が中国やロシアとワクチン供給の協議中だ。世界保健機関(WHO)などの主導で共同購入したワクチンを公平に配分する国際枠組み「COVAX(コバックス)…

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世界保健機関(WHO)などの主導で共同購入したワクチンを公平に配分する国際枠組み「COVAX(コバックス)」は発展途上国の人口の少なくとも20%に接種できる量のワクチンを確保することを目指しているが、それを補う分を両国から調達しようとしている。

アフリカで最も人口が多いナイジェリアのエハニレ保健相は1日夜、同国の医薬品規制当局がロシアとインドから2種類のワクチンの資料を受け取ったと報道陣に語った。ナイジェリアは世界的にワクチンが不足する中、必要量を確保しようと必死だ。欧米で開発されたワクチンは、その供給量のほとんどをすでに先進国があらかじめ確保してしまっており、アフリカ諸国が入手するのは困難な状況だ。

ナイジェリア ワクチン争奪戦に「厳しい目」

「資金力のある富裕国が予約購入で自国の分を確保し、欧州では一部の国の間で奪い合いが起きているようなワクチン確保競争の現状を、我々は厳しい目で見てきた」と同相は批判した。WHOの推計では、これまでに製造されたワクチンの95%は、すでに先進10カ国が購入したとしている。

エハニレ保健相は、同国の食品医薬品管理局(NAFDAC)が導入を検討しているワクチンの名称を明かさなかった。しかし、ロシアは、自国で開発したワクチン「スプートニクV」を熱心に売り込んでいる。英医学誌ランセットは2日、スプートニクVについて臨床試験(治験)の最終段階で91.6%の効果が確認されたとする論文を発表した。ギニアとアルジェリアは、すでに同ワクチンの使用を承認している。

一方、中国は、アフリカへの影響力拡大のための重要な戦略として、過去1年間、ワクチン外交を積極的に展開してきた。習近平(シー・ジンピン)国家主席は2020年8月に、アフリカへのワクチン供給を「優先課題」だと表明した。中国医薬集団(シノファーム)が開発したワクチンは中国国内での使用が承認されているが、アフリカへの供給は開始されていない。

ナイジェリア大統領直属のコロナ対策タスクフォースを率いるボス・ムスタファ氏は、他の国々でワクチン接種が急速に進んでいる現状について、ナイジェリア国民の自由な海外渡航の障害となる可能性があると警告した。「我々もワクチン接種が遅れないように全力を尽くす必要がある」とムスタファ氏は強調した。

ナイジェリア政府によると、同国は2月から、COVAXを通して、最初の1600万回分のワクチンを受け取ることになっている。さらに、アフリカ連合(AU)を通して、追加の4100万回分を4月末に受け取る手はずになっている。AUは、英アストラゼネカ製ワクチン4億回分に加えて、他のメーカーの2億7000万回分を確保している。

南ア インド製ワクチンの輸入を開始
南アフリカは今週、アストラゼネカとオックスフォード大学が共同開発し、インドのセラム・インスティチュート・オブ・インディアが製造したワクチン(インド名はコビシールド)の最初の供給を受けた。南ア政府は、COVAXに頼りすぎとの国内批判をうけ、医療従事者用に150万回分のコビシールドを発注した。

WHOアフリカ地域事務所で予防接種およびワクチン開発責任者を務めるリチャード・ミヒゴ氏は、COVAXを通しての供給と各国の自前の購入により、アフリカ諸国は、21年末までに人口の30-35%に接種するという目標を立てるのが現実的だろうと述べた。

ケニア保健省のパトリック・アモス保健局長は、21年中に2000万回分のワクチンを無償で調達できるようにCOVAXと協力していると語った。同時に、中国、ロシア、インドともワクチンの供給について協議中であると明かした。「様々なワクチンを使ったハイブリッドな接種体制になるだろう」と言う。

ワクチン供給に不可欠なコールドチェーン(低温物流)能力がアフリカにあるかどうかを不安視する声もあるが、AUと各国の中央および州政府は、冷凍保存・輸送能力は、過去数カ月に大きく増強されたとしている。

アフリカ最大の航空会社エチオピア航空は、アフリカおよびラテンアメリカ諸国に医療機器を輸送してきた実績があるが、中国の深圳からアディスアベバに冷凍ワクチンを空輸するための輸送路を確保した。同航空によれば、アディスアベバに輸送されたワクチンは、アフリカ全土に供給される。

これまでのところアフリカは新型コロナウイルスの感染が最悪の状況にはなっていない。この地域の人口は世界全体の17%を占めるが、各国政府の統計によれば、コロナウイルスの感染による死者の数は全体の4%にとどまる。しかし、現在、感染の第1波より深刻な第2波に襲われている。

By Neil Munshi, Andres Schipani and David Pilling

(2021年2月3日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

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