開業遅れに3つの誤算 中国主導のインドネシア高速鉄道

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM193TE0Z10C21A1000000

 ※ 『インドネシアは民主主義国家で土地収用は容易ではなく』とか、最初から知れた話しだろう…。

 ※ そういうことが、『日本に事業体への参画を求める構想も明らかにした。遅れている工事を進める起爆剤にしたい思惑が浮かぶ』ということで、解決するとは思えない…。

 ※ 単に、「中国との交渉のカード」の一つにしたいだけの話しだろう…。

 ※ しかし、まあ、重要なエネルギー資源の供給国だから、無下にもできない…。

 ※ 「話しは、聞く。しかし、慎重に判断する。」というスタンスだろうな…。

『【ジャカルタ=地曳航也】インドネシアで中国が建設を主導する高速鉄道の起工式から21日で5年を迎えた。中国の広域経済圏構想「一帯一路」の目玉事業として2019年の開業をめざしたものの、工事の進捗は20年12月時点で依然65%弱と大幅に遅れている。原因を探ると、両国にとって3つの誤算が浮かんだ。

1つは計画自体の甘さだ。高速鉄道は首都ジャカルタと西ジャワ州の主要都市バンドン間の140㌔㍍を約45分で結…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り1250文字

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

初割で申し込む
https://www.nikkei.com/promotion/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN04AVW004012021000000&n_cid=DSPRM1AR08

無料登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN16C7X016122020000000&n_cid=DSPRM1AR08#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

高速鉄道は首都ジャカルタと西ジャワ州の主要都市バンドン間の140㌔㍍を約45分で結ぶ。当初、16年中に建設予定地の土地収用を終える方針だったが、20年にずれ込み、地方政府から必要な許認可を得られなかった。当局が保有する土地データが実際と異なるケースが相次いだほか、所有者の把握も難航した。

最初に見積もった約55億ドル(約5700億円)の総事業費のうち、75%を中国国家開発銀行の融資、25%を事業主体のインドネシア中国高速鉄道社(KCIC)の資金から充てる。土地収用が完了してから融資を始める契約で、KCICは資金不足を避けるため土地収用前の融資開始交渉を迫られた。事業費はその後、60億ドルに膨らんだ。

高速鉄道の受注をめぐっては日本の新幹線方式での提案が有力視されていたが、インドネシア政府は自らに財政負担を求めない中国案を採用した。日本政府関係者は「日本の資金協力の場合、土地所有者への公聴会の開催を含め適切な用地取得計画の詳細を把握したうえで判断する」と計画の甘さを指摘する。

建設予定地では移設が必要な高圧電線が多数あることも判明した。移設には公共事業・国民住宅省や電力・水道事業者など複数の関係主体との調整が必要で、工事が遅れる要因となった。

中国主導の高速鉄道の起工式でスピーチするインドネシアのジョコ大統領(西ジャワ州バンドン、2016年1月21日)

2つ目は新型コロナウイルスの感染拡大だ。インドネシア国内で3月に初めて感染を確認して以降、工事に携わっていた中国人スタッフの多くが感染を避けるため帰国した。技術指導など工事の主導権は中国側が握っており、帰国は痛手となった。中国からの関連資材の供給も滞ったという。

20年秋以降、中国人スタッフはインドネシアに戻り始め、5月時点で50%未満だった工事の進捗率は改善しつつある。ただ同国は東南アジアで最多の感染者数を抱えるなど状況収束のメドがたたず、感染対策を取りながらの工事を強いられる。

3つ目は自然災害だ。インドネシアでは近年、異常気象による大雨災害が相次ぐ。公共事業・国民住宅省は20年3月、KCICに工事を2週間中止するよう要請した。工事を進めれば、大雨の際、線路と並走する高速道路が浸水する危険性が高まったためだ。高速道路は資材の輸送路でもあり、中断の間、道路の補強工事に追われた。

地球温暖化が原因とされる異常気象は長期化する見通しで、工事は今後も大雨による洪水や地滑りなどの災害リスクを避けながらの作業となる。インドネシア政府は22年7~9月期にも工事を終え、同年中に開業にこぎ着けたい構えだ。

ジョコ大統領はバンドンから東ジャワ州の国内第2都市スラバヤまで高速鉄道を延伸し、日本に事業体への参画を求める構想も明らかにした。遅れている工事を進める起爆剤にしたい思惑が浮かぶが、日本政府関係者によると、20年10月のジョコ氏と菅義偉首相との首脳会談で延伸問題は触れられなかった。

インドネシアは民主主義国家で土地収用は容易ではなく、コロナや自然災害も不可抗力との見方はある。とはいえ当初設定した開業目標から幾度となく計画の先延ばしを強いられた中国、インドネシア両国はインフラ開発協力に関する国際的信用を落としたことは否定できない。