EU、ワクチン輸出制限 英製薬の供給減通告受け

EU、ワクチン輸出制限 英製薬の供給減通告受け
3月末まで・事前購入契約の会社が対象 途上国向けなどは除外
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 ※ 『EUが強硬姿勢に出る背景には、米英に比べたワクチン接種の遅れがある。欧州では感染力の高い変異種の広がりなどで収束の見えない状態が続く。ワクチンが数少ない望みだ。ドイツは9月に総選挙を控え、ワクチン供給が遅れれば国民の不満が高まる。

両者の対立は深まる一方だ。欧州メディアは28日、ドイツ当局がアストラゼネカ製ワクチンについて65歳以上の高齢者への使用を推奨しない方針だと報じた。高齢者の効果についてデータが不十分だとの理由だが、ドイツによる報復との見方もくすぶる。

同社の広報担当者は「最新の臨床試験(治験)の分析で65歳以上の効果を確認している」と反論。英当局も「有効性が足りないと示すものはない」と同社を支援する。

ベルギーの保健当局は同日、アストラゼネカのワクチンを生産する国内工場に立ち入り検査した。欧州委員会の要請で生産状況などを確認したとみられる。』

 ※ 『欧州委は29日、これまで非公表だったアストラゼネカとの契約書も公表した。フォンデアライエン欧州委員長はこれに先立ち、独ラジオに「法的拘束力のある注文があり、契約書は明快だ」と訴えた。

しかし公表された契約書は黒塗りにされた部分も多い。アストラゼネカは「最善の努力をする」と表記している箇所もあり、EUが主張するように法的拘束力のある契約なのか、事実関係が明らかになったとは言いがたい。』

 ※ 「黒塗り」とか、「ノリ弁」とか、どっかの国の国会でも聞いた話しだな…。

 ※ だんだん、「泥仕合」になってきた観があるな…。

 ※ 日ごろは、「理性的に。」とか、「協調を、重んじて。」などと言っていても、イザともなれば、この体たらくだ…。

『【ロンドン=佐竹実、ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)の欧州委員会は29日、新型コロナウイルス用のワクチンの輸出制限措置を導入すると発表した。英製薬大手アストラゼネカがEU向けのワクチン供給の大幅削減を通告したのを受けて、必要な量を確保するための措置に踏み切る。

輸出制限では、EUが事前購入契約を結び、ワクチン開発などの資金を支援した製薬会社に対して、EU域内で製造したワクチンの出荷計画を…

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輸出制限では、EUが事前購入契約を結び、ワクチン開発などの資金を支援した製薬会社に対して、EU域内で製造したワクチンの出荷計画を事前に申告し、許可を得るように義務づける。アストラゼネカを含めた製薬会社に契約を守るよう圧力をかける狙いがありそうだ。

数日内に制度を始め、3月末までの時限措置とする。世界保健機関(WHO)などが主導する新興・途上国にワクチンを配るための国際枠組み「COVAX(コバックス)」向けの輸出は対象外とする。輸出制限がワクチン・ナショナリズムを過熱させるとの批判に配慮した。

記者会見したドムブロフスキス上級副委員長(通商政策担当)は「透明性を高めるのが目的で、世界貿易機関(WTO)などの国際ルールに沿っている」と主張。EU高官は記者団に「輸出禁止措置ではない」と説明した。

発端はアストラゼネカが22日、EUへの1~3月の供給量を過去に合意していた8千万回分の半分以下の3100万回分へ削減すると通告したことだ。ベルギーの委託先工場での生産量が想定を下回るためとの理由からだ。

EUは同社と2020年8月に最大4億回分の事前購入契約を結び、開発資金や生産体制整備のために3億ユーロ(約378億円)を支払ってきた。欧州委員会のキリヤキデス委員(保健衛生担当)は「信頼を回復するために契約上および道義上の義務を果たしてほしい」と求める。EUで医薬品を審査する欧州医薬品庁(EMA)は29日、英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大学が開発した新型コロナワクチンの条件付き承認を勧告した。

英工場でのワクチン生産はほぼ計画通りに進んでいる。このためEUは英国工場での生産分や備蓄などで不足を補うべきだと求めている。アストラゼネカは「契約は『最善を尽くす』ことだ」と主張。EUと合意していた供給量には法的拘束力がないとの立場で議論がかみ合わない。

EUのミシェル大統領はデンマークなど加盟4カ国の首脳に宛てた書簡で、ワクチン確保へ法的手段を模索する考えも表明した。製薬会社にEUが契約したワクチンの供給を強制的に守らせる方法を検討しているとみられる。

EUが強硬姿勢に出る背景には、米英に比べたワクチン接種の遅れがある。欧州では感染力の高い変異種の広がりなどで収束の見えない状態が続く。ワクチンが数少ない望みだ。ドイツは9月に総選挙を控え、ワクチン供給が遅れれば国民の不満が高まる。

両者の対立は深まる一方だ。欧州メディアは28日、ドイツ当局がアストラゼネカ製ワクチンについて65歳以上の高齢者への使用を推奨しない方針だと報じた。高齢者の効果についてデータが不十分だとの理由だが、ドイツによる報復との見方もくすぶる。

同社の広報担当者は「最新の臨床試験(治験)の分析で65歳以上の効果を確認している」と反論。英当局も「有効性が足りないと示すものはない」と同社を支援する。

ベルギーの保健当局は同日、アストラゼネカのワクチンを生産する国内工場に立ち入り検査した。欧州委員会の要請で生産状況などを確認したとみられる。

欧州委は29日、これまで非公表だったアストラゼネカとの契約書も公表した。フォンデアライエン欧州委員長はこれに先立ち、独ラジオに「法的拘束力のある注文があり、契約書は明快だ」と訴えた。

しかし公表された契約書は黒塗りにされた部分も多い。アストラゼネカは「最善の努力をする」と表記している箇所もあり、EUが主張するように法的拘束力のある契約なのか、事実関係が明らかになったとは言いがたい。

フランスでは一部地域で米ファイザーなどのワクチンが足りず、接種できない事態も生じている。アストラゼネカ製も遅れれば経済再開が遠のく。

先進国のワクチン争奪戦は世界のコロナ危機対応にも影を落とす。WHOのテドロス事務局長は「ワクチン・ナショナリズムは世界的大流行を長引かせるだけだ」と警鐘を鳴らす。