欧州首脳、米政権に期待と警戒 ダボス準備会合で講演

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『【パリ=白石透冴】欧州連合(EU)各首脳は26日、世界経済フォーラム(WEF)主催のオンライン会合「ダボス・アジェンダ」で相次いで講演した。20日に発足したバイデン米新政権に対し、多国間主義重視の姿勢を歓迎する一方、デジタル課税ではけん制した。米国の内向き志向は変わっていないとの見方も根強く、期待と警戒が入り交じっている。

「米政権が最初に取り組んだのがパリ協定への復帰だった」。フランスのマクロン…

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フランスのマクロン大統領は講演でバイデン政権の判断を歓迎した。トランプ前政権は地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」から離脱するなど気候変動対策に消極的だったが「新政権は多国間主義の構築に向き合ってくれると期待する」と語った。

ドイツのメルケル首相は「米政権が世界保健機関(WHO)に残留することをうれしく思う」と強調した。トランプ前大統領は2020年7月、新型コロナウイルス対策などを巡り「中国寄りだ」としてWHOからの脱退を表明していたが、バイデン大統領が撤回している。

米・EU関係はトランプ前政権の4年間で、ほぼ全ての分野で悪化した。安全保障面でトランプ氏は北大西洋条約機構(NATO)の枠組みを軽視し、イラン核合意からも一方的に離脱を表明し、中東情勢を不安定にした。経済でも米国は欧州の自動車への関税をちらつかせ、緊張を生んだ。

EUは米国に追随しない政治と経済を志向するものの、米国抜きで世界の自由主義圏を維持するのは現実的でないとも感じている。中国やロシアの強権的な外交が台頭するなか、米国との関係を修復する機会が来たと受け止めている。

一方で、IT(情報技術)大手へのデジタル課税を巡っては、EUはバイデン政権の出方をはかりかねている。経済協力開発機構(OECD)は課税について21年半ばまでの国際合意を目指すが、トランプ前政権は慎重な姿勢を崩していなかった。メルケル氏は「米国と共にOECDの取り組みを加速させられることを望んでいる」と注文を付けた。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、大手IT企業向け包括規制案であるデジタルサービス法(DSA)とデジタル市場法(DMA)について言及した。欧州委が20年12月に公表しており、自社サービスを優遇するのを事前規制するなどの内容だ。

フォンデアライエン氏は「米国にも取り組みに参加してほしい。デジタル世界の規則を共につくることができる」と呼び掛けた。ただ米企業の活動に新たな制約が加わることになり、米政権がすんなりと受け入れるかは不透明な部分が残る。

マクロン氏は「中国を含む多くの国と(気候変動対策で)協力できた」と付け加えた。EUは中国とは複雑な関係で、気候変動対策などでは重要な相手だが、新疆ウイグル自治区に住むウイグル族の人権問題などで警戒感が強まっている。各首脳は中国と協調する重要さを訴えつつも、友好的な関係を強調するような文言は避けた。