インフラ投資で景気底上げ インド21年度予算案

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『【ニューデリー=馬場燃】インド財務省が1日発表した2021年度(21年4月~22年3月)の当初予算案は、歳出総額が前年度比14.5%増の約34兆8千億㍓(約48兆円)になった。インド経済が新型コロナウイルスの影響で過去最悪のマイナス成長に落ち込むなか、インフラ投資で景気の底上げを急ぐ。

インドの経済成長率は、20年4~6月期にマイナス23.9%と世界主要国のなかでも大きな落ち込みだった。インド政府は20年度通年の成長率もマイナス7.7%と過去最悪を見込む。モディ首相は29日、21年度予算案について「今後10年のインドの未来にとって大変重要になる」と力を込めていた。

歳出を主要分野ごとにみると、インフラ関連が目立つ。道路や鉄道などの交通は37.4%増、農村開発が34.3%増、都市開発も9.0%増とした。モディ氏は19年5月に再選を果たし、5年間で100兆㍓のインフラ投資を実行すると宣言している。インフラの整備を加速することで景気の早期立て直しをめざす。

健康関連は10.5%増と従来予算よりも大幅に手厚くした。インドのコロナ累計感染者は1070万人強と米国に次いで世界で2番目に多い。人口13億人強のうち、1月から夏までに高齢者など約3億人を対象としたワクチン接種を始めている。インドはミャンマーなど近隣国にワクチンの輸出も開始した。ワクチン接種の成否は今後の景気回復ペースを左右する見通しだ。

防衛も中国との対立を背景に7.4%増に跳ねあがった。印中両軍は20年5月から国境の係争地域でにらみ合いを始め、その翌月にインドは45年ぶりに死者を出した。21年1月にも印北東部のアッサム州で小競り合いが起き、対立は長期化する兆しがある。インドは係争地域に活用する偵察用のドローンなどの導入を検討している。

21年度のインド経済は地場製造業の振興が進むかどうかも焦点になる。インド政府は20年春以降のコロナ拡大を踏まえ、自立した経済圏を創る構想を打ちだした。中国企業の輸入を抑え、代替できる製品は国産を優遇する構えだ。インド政府は通信や自動車など13業種を対象に、一定の売り上げを増やした企業に補助金を支給する。

歳出総額を増やしたことで国内総生産(GDP)に占める財政赤字は6.8%に拡大する方向だ。コロナに関連する追加経済対策によって、20年度予算も当初より約4兆㍓増を見込んでいる。インド政府は21年度に成長率を11%のプラスに戻す道筋を描いているが、景気の持ち直しが遅れると財政赤字が一段と増える恐れが否めない。

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