東証大引け 3日続伸、一時300円高 米追加経済対策に期待、自動車など高い

https://www.nikkei.com/article/DGXZASS0ISS16_T00C21A2000000

 ※ 「ロビンフッドの反乱」に端を発した「かく乱」は、ひとまず落ち着いたか…。

 ※ 下げの前の水準に、戻った感じだ…。

 ※ しかし、出来高見ると、「海外からも、どんどん資金が流入している」という感じじゃ、無いな…。国内勢中心に、ぐるぐる売買を回しているだけ…、という感じだ…。

 ※ また、「横ばい」モードに入る可能性が、高いんじゃないか…。

 ※ 今日は、こんなところで…。

『3日の東京株式市場で日経平均株価は3日続伸し、前日比284円33銭(1.00%)高の2万8646円50銭で終えた。個人投資家の投機的な取引による市場の混乱が落ち着く一方、米追加経済対策の成立への期待感も支えとなり、2日の米株式市場で主要3指数はそろって上昇。その流れを東京市場でも引き継いだ。日経平均の上げ幅は300円を超える場面もあった。

米バイデン政権が掲げる1.9兆ドル規模の追加経済対策について、民主党が財政調整法を活用して単独で成立させる手続きを進めていると伝わった。経済対策が市場の想定より大規模で早期に成立し、米景気の回復が加速するとの期待感から買いが優勢だった。

米ネット掲示板「レディット」を利用する個人投資家の投機的な取引による市場の混乱への警戒感が後退したことも買いの手を強めた。デンソーなどの相次ぐ好決算を受けて市況の改善が意識され、トヨタは4%高で終えるなど自動車関連株は総じて買われた。

コロナ禍で業績の先行きが危ぶまれている空運株、鉄道株、百貨店株の上げも目立った。半面、これまで上げてきた半導体や電子部品関連株は軟調だった。日米で新型コロナウイルスの感染動向が落ち着くなか、コロナ後を見据えた動きが出始めているとの見方があった。

JPX日経インデックス400は3日続伸した。終値は前日比214.61ポイント(1.28%)高の1万6958.98だった。東証株価指数(TOPIX)も3日続伸し、24.07ポイント(1.30%)高の1871.09で終えた。

東証1部の売買代金は概算で2兆7863億円。売買高は13億7438万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1593銘柄と約7割を占めた。値下がりは522、変わらずは76銘柄だった。

三菱自、JR西日本、住友不、丸紅、郵船が上げた。半面、スクリン、エムスリー、TDK、アドテスト、ヤマトHDが下げた。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕』

ミャンマー国軍、中国背景に強気 バイデン米政権に試練

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM033GG0T00C21A2000000

『ミャンマーで1日未明に起きた国軍による権力掌握は、20年ぶりの総選挙を実施した2010年以来の民主化に逆行する暴挙として国際社会から強い批判をあびる。だが、ミャンマーへの影響力を高めようとする中国の存在や同国内の政治闘争を考慮すれば、必然的に起きたクーデターだとも捉えられる。民主主義の回復を公約の1つに掲げてきたバイデン米政権は発足早々、対応が試されている。

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電撃的なクーデターから一夜あけた2日、…

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電撃的なクーデターから一夜あけた2日、首都ネピドーや商都ヤンゴンは平穏さを取り戻しつつあった。インターネットや携帯電話の通信は復旧し、銀行やスーパーも営業を続けた。ネピドーは、連邦議会議事堂の周辺などに装甲車が配備されていたが、主要省庁には特別な警戒がなかった。民主化運動家によるSNSを通じた呼びかけに応じ、抗議の意を込めて金属鍋をたたく音は聞かれたが、市中に混乱は見られない。

アウン・サン・スー・チー氏が率いる国民民主連盟(NLD)が2015年の総選挙で地滑り的な勝利を果たし、政権を握ってから5年。NLDと国軍の間は常に緊張していた。スー・チー氏側が国軍側に譲歩することはあったが、それは融和でなく、政治的な戦術だとみられていた。

国際社会ではかつてスー・チー氏をノーベル平和賞を受賞した「人権擁護者」とみる向きが多かった。だが、国軍が17年、ミャンマー西部ラカイン州から少数派のイスラム教徒である75万人のロヒンギャを追放すると、スー・チー氏は国軍を擁護した。人権運動家は(スー・チー氏が)人道に対する罪を犯したと激怒し、同氏を「堕天使」として扱うような論評も近年では目立っていた。

実際、スー・チー氏は社会正義よりも法と秩序を重視する。暗殺された独立運動の英雄アウン・サンの娘として育ち、父親の後を追い、国家のリーダーとなる目標に固執していた。

現実主義の側面を持つスー・チー氏だが、国軍との間の溝は20年11月の総選挙(上下両院選)で決定的となった。NLDが議席を伸ばす一方、国軍系の野党、連邦団結発展党(USDP)は屈辱的な大敗を喫した。国軍総司令官としての任期切れが迫っていたミン・アウン・フライン氏は、スー・チー氏が(事実上)指名する大統領の下で副大統領として仕えるという選択肢もあったが、それを望んでいなかったのは明らかだった。

