[FT]中国・欧州間の輸送費、4倍に コンテナ不足

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『中国から欧州へモノを運ぶ輸送費が過去8週間で4倍以上に高騰し、過去最高を記録した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で生じた空コンテナの不足で国際貿易が混乱しているためだ。

荷主と輸入業者によると、アジアから欧州北部へ40フィートコンテナ1個を運ぶ輸送料金が昨年11月の約2000ドルから9000ドル超に跳ね上がった。

欧米に取り残されたコンテナ

デンマークの海運コンサルティング会社…

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・デンマークの海運コンサルティング会社シーインテリジェンスのラース・イェンセン氏は「コンテナ海運がボトルネックになっている……(中略)コンテナという限られた資源を奪い合う顧客がいるなか、輸送費が高騰している」と語った。

・2020年上半期、コロナ対策のロックダウン(都市封鎖)で国際貿易が唐突に減速し、海運会社が数百便の運航便をキャンセルした。この際、何千個もの空コンテナが欧州と米国に取り残された。下半期に欧米でアジア製品の需要が回復すると、アジア発のコンテナを奪い合う荷主間の競争が激化し、運賃が急騰した。

・世界海運評議会のジョン・バトラー会長は「貨物量は激減から一転して、現在は歴史的な高水準で推移している。現在、港湾ターミナルが効率的に処理できる以上の貨物が流入している」と述べた。

・そして、港湾での混雑も輸送費高騰の一因となり、長くなったコンテナの待ち時間で生じるコストを埋め合わせるために海運会社が追加料金を請求していると付け加えた。

・欧州向け運賃は11月以降、コンテナ輸送船が太平洋航路を使うようになったことで一段と高騰した。対照的に、中国から米国へ向かう貨物の輸送費は、中国政府が海運会社に運賃の上限設定を要請した10月以降、頭打ちになっている。

欧州の生産者、価格転嫁は避けられず

・英国の貨物フォワーダー(貨物利用運送事業者)、エッジ・ワールドワイドのフィリップ・エッジ最高経営責任者(CEO)は、一部の企業はコンテナ1個当たり1万2000ドルの料金を請求されており、10月の約2000ドルから高騰したと話している。

・英国の家電製造業協会(AMDEA)は声明で、加盟企業は20年の年初以降、輸送費が最大300%増加したと報告しており、「増加した輸送費分が商品から得られる利益より大きく、そのため、こうした費用をエンドユーザーに転嫁しなければならない」ケースもあると述べた。

・さらに、「生産者は、こうした大幅な運賃上昇を吸収できるとはみていない」としている。

・匿名を条件に答えた英マンチェスターのレジャー用品輸入業者のオーナーは、コンテナ不足が商売に「多大な影響」を与えており、11月に出した注文の一部がまだ出荷待ちの状態だと語った。

・「問題は、1万2000ドル(の費用)を今払い、こうした料金を顧客に転嫁するか、それとも待って、在庫が尽きるリスクを冒すかだ」

・エコノミストらによると、混乱と遅延が世界のサプライチェーンに影響を及ぼし始めている。英調査会社キャピタル・エコノミクスのチーフエコノミスト、ニール・シェアリング氏は「負荷の兆候は積み上がっている」と言い、この圧力は「和らぐ前に、まだ強まる」見込みだと警告した。

・英IHSマークイットの最近の調査では、昨年12月、ユーロ圏の製造業サプライヤーの納期が4月のロックダウンの絶頂期以来、最悪のレベルに達し、輸送の遅延とサプライヤーでの一般的なモノ不足が「幅広く報告された」という。

・調査対象の企業は、手元の原材料と半製品の在庫がなくなりつつあり、その結果、最終製品の在庫も減少して仕入れ価格が急騰していると報告している。

・金融大手INGのシニアエコノミスト、バート・コリーン氏は、「供給不足と運賃上昇が貿易の伸びを多少鈍らせ、この1年を通して、一時的なインフレ圧力上昇」に寄与するかもしれないと語った。

本格的な高騰解消はまだ先か

・アジアでは2月の旧正月の時期には製造活動が減速するため、海運各社はこの時期に積み上がった受注残を処理する考えだ。これにより一時的でも料金低下につながることが期待されている。

・だが、バルチック国際海運協議会のエコノミスト、ピーター・サンド氏は、海運会社が最近、コンテナの新規注文を出したにもかかわらず、コンテナ不足は21年もずっと続く公算が大きいと指摘する。「発注規模はあまりにも小さく、タイミングも遅すぎる」と評している。

・イェンセン氏は、輸送費は多少下がるかもしれないが、「出荷を待っている膨大な量の貨物がまだある」と言う。

・コロナ関連の制限措置が解除され「人々がサービスに費やす選択肢が増えた時」に海上輸送のサプライチェーンにかかる負荷は和らぐはずだとバトラー氏は語った。ただし、「それがいつかは誰にも分からない」としている。

By George Steer and Valentina Romei in London

(2021年1月19日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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