英に尖閣・台湾への関心喚起 日本、アジア傾斜で好機 日英2プラス2

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『日英両政府は3日夜、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)をテレビ会議方式で開く。英国は今春以降にインド太平洋地域に空母を派遣するなど中国の海洋進出を警戒した動きをみせる。日本は沖縄県・尖閣諸島や台湾情勢に関する欧州の関心を喚起する好機だとみている。

日本からは茂木敏充外相と岸信夫防衛相、英国はラーブ外相とウォレス国防相が出席する。日英の2プラス2は2017年12月にロンドンで開催して以来となる。…

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日英の2プラス2は2017年12月にロンドンで開催して以来となる。

英国はEU離脱後に国際社会での影響力を維持・拡大するためにアジアへの関与を強めている。英国が1日に環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を申請したのもこの文脈だ。

 英空母「クイーン・エリザベス」=2017年11月、英南部ポーツマス(ゲッティ=共同)

中国への懸念を深めている事情もある。新型コロナウイルスの拡大や宗主国だった香港への統制強化が契機になった。安保面での警戒も高めており、17年に就役した空母「クイーン・エリザベス」のアジア派遣は中国を強く意識している。

日本政府は英国との具体的な協力を深化させる。英国が空母を展開する際には海上自衛隊との共同訓練を想定する。米軍が保有するステルス戦闘機「F35B」を参加させる案もある。空母は潜水艦や巡洋艦など複数の艦艇からなる「空母打撃群」を構成する。周辺国を威圧する効果がある。

日本側は今回の会合で尖閣や台湾を巡る認識を英国と共有するのを期待する。香港や南シナ海問題に比べて関心が薄いとみる。

インド洋から南シナ海にかけてもともと英国の植民地だった国が多い。インドやマレーシア、ミャンマー、オーストラリアなどだ。香港以北にも意識を振り向けるよう促すのが課題だ。

1日には中国の海警局を準軍事組織に位置づける海警法が施行し、尖閣周辺での中国公船による活動への懸念がある。台湾空域では中国の軍用機が挑発を繰り返す。

日英の協議に先立ち日中両国は海洋問題について局長級で話し合う「高級事務レベル海洋協議」を開く。海警法の施行に懸念を伝えるとみられる。外務省幹部は「尖閣や台湾について英国にきちんと状況を説明する必要がある」と話す。

日本は尖閣問題は2国間の対話だけでの改善は難しいとみて、同盟国である米国に加え欧州の関心も呼び起こす。台湾有事は東アジアで起こりうる大きなリスクでもある。

米国はバイデン政権の発足間もない23日、中国軍の戦闘機が台湾の防空識別圏に侵入すると、国務省が「台湾が十分な自衛能力を維持するよう支援していく」との声明を出した。

日本は集団的自衛権の行使を認めたものの憲法9条で武力行使に制約がある。同盟国の米国だけではなく欧州が関心を示せば中国に対する抑止になる。

中国への不信感を高めてアジアに意識を傾けているのはドイツ、フランスも同じだ。ドイツは独海軍に所属するフリゲート艦を日本に送る検討を進め、フランスもインド太平洋地域に積極的に艦艇を派遣している。

日英両国は安保協力を重ね「準同盟」とも言える関係に発展させてきた。情報や物資のやりとりをしやすくする協定などの整備を終えた。

英陸軍と陸上自衛隊による共同訓練や、英海軍と海上自衛隊による北朝鮮の違法船舶の情報収集など協力を具体化している。装備品の分野では日本と英国はともに次世代の戦闘機開発に着手しており、両国で研究した新技術の活用を見据える。

多国間の枠組みでも日英協調を広げる機運がある。

英国の複数のメディアは同国が日本と米国とオーストラリア、インドの安全保障協力の枠組みに加わる可能性を報じた。加藤勝信官房長官は2日の記者会見で日米豪印の関係を深めつつ「英国とも協力を図っていきたい」と話した。

英国の一部には5カ国が機密情報を共有する枠組み「ファイブ・アイズ」に日本を加えるべきだとの意見がある。

イギリスの海外領土
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%B5%B7%E5%A4%96%E9%A0%98%E5%9C%9F