政治的緊張を抱えていたミャンマーは地政学上の要衝でもある。中国とインドの間にあり、地域大国がひしめきあうなかで重要な位置を占める。中国にとってミャンマーは東南アジアや南アジアへ抜ける足がかりとなる国でもある。西側がかつてミャンマー軍政への制裁を続けていた際にも軍の装備を提供し、「親しい友人」であり続けた。フライン氏も頻繁に中国を訪問し、緊密な関係を築いてきた。

そのため、中国に事前通告せずにミャンマー国軍がクーデターを起こしたはずがないと多くの専門家はみている。中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相はわずか数週間前の1月にミャンマーを訪問し、フライン氏、スー・チー氏とそれぞれ会談した。これは重要な意味を持つ。関係者によると、フライン氏は20年の総選挙における不正行為(の可能性)について不満を漏らした。王氏は、ミャンマー国軍が「正当な役割を果たし、国に積極的に貢献すべきだ」と答えたという。

一方、ミャンマーの政変は米国にも大きな意味を持つ。バイデン米大統領は早速、「(民主化の)後退によって、制裁を再び検討することが必要になるだろう」と指摘した。

バイデン氏は米国で起きた連邦議会議事堂の占拠事件を受け、民主主義の回復を公約の1つに掲げる。米外交問題評議会(CFR)シニアフェローのジョシュア・カーランティック氏は「ミャンマーへの対応はバイデン氏の実力が試される最初の課題になる」と指摘している。

米国が対ミャンマー制裁に踏み切れば、逆効果が生じるという意見もある。取材に応じたミャンマーの歴史家タン・ミン・ウー氏は「制裁は(ミャンマー国内の)改革を遅らせ、民主化への歩みを弱めかねない」と懸念する。

それでも、米国はミャンマー関与を続けざるを得ない。バイデン氏は米国家安全保障会議(NSC)の(新設ポスト)インド太平洋調整官にカート・キャンベル氏を任命した。キャンベル氏は(バイデン氏が副大統領を務めた17年1月までの)オバマ政権時代に国務次官補(東アジア・太平洋担当)を務め、ミャンマー民主化の立役者として活躍した人物だ。

シンガポールのビラハリ・カウシカン元外務次官は「ミャンマーを孤立させることは無益で、その事実や中国との競争を考えると、戦略的に対応することの重要性をキャンベル氏は認識している」と指摘する。

(バンコク=グウェン・ロビンソン、ヤンゴン=新田裕一、トムソン・チャウ)

この記事の英文をNikkei Asiaで読むNikkei Asia https://asia.nikkei.com/Spotlight/The-Big-Story/Myanmar-Inside-the-coup-that-toppled-Aung-San-Suu-Kyi-s-government

ミャンマー、軍政回帰の危機 試される国際社会

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGS025QD0S1A200C2000000

『ミャンマーで1日に起きたクーデターに対する各国の反応に温度差が出ている。人権や民主主義を重視するバイデン米政権は制裁再開を排除しない構えだが、ミャンマー国軍と関係が深い中国は静観する。民主化に逆行する動きに国際社会の対応が試されている。

バイデン氏は1日の声明で、ミャンマー国軍が事実上の政府トップのアウン・サン・スー・チー国家顧問らを拘束したことを巡り、民主主義などへの「直接的な攻撃だ」と批判した。

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オバマ政権はミャンマーの民主化の進展を受けて制裁を段階的に解除してきた。同政権で副大統領を務めたバイデン氏にとって、民主化に逆行する動きは受け入れがたい。バイデン氏は制裁に関し「適切な措置を講じる必要性が生じる」と述べ、再開を示唆した。

バイデン政権が法的に「クーデター」と正式認定するかどうかが焦点だ。米国は武力によるクーデターが起きた国への対外援助を禁じており、認定すれば米国際開発庁などの政府機関による経済支援は難しくなる。

カギを握るのが国際包囲網の構築だ。バイデン氏は声明で「国際社会は協力して一斉に声をあげるべきだ」と強調した。米国がミャンマー国軍への批判を強める間に、中国が接近する事態を警戒しているためだ。

米の強硬姿勢に対し、中国はミャンマー批判を避ける。中国外務省の汪文斌副報道局長は2日の記者会見で「国際社会のいかなる行動も、対立の激化や事態のさらなる複雑化を避けるようにすべきだ」と述べ、バイデン政権のミャンマー介入をけん制した。

中国にとってミャンマーは、中国南部の内陸部からインド洋に抜けるルート上にあり地政学的に重要な国だ。ミャンマーは中国の広域経済圏構想「一帯一路」に参加しており、中国は港湾や発電所の開発を支援する。

習近平(シー・ジンピン)指導部は政府と国軍の双方とバランスを取って外交関係を強化してきた。2020年1月に習氏がミャンマーを訪問した際、スー・チー氏だけでなく、今回のクーデターで全権を掌握したミン・アウン・フライン国軍総司令官とも会談した。

