https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE2031O0Q1A120C2000000
『政府は20日発足のバイデン米新政権に「自由で開かれたインド太平洋」を巡る協力の継続を呼びかける。中国の影響力拡大を踏まえ、自由や法の支配を重視した国際秩序づくりを目指す。脱炭素に向けた技術開発でも日米の枠組みでの取り組みを促す。
菅義偉首相は20日の衆院本会議で「平和的な政権移行は極めて重要だ。新大統領の下で米国民が一致団結して歩んでいくことを期待する」と語った。立憲民主党の枝野幸男代表の質問に答…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り941文字
初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!
ログインする
https://www.nikkei.com/login 』
・立憲民主党の枝野幸男代表の質問に答えた。
・加藤勝信官房長官は記者会見で「自由で開かれたインド太平洋の実現、新型コロナウイルス対策、気候変動問題といった国際社会の共通課題で緊密に連携をはかっていきたい」と強調した。
・首相は大統領就任を受けて祝意を表明する。月内にもバイデン氏と電話協議し、初の首脳会談へ調整を始める。首相は2月に訪米する意向を示してきたが、具体的な日程や形式は両国の感染状況を見極めて決める。
・バイデン氏は感染対策やワクチン供給を就任後100日の最優先課題に据える。当面は内政を重視するとの見方がある。早期の対面が難しければテレビ会議方式も検討する。茂木敏充外相が先に訪米して首脳会談の環境整備をする案もある。
・初会談では日米同盟の重要性やインド太平洋地域への米国の関与を再確認する。日本側はトランプ政権と一緒に掲げた理念「自由で開かれたインド太平洋」を継承するよう期待している。
・「自由で開かれた」という文言は中国けん制の意味合いがある。中国の海洋進出や経済的な影響力拡大をにらみ、太平洋などに面する地域で自由貿易や安全保障協力を広げる考え方だ。
・日本政府には大統領選で争ったトランプ氏と同じ表現をバイデン氏が使うのを避ける可能性があるとの懸念がある。昨年11月の首相とバイデン氏の電話協議で、米側発表が「安全で繁栄したインド太平洋」という別の文言を使った経緯がある。
【関連記事】
日米外交、ボトムアップへ回帰 オバマ時代の知日派基盤
茂木外相「米新政権と同盟の抑止力強化」 外交演説
・日本は脱炭素での協力もめざす。首相とバイデン氏はともに2050年までの温暖化ガス排出量実質ゼロを目標とする。電気自動車(EV)や二酸化炭素(CO2)の回収技術などが協力項目に挙がる。首脳会談で閣僚対話の創設を提起する構えだ。
・自由貿易の推進でも意見を擦り合わせる。トランプ氏は米国第一主義を主張して環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱した。バイデン氏も当面は自国産業を優先するとの見方が多く、中長期的な復帰を呼びかける。
・安全保障面では中国への対応が重点課題となる。南シナ海や東シナ海での挑発行為を防ぐためオーストラリアとインドを加えた4カ国の連携を続けるよう求める。
・在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の水準は早期の調整が必要となる。20年は増額を求めるトランプ政権と合意を見送った。3月末に現行の特別協定の期限が迫るため妥結を急ぐ。
この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia
まるわかりバイデン政権始動