中国で元国有企業会長の死刑執行、収賄額290億円

中国で元国有企業会長の死刑執行、収賄額290億円…1審判決から3週間余で執行
https://www.yomiuri.co.jp/world/20210130-OYT1T50159/

『【北京=比嘉清太】中国中央テレビによると、収賄などの罪に問われた国有の資産管理会社「中国華融資産管理」の元会長、頼小民ライシャオミン死刑囚の刑が29日、執行された。汚職事件での死刑執行は異例。関係機関への融資の見返りなどとして認定された収賄額約17億9000万元(約290億円)は過去最高額という。

 頼死刑囚は、天津市第2中級人民法院(地裁)が言い渡した今月5日の死刑判決を不服として上訴したが、棄却されていた。1審判決から3週間余りでの刑執行となった。』

重婚罪と100人の愛人、汚職金額最高額17億元(約273億円)の中国役人
https://www.visiontimesjp.com/?p=8177
(※ 例の、「看中国」という大紀元系のメディアだ…)

『8月11日、不良債権処理を中核事業とする中国政府系の金融アセットマネジメント会社・中国華融資産管理元代表取締役兼中国共産党委員会の書記頼小民が裁判にかけられたことが、中国一般市民と公務員の注目を集めた。

 注目を集めたのは2つのことである。

 第一に、頼小民が賄賂を受け取った額は人民元17.88億元(約273億円)で、中国官僚の汚職金額の記録を塗り替えた。

 第二に、重婚罪と二人の隠し子を持っていたと告発された。頼小民は2018年4月に中央紀律検査委員会による調査を受けた。その後、中国メディアが「100人もの愛人がいる」と報じたことにより、同事件への世間の関心が大きく高まった。頼小民の時間管理術や複数の女性との関係にどうやって対処したかがネットで話題になった。同事件は役人に対する習近平の厳重な戒めであり、裁判の真の理由を役人は一般人よりもよく知っている。

これまでニュースサイト「財新網」を含む中国のメディアによると、頼小民は仕事で関わった者に合計100軒以上の住宅を要求し、妻や愛人たちに分配したという。同時に頼小民の会社はアメリカやヨーロッパで多くの研修コースがあり、職務を利用して「愛人やコネのために休暇旅行」を手配していた。愛人が多すぎるため、頼小民は数字で愛人を分けており、中には中国芸能界の女優もいると言われている。

 最近、中国財新網は頼小民の複数の不動産から人民元と外貨を総額2.7億元(約41億円)、重さ3トンの現金が押収されたと報じた。以前、魏鵬源・元エネルギー局石炭部副部長が自宅に2.3億元(約35億円)の現金所持記録を更新した。裁判所の発表によると、頼小民の収賄と汚職合計が18億元(約275億円)余り。つまり過去10年間、毎日50万元近く受け取ってきたことに相当する。

 8月11日に審理が終了し、法廷は休廷となり、判決は後日発表されるとのこと。

 ネット上の反響から見て、役人の汚職額が曖昧なところが多いため、金額の多さに驚いた人は少ない。通常、高級官僚ほど、公表される数字は小さく、嘘っぽい。例えば、中国高官の一人である周永康元中共中央政法委員会書記(全国の情報、治安、司法、検察、公安などの部門を主管する)は1.3億元(約20億円)に及ぶ汚職の疑いがあり、権力乱用による損失は14.86億元(約228億円)余りに上るとされているが、ロイター通信は、周永康の家族は1000億元(1.5兆円)近く汚職したと報じた。

 汚職金額18億元余りが公表されたのは、実は頼小民の運命が定められたのである。政治評論家である李燕銘は、頼小民は即死刑か、少なくとも執行猶予なしで死刑を宣告される可能性があると述べた。

 では、頼小民はなぜこのような懲罰を受けるのか。

 中国共産党には現在、習近平、李克強、江沢民・曽慶紅の3つの大きい派閥がある。習近平にとって最も危険なライバルは、江沢民・曽慶紅の派閥である。習と李の間では、大きい権力闘争があるが、習と江・曽の争いは死闘である。