中国はミャンマーが過去の軍事政権時代に欧米諸国から制裁を受けるなか、経済支援を続けて密接な関係を築いた。クーデターを静観する背景には、ミャンマーが欧米から批判を受ければ一段と中国との距離が近づくとの思惑がありそうだ。

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東南アジア諸国連合(ASEAN)は複雑だ。民主主義を重視して批判する国と、ASEANの内政不干渉の原則に基づき静観する国とで対応が分かれている。

民主主義国家であり、イスラム教徒が多いインドネシアとマレーシアの外務省は1日、それぞれ声明を出してミャンマー情勢に「懸念」を表明し、対話を通じて解決するように求めた。両国はミャンマー国軍が迫害したイスラム系少数民族ロヒンギャの問題の改善を求めてきた背景がある。

一方、タイはミャンマーの内政問題だとして距離を置く。プラユット首相は2日の記者会見で、ミャンマーに関する報道について「両国に悪い影響が及ばないように注意深く扱ってほしい」と述べた。

14年に陸軍司令官としてクーデターを起こしたプラユット氏は、19年の民政復帰に向けた総選挙後も親軍政党の支持を受けて首相を続ける。政権退陣を求めるタイの反体制グループはミャンマーのクーデターにも反発しており、プラユット氏の発言はデモが勢いづくのを警戒したとみられる。

カンボジアのフン・セン首相も「ミャンマーの内政問題にはコメントしない」とする。1985年の首相就任から一貫して権力の座にあるフン・セン氏は17年に最大野党を解散させ、欧米から野党弾圧として批判を受けた。近年は中国との関係を一段と深めている。

クーデターは「ミャンマーの民主改革に深刻な打撃」(国連のグテレス事務総長)との見方が民主主義国では一般的だ。だが厳しい制裁を科してミャンマーが孤立を深めると、中国との絆が強まり、かえって中国を利するジレンマも抱える。

(バンコク=村松洋兵、ワシントン=中村亮、北京=羽田野主)

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[FT]バルカン諸国、ワクチン入手難で中ロに接近

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『新型コロナウイルス用のワクチン接種開始の遅れで欧州連合(EU)内に怨恨が募る中、バルカン半島のセルビアはスピードを上げ、ワクチン接種率では欧州大陸最高を達成するまでになっている。

しかし、EU加盟候補国であるセルビアは、西側諸国で製造されたワクチンを使っているわけではない。中国国有製薬大手の中国医薬集団(シノファーム)と契約し、欧州初の中国製ワクチン接種国となった。そして今、近隣諸国もこれに倣おう…

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そして今、近隣諸国もこれに倣おうとしている。

セルビアのブチッチ大統領は先週、「世界は豪華船タイタニック号のように氷山に衝突した。富裕層の金持ちだけが自分と愛する家族を救えるのだ」と述べ、EU認可のワクチン契約に向けた交渉を続けながら、中国やロシアのワクチン購入を決断したことを正当化した。

「我々はタイタニック号とともに溺れようとしている。意図があってのことではないだろうが、そんなことは豊かな者にとってさほど重要ではないのだ」

EUは加盟を望むバルカン6カ国にワクチン購入資金7000万ユーロ(約88億円)を提供した。しかし、欧州でのワクチン調達問題のあおりで、4か国は他国の接種開始から時間がたった今も、まだ1回分のワクチンも受け取っていない。不満を抱えるこうした国々は、東方に向きを変えてロシア、中国と交渉、乏しい供給の確保に動いている。

EUへの信頼、損なわれる恐れ

政府関係者には、この地域でのEUへの信頼が損なわれる恐れもあると警告する人もいる。北マケドニアのある当局者は「この状況を利用して、苦難に陥った時に手を差し伸べてくれるのは、西側の政府ではなく中国とロシアだと言う人がでてくる可能性がある」と指摘する。

強権的なセルビア大統領は、この地域の他の首脳と異なり、EU加盟手続きを進めながらも、中国やロシアの政府と親密な関係を保っており、EUや米国の不評を買っている。

人口700万人のセルビアはすでに、100万回分超のワクチンを入手しており、ブチッチ大統領は1月30日、さらに100万回分が3月初めまでに届くと表明した。

これまでEUのワクチン配布計画に信頼を置いていた周辺諸国も、セルビア政府式の取り組みにますます引かれるようになってきた。

近隣のコソボやボスニア・ヘルツェゴビナ、北大西洋条約機構(NATO)加盟国である北マケドニアやモンテネグロは、いまだ1回分のワクチンも入手していない。北マケドニアとモンテネグロの政府当局者は先週、ロシアと中国からワクチンを購入すると発表した。

北マケドニア政府当局者はフィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、「我々は当初、我が国がどこに所属するのかを示すために、西側のワクチンに絞るつもりだった。そして、ロシアや中国との交渉の可能性を除外していた」と述べた。

