バイデン氏、米国製品の政府調達拡大 大統領令に署名

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『【ワシントン=鳳山太成】バイデン米大統領は25日、政府調達で米国製品を優先する「バイ・アメリカン」法の運用を強化する大統領令に署名した。政府機関に米国製品の調達拡大を促し、国内製造業を支援する。支持者の労働者層を重視する姿勢をアピールした。

バイ・アメリカンは政府調達で一定比率以上の米国製品を使うよう求めている。大統領令ではこの比率の引き上げや厳格な適用を検討するよう関係省庁に指示した。特定の条件を満たせば外国製品を使える適用除外の仕組みも、米国企業にとって公正に運用されているか監視を強める。

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ホワイトハウス内の米行政管理予算局(OMB)に担当ポストを設け、米国製品を優遇する政策を省庁横断で進めることも決めた。

バイデン氏はホワイトハウスで「税金を米国の再建に活用し、米国の製品と労働組合の雇用を支える」と述べ、製造業を支援して景気や雇用の回復を急ぐ考えを示した。

トランプ前大統領も国内の労働者層から支持を集めるため、大統領令を使ってバイ・アメリカンの運用強化を目指してきた。バイデン氏も同様に保護主義的な政策で民主党の支持基盤である労働組合などの支持をつなぎ留める狙いだ。

バイ・アメリカンは運用方法次第では世界貿易機関(WTO)の政府調達協定などに抵触する恐れがある規則だ。米産業界からは調達コストの負担が膨らんだり、他国の政府調達市場で不利になったりする恐れがあるため、慎重な運用を求める声が多い。

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菅野幹雄
日本経済新聞社 ワシントン支局長・本社コメンテーター
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ひとこと解説 トランプ政権の政策をバイデン政権がひっくり返すどころか、一段と「強化」するという珍しい例です。「バイ・アメリカン」の厳格適用で、米製造業を筆頭に民主党の基盤である労働組合に加わる人々の仕事(Union Job)を増やす。トランプ氏を接戦の末に制した中西部の激戦州の有権者を着実につなぎとめる狙いのメッセージといえます。

巨額の税金を米国の企業・雇用の再生へ生かすという論法はわかりやすくアピールがありますが、実際に所期の効果を上げるでしょうか。記事にあるように国際貿易ルールへの抵触や企業のコスト増による競争力低下などマイナス面も見逃せず、持続性に欠ける手段という印象を受けます。
2021年1月26日 8:12いいね
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鈴木一人のアバター
鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察 かつて日米貿易摩擦が激しかった頃、アメリカは日本の公共事業が国際的に開放されていないとして政府調達の閉鎖性を指摘し、その流れでWTOでの政府調達協定などができた。そのアメリカが今度は「バイ・アメリカン」政策を進めているのだから、時代は大きく変わっていることを実感する。バイデン政権のTPP参加に期待する向きもあるようだが、こうした国内雇用優先で保護主義的な政策をとっている限り、TPP復帰はありそうもない話である。
2021年1月26日 7:56いいね
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