[FT]中国機、台湾近海で米空母への攻撃訓練

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『米国とその同盟国が収集した情報によると、バイデン米大統領が就任した3日後に中国の軍用機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入し、米空母へのミサイル攻撃のシミュレーションを行っていた。

台湾国防部によると、中国軍は1月23日にADIZの南西部に航空機11機を、また翌日には同じ空域に15機を侵入させた。

情報をよく知る複数の人物によると、侵入した爆撃機と戦闘機は、米空母セオドア・ルーズベルトを中心とする…

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情報をよく知る複数の人物によると、侵入した爆撃機と戦闘機は、米空母セオドア・ルーズベルトを中心とする空母打撃群を標的とする訓練を実施した。中国機は訓練の間、空母打撃群から250カイリ(約460キロメートル)以上の距離を保っていたという。

同空母を標的に対艦ミサイル発射訓練を行う命令を爆撃機「轟6」のパイロットが確認しているコックピット内の会話が傍受されたもようだ。

対中関係改善の障害に

今回の訓練で、台湾と南シナ海をめぐる米中間の激しい軍事競争が収まっておらず、それがバイデン政権が対中関係改善を目指す際の障害となることが浮き彫りになった。

中国はアジア地域に展開する米軍の艦船や航空機を標的にできるミサイルを開発し、アジアと西太平洋地域での米国の圧倒的な軍事的優位に対抗している。中国の専門家は、同国政府は米国とのあからさまな対立を避けたがっていると指摘しているが、中国軍の強硬姿勢によって米国はアジアでの部隊配置と戦略の修正を迫られている。

アジア地域を管轄する米インド太平洋軍は、セオドア・ルーズベルト空母打撃群が中国軍の動きを詳細に追っていたが、訓練は「決して」米艦隊への脅威にはならなかったとしている。

「しかし中国軍は攻撃的で情勢を不安定化させる行為を続けている」とインド太平洋軍の広報官マイク・カフカ海軍大佐は述べた。「これらの行為は中国軍が軍事力を用いて、隣国や領有権を巡る係争相手の軍隊の公海および公海上の空域での活動を威嚇または抑圧しようと引き続き試みていることを示している」

中国軍が侵入したとされる海域は南シナ海北端にあり、台湾が実効支配する東沙諸島と台湾島の間に位置する。ここは台湾海峡が西太平洋と南シナ海をつなぐ主要航路であるバシー海峡と合流する場所でもある。

ウイグル問題で強硬姿勢の構え

台湾国防部のシンクタンクである国防安全研究院のアナリスト蘇紫雲氏は「『スホイ30』戦闘機はKH31対艦ミサイルを搭載可能だ。また『轟6』と『殲16』戦闘機はどちらもYJ対艦ミサイルを搭載できる」と指摘した。「この3種類の航空機はいずれも水上艦への明確な脅威となる」という。

米インド太平洋軍は1月23日、セオドア・ルーズベルト空母打撃群が同日南シナ海を航行したと発表した。船舶の位置を追跡するデータによると、同打撃群はバシー海峡を通過した。

発足したばかりの米政権は中国軍の航空機訓練に強く反発し、台湾への威嚇行為をやめるよう警告した。

米国務省は声明で「我々は中国政府に台湾への軍事的、外交的、経済的圧力をかけるのをやめるよう求める」とし、中国は米台関係が「盤石」であることを思い出すべきだと強調した。

バイデン大統領は日本が実効支配し中国が領有権を主張する尖閣諸島(中国名・釣魚島)が日米安全保障条約の適用範囲にあることを再確認し、中国に間接的にメッセージを送った。

米国の中国専門家は、政策決定においてバイデン氏はトランプ前大統領ほど混乱しないと予想している。

台湾など諸問題で米中間の緊張が続く兆候はすでにある。ブリンケン国務長官は、中国政府が新疆ウイグル自治区でイスラム教徒のウイグル族を収容施設に送ったことを「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と呼んだトランプ前政権の立場を支持すると述べた。

議会の指名公聴会でブリンケン氏は、トランプ氏の対中政策の実施手法には賛成しないが、「強い態度を取ったことは正しい」と語った。

中国海事局は中国軍が南シナ海で別の訓練を開始して30日に終了する予定だと発表した。台湾国防部は27日の訓練開始以降、中国軍によるADIZへの侵入が普段より増えていると報告した。

By Kathrin Hille and Demetri Sevastopulo

(2021年1月30日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

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