しかし、同国政府はワクチン接種の遅れを正当化するのが日に日に難しくなってきたという。「ハンガリーなど他の欧州諸国が(シノファームの)ワクチンを入手し始めるにつれ、なぜ我々が米ファイザーや米モデルナ、英アストラゼネカのワクチンを待たなければならないのか国民に説明するのが困難になってきた」。この3社は、EUが認可したワクチンを製造している。

COVAXも期待外れ

モンテネグロのボジョビッチ保健相は、最近契約した15万回分の中国製ワクチンに加え、ロシア製ワクチン「スプートニクV」を5万回分調達する意向を示した。ボスニア政府は1月中旬、ロシア政府、中国政府、ファイザーと交渉を始めると発表した。バルカン半島の両国とも、ワクチンを共同購入する国際的な枠組みである「COVAX(コバックス)」が約束した供給を待ち続けていたが、何も届いていない。

EUは新たに制定したEU域外へのワクチン輸出制限措置からバルカン諸国を免除している。しかし、欧州問題のシンクタンク、欧州安定戦略(ESI)のアナリスト、アディ・チェリマギッチ氏によると、EUが形ばかりのわずかな分量でさえ加盟を希望する国にワクチンを送ることができない状況に、バルカン諸国は幻滅を感じているという。

1月、首都ティラナでファイザー製コロナワクチンの接種を受けるアルバニアの医師=ロイター
同氏は「バルカン諸国はEU加盟国と同時期にワクチンを入手できるとは思っていなかったが、ある程度、明確な配布予定については期待していた。今は見捨てられたと感じている」と話す。

一方、アルバニアでは、中国やロシアに対する歴史的な不信感の方が、欧州への失望より強い。同国は30年前、欧州でも最も弾圧的で中国政府に長年後押しされた独裁政権から脱却した。なかなか消えない警戒心から、ラマ首相はロシア製や中国製のワクチン入手は避けたい意向を示している。

とはいえラマ首相は、2009年にNATOに加盟したアルバニアが、わずかなワクチンでさえEUのシステムを通じて受け取っていないことに失望感を表している。同国は来週、欧州内の匿名国から寄付された970回分のファイザー製ワクチンの医療従事者向け接種を始める。

同首相はFTのインタビューに対し、「ことワクチンについては、本当に驚いている。(EUが)万全であるわけでも、我々に背を向けているわけでもなく、全くの混乱に陥っている。(EUが)自らを害している状況は信じられないくらいだ」と語った。

By Valerie Hopkins

(2021年2月2日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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英に尖閣・台湾への関心喚起 日本、アジア傾斜で好機 日英2プラス2

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE021K10S1A200C2000000

『日英両政府は3日夜、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)をテレビ会議方式で開く。英国は今春以降にインド太平洋地域に空母を派遣するなど中国の海洋進出を警戒した動きをみせる。日本は沖縄県・尖閣諸島や台湾情勢に関する欧州の関心を喚起する好機だとみている。

日本からは茂木敏充外相と岸信夫防衛相、英国はラーブ外相とウォレス国防相が出席する。日英の2プラス2は2017年12月にロンドンで開催して以来となる。…

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日英の2プラス2は2017年12月にロンドンで開催して以来となる。

英国はEU離脱後に国際社会での影響力を維持・拡大するためにアジアへの関与を強めている。英国が1日に環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を申請したのもこの文脈だ。

 英空母「クイーン・エリザベス」=2017年11月、英南部ポーツマス(ゲッティ=共同)

中国への懸念を深めている事情もある。新型コロナウイルスの拡大や宗主国だった香港への統制強化が契機になった。安保面での警戒も高めており、17年に就役した空母「クイーン・エリザベス」のアジア派遣は中国を強く意識している。

日本政府は英国との具体的な協力を深化させる。英国が空母を展開する際には海上自衛隊との共同訓練を想定する。米軍が保有するステルス戦闘機「F35B」を参加させる案もある。空母は潜水艦や巡洋艦など複数の艦艇からなる「空母打撃群」を構成する。周辺国を威圧する効果がある。

日本側は今回の会合で尖閣や台湾を巡る認識を英国と共有するのを期待する。香港や南シナ海問題に比べて関心が薄いとみる。

インド洋から南シナ海にかけてもともと英国の植民地だった国が多い。インドやマレーシア、ミャンマー、オーストラリアなどだ。香港以北にも意識を振り向けるよう促すのが課題だ。

1日には中国の海警局を準軍事組織に位置づける海警法が施行し、尖閣周辺での中国公船による活動への懸念がある。台湾空域では中国の軍用機が挑発を繰り返す。

日英の協議に先立ち日中両国は海洋問題について局長級で話し合う「高級事務レベル海洋協議」を開く。海警法の施行に懸念を伝えるとみられる。外務省幹部は「尖閣や台湾について英国にきちんと状況を説明する必要がある」と話す。