 江沢民は元最高指導者で、曽慶紅は江沢民の首席幕僚であり、実際は23年間政権を握っており、役人の間での影響力は今も残っている。

 曽慶紅と頼小民は共に江西省出身。中国では、同じ出身地がより親密な関係に発展する可能性がある。

 1983年に21才の頼小民は優秀な成績で卒業し、中国人民銀行の企画資金部に採用されてキャリアをスタートした。中国人民銀行で20年間勤務した後、銀行監督の分野に転身した。2009年、中国財務省が出資した中国4大資産運用会社の中で最大手の中国華融資産管理会社(華融)に転勤し、のちに会社の代表取締役に上り詰めた。同会社で銀行、証券、信託、金融リース、先物、消費者金融、不動産購入など金融業界のすべてのライセンスを収集し、同社の純資産は2009年の156億中国人民元(約2400億円)から2017年には1826億人民元(約2.8万億円)に拡大した。2012年には、「2012年中国トップ10の金融人物」の1人に当選された。同社の主要メンバーの多くは江西省出身なので、江西省の住民票番号の最初の2桁が36であることから、従業員は冗談で同社を「36局(部門)」と呼んでいる。

 中国共産党の江西省出身の幹部、元党中央規律検査委員会書記呉官正、中央政法委員会書記郭声琨は、江沢民・曽慶紅の派閥に所属すると見なされている。頼小民はこれらの幹部と密接な関係を持っていたため、江沢民派閥に属していると考えられる。

 頼小民は、これらの幹部が金融部門での利益移転に携わったことで知られている。中国の公式メディアの報道によると、2018年に頼小民が調査された際に、香港上場企業の取締役会長である劉廷安も共に連行されたという。この上場企業(旧社名:至卓國際(控股)有限公司 )の傘下には中国の不動産デベロッパーが70%を所有する最大手の子会社を持っている。この不動産開発会社は1996年に曽慶紅の姪である曽宝宝(別名:曽潔)によって設立された。

 また、頼小民が所属する中国華融資産管理は、2014年10月に突然、香港株の天興国際を買収した。当時、「中国財経報道」は、長年赤字を続けていた証券会社の天興国際が、中国最大手の資産運用会社に買収されたと報じた。天興国際の保有者は、香港の超強豪張家族が所有しており、張家の一人である張徳熙は、現在香港新界総商工会の会長を務めている。曽慶紅は多くの勢力を香港に張り込んだ、張家もその一つである。

 香港では「青年関愛協会」と呼ばれるグループがあり、そのリーダーはすべて張家族によって支配される香港新界総商工会の出身者である。香港の法輪功学習者に対し、暴力活動を振る舞ってきた。1999年、江・曽派は法輪功弾圧という大規模な迫害活動を始めた。役人の昇進、後任者の重要な基準は、法輪功学習者の迫害に関わったかどうかという。共産党最高幹部の2世である薄熙来は、2002年の共産党の最も重要な会議(第16回中国共産党全国大会)で、習近平や李克強と競って「第5世のリーダー」の資格を持っていると見なされ、当時習近平と李克強とライバルになった。薄熙来ははトップリーダーになるために、江・曾の命令に従ってきた。実際、2012年までは、ほぼすべての人は薄熙来が成功すると考えており、習近平にはあんまりチャンスがないと思われた。しかし2012年、薄熙来の重要な側近である王立軍が成都の米国総領事館に逃亡し、極秘情報を米国に持ち込んだ。 同年、薄熙来は公職を剥奪され、後に刑務所に送られた。

 2020年8月には、成都の米国総領事館が閉鎖され、習近平が中国のトップになったが、共産党内の闘争は止まらなかった。 習近平が政権に就いて以来、江・曽の派閥は数々の問題を起こしてきた、今回江・曽派の役人を裁いたのは、習近平の反撃であり、警告でもある。 勝ち負けが生死を左右する中国の政治の行方は誰にもわからない。

中国メディアの報道によると、頼小民は1962年に生まれ、江西省の貧しい農村で育った。家族には5人の子供がおり、一家は非常に貧しかったが、頼小民の成績が最も優秀で、村で最初の大学生となった。1979年、彼は瑞金市の文系トップ学生として江西省金融経済大学に入学した。頼小民は、家庭の事情で毎月21.5元(1980年のレートで約3600円)の奨学金を頼りに大学を卒業したことをメディアに繰り返し述べた。

 その後、頼小民は中国共産党の最強の権力者と関係を築き、庶民にはない富と地位を手に入れたが、58歳の時に残りの人生が「死刑あるいは無期懲役」という運命に転じた。もし時間を戻せるなら、人生の中で違った選択を選ぶかな?

(翻訳・柳生和樹/玉竹)』