https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN227GN0S1A120C2000000
『米グーグルは22日、同社のニュース検索サービスで表示する記事の使用料支払いがオーストラリアで義務付けられた場合、同国のネット検索市場から撤退する可能性があるとの見解を示した。コンテンツ制作費の負担のあり方をめぐる同社と報道機関・政府との対立が、幅広いネットサービスに影響する可能性が出てきた。
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グーグル、豪の記事使用料交渉制度に反対姿勢
豪政府は2020年12月、グーグルと米フェイスブックを念頭に報道機関が記事使用料支払いをIT(情報技術)大手に申し入れた場合、交渉を義務付ける法案を議会に提出した。双方が合意できない場合は仲裁人を指名し、仲裁人が支払額を決定する。
グーグルのオーストラリア・ニュージーランド(NZ)担当幹部のメル・シルバ氏は1月22日に豪議会の委員会に出席し、法案が修正されずに成立した場合、「グーグルは検索サービスを豪州で止める以外の選択肢がなくなる」と述べた。
仮に主力のネット検索市場から撤退すればグーグルの経営への打撃も大きく、豪州内では交渉戦術の一環との見方もある。モリソン豪首相は22日の記者会見でシルバ氏の発言に関して問われ、「豪国内で何ができるかは、豪州がルールを決める。豪国内で働きたいという人は歓迎するが、脅しには応じない」と強調した。
報道機関の間ではコストをかけてつくったコンテンツにIT大手がただ乗りしているとの不満が根強い。批判をかわすため、グーグルは報道機関に対価を払って入手した記事を無料で読めるようにする「グーグル・ニュース・ショーケース」と呼ぶ新サービスを2020年からドイツなどで始め、順次提供地域を広げている。1月21日にはフランス報道各社とも個別の交渉を進めることで合意した。
(シドニー=松本史、シリコンバレー=白石武志)
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