飲食店支援1兆円規模に 財政出動拡大、予備費で対応

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF0236H0S1A200C2000000

『政府が新型コロナウイルスの緊急事態宣言を1カ月延長するのに合わせ、営業時間の短縮に応じる飲食店への支援に1兆円規模の追加支出が必要になりそうだ。2020年度予備費などを活用する。雇用調整助成金の特例水準は4月末まで延び、さらに数千億円が必要になるとみられる。中小企業への一時金も上限を60万円に引き上げる。

【関連記事】
コロナ倒産1000件、失業8万人 外食目立つ
時短協力金、大阪市支給済みは4分の1 募る不満
基金半減、都債は2.8倍 失われた都の「財政余力」

都道府県が時短要請に応じる飲食店に支給する1日最大6万円の協力金は国が財源の8割を負担している。政府は裏付けとなる地方創生臨時交付金を1兆円ほど手当てしている。1カ月延長するため、さらに1兆円規模の追加財源が必要になる。20年度第3…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り1005文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

20年度第3次補正予算から2000億円をまず支出し、残りは予備費から出す。

20年度予算では政府が柔軟に使途を決められる予備費を11.5兆円計上した。2日時点で3.8兆円ほど残っており、緊急事態宣言の延長に伴う対策の財源に充てる。

雇調金の特例水準は4月末まで延びる。期限は「緊急事態宣言を解除する日の翌月末にする」と決まっているためだ。

通常の助成率は大企業が2分の1、中小企業は3分の2とし、上限額は規模を問わず8370円にしている。政府は新型コロナ対策として助成率を中小企業や宣言地域の外食大手などで最大100%、1人あたりの1日上限額は一律1万5千円に引き上げている。1月の支給決定額は2000億円程度で、1カ月の延長でさらに数千億円が必要になるとみられる。

コロナ対策では予備費のほかにも異例の財政運営が続く。既存予算の転用で対策経費を捻出する動きも目立つ。

政府は緊急事態宣言延長を受けて2日夜、1月に公表した事業者への一時金の上限を法人で40万円から60万円、個人事業主で20万円から30万円に引き上げると発表した。3月から申請を受け付ける。飲食店との取引激減や外出自粛の影響で1月か2月の売上高が前年に比べて半減した中小・中堅企業が対象になる。

財源の一部は2月15日に申請を締め切る家賃支援給付金の残金から2890億円を充てる。20年度第2次補正予算で2兆242億円計上したが、21年2月1日時点の給付決定が8200億円程度と予算が余るためだ。

ワクチン接種に使う自治体への補助金は20年度第3次補正予算の1365億円では足りないとみて倍増する。厚生労働省の感染症対策経費の余りから1300億円程度を捻出する予定で、マスク不足に備えた買い上げのための予算などの転用を想定する。

19年度は一般会計の決算で「予算の流用」は全体で300億円ほどだった。通常は1件あたり大きくても数十億円だという。ところが20年度はコロナ対策での大規模転用だけで9500億円ほどになる。慶大の土居丈朗教授は「金額が大きすぎる。流用が1000億円を超える場合は国会で議決するなどの歯止めが必要」と指摘する。

予備費は第2次補正予算で10兆円を計上した際には「巨額すぎる」と批判を浴び、麻生太郎財務相がこのうち5兆円については国会で使途概要を説明した。こうした予算執行の機動性と財政民主主義のバランスをとる工夫が予算転用でも必要になりそうだ。