日本は尖閣問題は2国間の対話だけでの改善は難しいとみて、同盟国である米国に加え欧州の関心も呼び起こす。台湾有事は東アジアで起こりうる大きなリスクでもある。

米国はバイデン政権の発足間もない23日、中国軍の戦闘機が台湾の防空識別圏に侵入すると、国務省が「台湾が十分な自衛能力を維持するよう支援していく」との声明を出した。

日本は集団的自衛権の行使を認めたものの憲法9条で武力行使に制約がある。同盟国の米国だけではなく欧州が関心を示せば中国に対する抑止になる。

中国への不信感を高めてアジアに意識を傾けているのはドイツ、フランスも同じだ。ドイツは独海軍に所属するフリゲート艦を日本に送る検討を進め、フランスもインド太平洋地域に積極的に艦艇を派遣している。

日英両国は安保協力を重ね「準同盟」とも言える関係に発展させてきた。情報や物資のやりとりをしやすくする協定などの整備を終えた。

英陸軍と陸上自衛隊による共同訓練や、英海軍と海上自衛隊による北朝鮮の違法船舶の情報収集など協力を具体化している。装備品の分野では日本と英国はともに次世代の戦闘機開発に着手しており、両国で研究した新技術の活用を見据える。

多国間の枠組みでも日英協調を広げる機運がある。

英国の複数のメディアは同国が日本と米国とオーストラリア、インドの安全保障協力の枠組みに加わる可能性を報じた。加藤勝信官房長官は2日の記者会見で日米豪印の関係を深めつつ「英国とも協力を図っていきたい」と話した。

英国の一部には5カ国が機密情報を共有する枠組み「ファイブ・アイズ」に日本を加えるべきだとの意見がある。

イギリスの海外領土
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%B5%B7%E5%A4%96%E9%A0%98%E5%9C%9F

台湾企業、中国勢との接近止まらず 米国の意向に逆行

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0165H0R00C21A2000000

『【台北=中村裕】台湾の大手が中国企業との連携を強めている。高速通信規格「5G」関連や電気自動車(EV)などの成長分野で、出資や合弁生産に踏み出す事例が相次ぐ。中台が補完し合い、中国市場で巨大な利益を分け合うのが狙い。米国政府は昨年から台湾に接近して新たなサプライチェーン(供給網)を構築し、中国を排除する絵を描いてきたが、台湾大手がこれに逆行する動きをみせている。

iPhone生産で世界2位の台湾大…

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iPhone生産で世界2位の台湾大手、和碩聯合科技(ペガトロン)は1月28日、中国企業と手を組み、今後は「中台連合」で5G対応のiPhone生産を強化すると発表した。具体的にはペガトロンが傘下の有力子会社株を、競合する中国新興の立訊精密工業(ラックスシェア)に約1千億円で売却。ラックスシェアは高度な技術や半導体などのサプライヤー網を新たに手にし、台湾勢が独占してきたiPhone生産に参入する。

ラックスシェアは既にペガトロンから約100億円の出資も受けており、事実上、相互出資の形を取った。今後は中台連合で調達や生産などを融通し合い、米アップルの巨大ビジネスを分け合う戦略だ。

こうした台湾企業の動きが最近目立つ。iPhone生産で世界最大手の鴻海(ホンハイ)精密工業も1月、中国車大手の浙江吉利控股集団とEVで提携した。折半出資で新会社を設立し、急拡大が予想される中国のEV市場を取り込む戦略だ。吉利の李東輝最高経営責任者(CEO)も「台湾の鴻海との強力な提携で、業界に変革をもたらす」と強気のコメントを残している。

鴻海は同じ1月、中国新興EVの拝騰(バイトン)ともEVの量産で提携すると発表。矢継ぎ早の中国企業との提携で、新規参入となるEV市場で弾みをつける狙いだ。

中台の連携は半導体でも進行する。昨夏、米制裁で窮したファーウェイが、真っ先に頼ったのが台湾勢だった。9月中旬に制裁が強化される前に半導体を大量に確保する必要があったが、それに全力で応じたのが台湾半導体大手の聯発科技(メディアテック)と台湾積体電路製造(TSMC)だった。

米国が厳しい視線を送るなか、中台はさらに関係性を強めた。特にメディアテックの動きが目立つ。昨年後半から小米、OPPO(オッポ)、vivo(ビボ)の中国スマホ3強向けに、5G用半導体の大量供給を開始。今や「メディアテックなくして、中国メーカーの存在はない」(業界関係者)。米制裁は順守しつつも、中台で持ちつ持たれつ、取引の拡大が進むのが現状だ。

2017年には小米がメディアテックの最高執行責任者(COO)を招き入れた。中台企業で経営幹部の動きは以前から活発だったが、今も健在。中国半導体大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)は、米国から制裁を科された直後の20年末にTSMC出身の台湾人有力幹部2人を経営陣に迎え入れ、救いを求めた。支え合う今の中台の企業関係を象徴する動きだ。

一連の動きから読み取れるのは、ビジネスにおける中台関係の分厚さだ。中国には「台商」とよばれる台湾人経営者が約80万人もいる。市場の小さい台湾を90年代に離れ、言語が通じる中国大陸で工場を次々と建設し、財を成してきた人々だ。

