[FT]ロックダウンの中国都市 物不足で噴出した抗議の声

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『ロックダウン(都市封鎖)下に置かれた中国の都市の住民が食料や医薬品の不足に抗議の声を上げた。同国の厳しい感染症管理体制について珍しく公開の場で議論が巻き起こっている。

突然ロックダウンが実施されたため、1週間以上も何の配給もなくアパートに閉じ込められている人がいる――。北朝鮮との国境に近い吉林省北東部にある通化市の市民は、中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」上で訴えた。

「我々通化市民は、ウイルス…

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「我々通化市民は、ウイルスには打ちのめされなかったが、飢えと基礎疾患にあえいでいる」。投稿者の1人は書きこんだ。

「10日間も薬がない」とSNSに投稿

「インスリンを買える方法はないだろうか。糖尿病の同居人がいるのだが、10日間も薬がない状態が続いている。死んでしまったら、どうなるのだろう」と嘆く人もいる。

中国は新型コロナ感染症の感染者が比較的少ないが、地方自治体は小規模ながら再発する感染例に対処するため、厳しいロックダウンに踏み切っている。

市民はおおむね地方政府のウイルス抑制努力を受け入れているものの、通化市のロックダウンは珍しくオンライン上で反発を引き起こした。

通化市は25日、3回目の強制的な新型コロナRNA検査を開始した。同市は中国国内でも新型コロナ感染者数が多い都市の1つで、26日時点で202人の感染が確認されている。北京に隣接する河北省の省都、石家荘市では同国最多で、746の症例が確認されている。

通化市在住のケリー・リュウさん(35)はフィナンシャル・タイムズ(FT)の取材に、リュウさんと両親はこの3日間、漬物とピーナツで飢えをしのいでいると述べた。

「本物の空腹とはどういうものか、今回、初めて体験した」。25日にロックダウン後初めて、政府から野菜の配給があったが、せいぜい1日程度しかもたないだろうと話す。

リュウさんはロックダウンに入る前日に食料品を調達したが、それほど大量には買わなかった。「あの時の政府などの案内では、食料品供給には問題がないという話で、買いだめをしないよう市民に呼びかけていたからだ」

対応の遅れを副市長が謝罪

市民の怒りを受けて、通化市の蔣海燕副市長は24日、生活必需品の配達の遅れをわびた。同副市長によると、当局がボランティアを集めてチームを作り、対処に当たっているという。

李平市長は25日夜、中国国営中央テレビ(CCTV)で食料不足について聞かれ、大量の注文でオンライン配達プラットフォームが機能しなかったと述べた。

「本格的なロックダウン管理体制を敷いたことで、地域で活動する職員の中にも自宅で待機した人がいたため、配達のための人員が不足した」と説明した。

コメント投稿者は、パンデミック(世界的大流行)の始まりとなった2020年の武漢市の初期の失態との類似点を指摘する。

中国共産党の機関紙、人民日報は24日、食料品・必需品の備蓄は「十分にあり、不足はない」とした通化市感染症管理当局のインタビュー記事をウェイボに流した。

この人民日報の記事に対するコメントで最も支持されたのは、「初期の武漢を思い出させる。武漢市の病院や病院長も、供給不足はないと言っていた」というものだった。

米国に本拠があるニュースサイト、チャイナ・デジタル・タイムズによると、通化市在住の市民の中には、武漢市の作家で「武漢日記」を著した方方さんに投稿をシェアしてほしいとメッセージを残す人もいるという。

方方さんはロックダウン中の武漢の問題をあからさまに描写した。愛国主義者からは、中国を批判する海外の批評家に「武器を差し出した」として非難を受けている。

By Yuan Yang

(2021年1月26日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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