中国の高度経済成長期を支え、頂点には鴻海の創業者、郭台銘(テリー・ゴウ)氏らがいる。経済界に強い影響力を持ち、中国との融和路線を敷く最大野党・国民党の支持者が多い。脱中国を掲げる民進党の蔡英文(ツァイ・インウェン)政権とは利害が一致しにくい。

そのため、昨年から急接近した米政府と台湾当局の動きにも距離を置く。米台は昨年11月、ワシントンで初の「経済対話」を実施し、半導体や5Gを中心に新たなサプライヤー網を構築し、中国排除で一致した。だが、台商の多くは否定的。中台の経済のパイプを断ち切るのは容易ではない。

それでも、中国に強硬だったトランプ前政権の時代は、台湾企業も派手な動きは控えた。米政権の移行後も、政治的には台湾と米国の関係は続くとみられる。ただ、ビジネス面では台湾勢は中国との関係を再び強め、巨大な中国市場で果実を得ようと、再び現実路線にかじを切り始めている。

iPhoneビジネスを独占してきた台湾勢が、中国メーカーと手を組み、協力姿勢に転じている=AP
昨年、台湾から中国への輸出額は過去最高の1514億ドル(約16兆円)。輸出全体の44%を占め、台湾経済をまさに中国大陸が引っ張った。米国の予想に反し、中台関係は今、経済で一段と関係を深めている。

ライバルの中国企業に有力子会社を手放してまで、中台連携を優先し、iPhone事業の拡大戦略を打ち出した台湾のペガトロン。経営ナンバー2の程建中・副董事長は「サプライチェーンに色はない。(紅いといわれ、警戒される中国企業であろうと)いつでも協力できる相手になりうる」とし、中国との連携の必要性を強調する。

中国「第2海軍」の法律戦 習近平氏の権力闘争透ける

中国「第2海軍」の法律戦 習近平氏の権力闘争透ける
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH01CD00R00C21A2000000

『「(中国の)軍、武装警察(武警)ばかりか海警局まで直接指揮できるような『集中統一指導』は、習近平(シー・ジンピン)主席が自ら指示してきた闘争に継ぐ闘争の末、勝ち取った。それがようやく完成しつつある」

中国の政治、行政機構に詳しいある研究者は、いわば権力闘争のたまものとしての権限集中に注目する。2月1日の中国海警法の施行で波紋を広げている中国海警局の成り立ちも権力闘争と無縁ではないという指摘は極めて…

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中華人民共和国の警察
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中国人民武装警察部隊
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E6%B0%91%E6%AD%A6%E8%A3%85%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E9%83%A8%E9%9A%8A

「(中国の)軍、武装警察(武警)ばかりか海警局まで直接指揮できるような『集中統一指導』は、習近平(シー・ジンピン)主席が自ら指示してきた闘争に継ぐ闘争の末、勝ち取った。それがようやく完成しつつある」

中国の政治、行政機構に詳しいある研究者は、いわば権力闘争のたまものとしての権限集中に注目する。2月1日の中国海警法の施行で波紋を広げている中国海警局の成り立ちも権力闘争と無縁ではないという指摘は極めて興味深い。

ICPO総裁だった孟宏偉氏(18年5月)=ロイター

どういう経緯があるのか。まずカギを握る人物を紹介したい。国際刑事警察機構(ICPO)のトップとして中国が送り込んだ孟宏偉である。国際犯罪防止を目的に世界各国の警察機関によって組織された機関の総裁だったにもかかわらず、ある日、突然、帰国中だった中国で行方不明になり、最後は汚職などの罪で懲役13年6カ月の刑に処された。

 海警局トップだったICPO総裁が最後は失脚

国際常識からかけ離れた中国独特の手法が浮き彫りになった事件の主人公には、あまり知られていない過去の経歴がある。2013年、まず政府組織として立ち上がった中国海警局のトップに就いたのだ。警察組織を管轄する公安省の次官との兼務であり、当然、出身母体の権益を守る使命も帯びていた。

孟宏偉は16年、海警局局長の身分を保ったままICPO総裁としてフランスに赴任する。しかし17年12月になって兼任していた海警局局長を解任された。

ポイントは時期である。同じ頃、軍や武装警察では大変な事態が進行していた。軍では中央軍事委の委員だった上将2人が失脚している。連合参謀部参謀長だった房峰輝と、同政治工作部主任だった張陽である。張陽は自殺にまで追い込まれた。これに先立ち武装警察の指揮をとる司令員としての経歴が長い上将も失脚し、断罪された。

注目したいのは、この一連の劇的なドラマが従来、2期10年までとしていた国家主席の任期制限を撤廃した憲法改正と同時に進行した経緯だ。既に再編を終えていた軍に続いて、武警と海警の完全掌握は、習の権力固めにとって極めて重要だった。

迷彩服姿の習近平国家主席(16年4月、中国の国営中央テレビの映像から)

18年に入ると全てが一変した。1月初め、中央軍事委の事務部門がある北京の「八一大楼」で習近平は武警部隊のために設計した「武警旗」を自ら授与した。国務院(政府)との共管だった武警は、習がトップを務める中央軍事委だけの指揮を受けることになった。

時を同じくして党・政府の機構改革案が発表され、海警が武警に組み込まれることが固まった。国務院の下にあった国家海洋局が管理してきた海警は姿を変えた。海上の法執行でも習→中央軍事委→武警→海警局という一本化された指揮命令系統になった。

 伏線は「新四人組クーデター」

習近平がここまでこだわった伏線は12年と13年にある。12年の出来事は、秋の共産党大会で習が党トップに就く際の権力闘争に絡んでいた。内部からリークされたいわゆる「新四人組クーデター」である。

12年の共産党大会の際は真っ黒な髪だった周永康氏㊧と、15年に中国の国営中央テレビに映った白髪姿で法廷に立つ同氏

武警を動かす権限を持っていた当時の最高指導部メンバーである周永康、重慶市トップだった薄熙来、軍制服組トップ級だった徐才厚、党中央弁公室主任だった令計画らが組み、習政権誕生を阻もうとしたというのだ。

この時、クーデターの成否のカギを握っていたのが、軍に準じた実力武装組織である武警だった。国務院と中央軍事委による二重の指揮体制だったが、実質的に党の政法委員会を牛耳る実力者、周永康の胸三寸だったとされる。

この時、絶大な力を持っていた周永康の庇護(ひご)の下、孟宏偉は出世の階段を駆け上がり、海警局トップになる。だが、その周永康が習近平の「反腐敗」運動で失脚し、海警局が中央軍事委の指揮下に入ると孟宏偉の運命も暗転する。

今や海警は人事上も軍の指揮下にある組織であることが明確だ。公安省出身の孟宏偉は海警局トップの地位から追われたばかりか、とらわれの身となり、その地位には東海艦隊副参謀長だった海軍出身の少将、王仲才が就いた。

中国海警局の艦船(「微信」の公式アカウントから)=共同

一連の措置を通じて習近平がこだわってきたのはあらゆる面でのトップの権限強化だ。中心に据えたのは中央軍事委主席が持つ軍権である。武装警察、海警を含めて自らトップを務める中央軍事委が直接、指揮する形に変えた。

この流れを見ると、先に紹介した「新四人組クーデター」封じ込めを狙った汚職撲滅運動の究極の目的は実力組織を自在に動かすための大胆な組織改革にあったのではないか。やみくもに号令をかけても既得権を持つ組織は必ず抵抗する。そこで抵抗の核になりかねない重要人物を一人、また一人と潰していった。

 中国が仕掛ける「法律戦」

習近平が共産党トップに就いて以来の権力闘争は8年以上の時を経て予想もしない形で周辺国の安全保障に影響している。問題は軍、武警、海警をまとめて掌握した習政権がいかなる対外姿勢をとるのかだ。

習にとって社会学でいうところの「暴力装置」が政治権力の源泉なら、抑制的な運用にはなりにくい。しかも中国は新たに法律を整備すれば、時期は別にして必ず何らかの形で使ってくる。それが法律を管轄する部門の利益でもある。

そもそも習は昨年、対外問題に関わる法整備の加速を指示していた。その最初のケースとして成立・施行された海警法は、中国側が一方的に設定した「管轄領域」での法執行という法律戦の武器である。

新造の中国公船は既に1万㌧級に大型化している。76㍉までの機関砲など武器を搭載し、ヘリコプターの発着も可能だ。中央軍事委による指揮系統をみても有事の際には海軍を補完する「第2海軍」の役割を担うのは間違いない。

沖縄県・尖閣諸島久場島北東の接続水域内を航行する中国海警局の海警2506(奥)と、並走する海上保安庁の巡視船かとり(13年)=共同

海警法は違法に領海などに入った外国船が命令に従わない場合、武器の使用を認め、島しょなどに外国が造った建築物も強制排除できるとした。威嚇効果は抜群だ。

沖縄県の尖閣諸島に関しては、領海内に繰り返し侵入できる実力を世界に見せつけることで事実上、日本による実効支配を崩そうともくろむ。

日本の漁船が(中国が主権を主張する)敏感な海域に入るから中国公船が法執行するだけであり、互いにやめようではないか――。昨年11月、来日した国務委員兼外相の王毅(ワン・イー)は攻勢をかけた。

日本側がうっかりのめば、いわば「共同管理」を国際的に印象付けようとする中国のワナにはまってしまう。王毅の主張は、武器使用を明確化した今回の海警法施行を見据えた布石でもあった。法律戦を駆使した「力による現状変更」という圧力は今後、強まることはあっても弱まるという期待は抱けない。(敬称略)

中沢克二(なかざわ・かつじ)
1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

気候変動巡り米と対話模索 習指導部

気候変動巡り米と対話模索 習指導部
中国外交担当トップが秋波「ウィンウィンの関係」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0241Q0S1A200C2000000

『【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)指導部がバイデン米政権と温暖化対策を巡る問題で連携をしようと模索している。中国のウイグル族や台湾などを巡る問題では隔たりが大きく、数少ない対話の窓口になりうるとみているためだ。

中国外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員は2日、米国の企業家らを前にオンラインで講演した。「中米は気候変動や新エネルギーの開発などについて互恵協力を展開しよう」と呼びかけた。

米ホワイトハウスは1月下旬、温暖化ガス主要排出国の首脳会合を4月22日に開くと発表したばかり。その際、バイデン大統領は「他国と協力し気候変動の影響に最も脆弱な人々を支援していく」と述べた。2日の楊氏の発言が、バイデン政権の動きに対応したものであるのは間違いない。

中国は2020年の秋ごろから米中対話の呼び水として気候変動問題への取り組みを提案するようになった。習氏は9月に国連総会の一般討論演説で60年までに二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロにする目標を表明した。

環境問題に関心の高い欧州を引き寄せると同時に、バイデン氏が米大統領選で勝った場合に備えておく狙いがあったとみられている。

楊氏はバイデン政権に「(中米)関係を再び予測可能で建設的な軌道に戻すのは(中米の)共通の責務だ」と話した。「中国は米国とともに努力して、相互を尊重するウィンウィンの関係を推進したい」とも語った。

中国が米側に話し合いをさかんに呼びかけるのは「バイデン政権の対中政策がまだ完全に固まっていない」(外交を専門とする北京市の大学教授)とみているためだ。

習氏は1月25日の世界経済フォーラム(WEF)の演説で「新冷戦や制裁は世界を分裂に向かわせ、対立させる」と述べた。その直後にサキ米大統領報道官が中国へ「戦略的忍耐を持ちながら臨みたい」と述べたことも、中国には対話を探る好機に映る。

もっとも中国側の思惑通りに米中の緊張が緩和に向かうかは見通せない。中国が最も重視する「核心的利益」に位置づける台湾周辺では激しいつばぜり合いが続いているためだ。

1日には中国人民解放軍の対潜哨戒機「運8」1機が台湾南西部の防空識別圏に侵入した。中国軍機による侵入は20年後半から常態化し、最近は同じ日に2度も侵入するなど活発な動きを見せる。

1日には3機の米軍機も台湾南西部の防空識別圏に入ったことも確認された。バイデン政権も台湾との緊密な関係を維持する意向を鮮明にしており、緊迫した状況はトランプ前米政権と変わっていない。

楊氏は「(中国大陸と台湾は一つの国とする)一つの中国の原則を厳格に順守すべきだ」と指摘した。香港やチベット、新疆ウイグル自治区問題について「米国は介入するのをやめるべきだ」と語った。そうしなければ「中米関係と米国の利益は深刻に損なわれるだろう」と強調した。「核心的利益」を巡る問題では一歩も譲らない構えをみせた。

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思いやり予算、交渉再開 バイデン政権と初のオンライン協議

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『日米両政府は2日、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)を巡る実務者協議をテレビ会議方式で再開した。1月のバイデン政権発足後で初めてとなる。

日本政府は2021年度以降の負担について、1年分の暫定合意を結ぶ案を既に米側に提示している。2月中に妥結し、20年度中の国会承認を目指す。

思いやり予算は5年ごとに結ぶ特別協定に基づいて決定してきた。現行の協定が切れる3月末までに国会承認を得なければ、基地の運営に影響が出る恐れがある。本格交渉を先送りするため21年度の1年分に限定して米国との合意を急ぐ。

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思いやり予算
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トランプ氏弁護団、弾劾裁判「上院に権限なし」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN030ND0T00C21A2000000

『【ワシントン=永沢毅】米連邦議会占拠事件で下院に弾劾訴追されたトランプ前大統領(共和党)の弁護団は2日、弾劾裁判に向けた準備書面を上院に提出した。大統領を退任した点を踏まえて「上院に前大統領を裁く権限はない」と訴えた。トランプ氏の演説が支持者を扇動したとの民主党の主張も否定した。

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トランプ氏の弁護団が一部離脱 弾劾裁判前に
弾劾「合憲」5人どまり 共和、トランプ氏なお影響力
書面では「弾劾裁判は表面的にも実質的にも欠陥があり、違憲だ」と主張した。トランプ氏が占拠前に実施した演説に関しても「(言論の自由を保障する)合衆国憲法修正第1条に基づき、自らの意見を表明することは認められている」との見解を示した。

弾劾裁判で検察官役を務める民主党の下院議員9人は上院に出した文書で、占拠事件に関し「(トランプ氏の)責任は明白だ」と訴えた。

弾劾裁判の審理は9日から始まる。共和党所属の上院議員50人のうち45人が今回の裁判が「違憲」との判断を示しており、無罪評決になる公算が大きい。有罪評決は上院(定数100)の出席議員の3分の2の賛成が条件で、共和党から17人以上の造反が必要になる。

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