[FT]ユーロ圏経済、ロックダウン長期化で二番底の恐れ

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『ユーロ圏各国は新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するために規制を強化しており、経済活動は大きく低迷している。広い範囲で観測されているタイムリーな代替指標によると、ユーロ圏景気が二番底に陥る懸念が高まっている。

経済活動を高頻度で追跡している各種のデータによると、2021年第1週には店舗や行楽地、職場への人出に加え、消費者の景況感や個人消費も軒並み打撃を受けた。こうしたデータは公式統計ほど包括的では…

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・こうしたデータは公式統計ほど包括的ではなく、信頼性に劣るが、よりタイムリーな景気指標となっている。

・オランダ金融大手INGのユーロ圏担当シニアエコノミスト、バート・コリン氏は、21年に入ってからのデータには「経済活動が減速し続けている傾向」が示されていると指摘する。

・昨年春の感染拡大初期に経験した突然の大きな衝撃とは違い、今回の感染急拡大は「長期に及んでいる」ため、ユーロ圏の経済活動は「緩やかながらも着実に減少」している。このため、「(政府や中央銀行の)手厚い支援策が維持されなければ、経営破たんの波が遅れて到来するリスクが」高まるとコリン氏は懸念する。

・その結果、エコノミストらは20年10~12月期のユーロ圏の域内総生産(GDP)成長率はマイナスになるとみている。英調査会社オックスフォード・エコノミクスや野村は1.8~2.3%減と予測する。さらに、21年1~3月期にもドイツやイタリアなどユーロ圏主要国の多くのGDP伸び率がマイナスにとどまると見込まれている。

・そうなれば、ユーロ圏のGDP成長率は2期連続のマイナスとなり、2年足らずで2度目の景気後退に陥ることになる。

21年早々に景気後退入りとの見方も

・独保険大手アリアンツの欧州担当シニアエコノミスト、カタリナ・ウテルモール氏は「21年早々にユーロ圏経済は二番底に陥ると予測している。新型コロナに伴う活動制限は長期化し、ここ数週間でさらに強化されたため、(1~3月期の)GDP成長率が2四半期連続のマイナスになるのはほぼ確実だ」と述べた。

・野村の欧州担当エコノミスト、キアーラ・ザンガレッリ氏は、ワクチン供給は「好材料だ」としつつも、ロックダウン(都市封鎖)の長期化により1~3月期のユーロ圏のGDP成長率は悪化するとの見通しを示した。

・オックスフォード・エコノミクスのエコノミスト、ダニエラ・オルドネス氏は、経済活動の低迷は「ユーロ圏の経済状況が悪化する新たな段階の始まりにすぎない可能性がある」と指摘し、さらに感染力の強い変異種が広がるリスクに言及した。

・今回の感染再拡大と経済活動の制限は、昨年は最悪のダメージを免れた国の経済にも打撃を及ぼしている。

・ドイツとオランダの今回の活動制限は感染拡大初期よりも厳しく、店舗やバー、レストランへの人出は欧州の他の国よりも大きく落ち込んでいる。

・英調査会社ファーブル・データの銀行取引記録によると、1月第2週のドイツの個人消費は昨年同時期に比べて25%落ち込んだ。食料品以外のほぼ全ての消費カテゴリーで支出が減った。

・ドイツ連邦銀行(中央銀行)による1月第2週の週間活動指標も昨年夏以来の減少となった。これは大気汚染やグーグル検索、消費者の景況感など高頻度で計測されるデータを活用した実験的な景気指標だ。

悪化する消費者の景況感

・米調査会社モーニング・コンサルトによると、今は大きな買い物をする時期ではないと答えたドイツの消費者の割合は昨年12月の16%から1月半ばには20%に増えた。データによると、1月第1~2週のユーロ圏主要国の消費者の景況感は大幅に低下した。

・好材料はユーロ圏の製造業部門だ。昨年秋のユーロ圏の鉱工業生産は輸出増加に支えられ、予想以上に堅調だった。このため、鉱工業生産高は昨年10~12月期の景気悪化をある程度和らげたとみられている。

・直近の鉱工業生産では、製造業部門の回復が21年に入っても続いていることが示されている。鉱工業生産の代替指標となるドイツのトラック走行距離データは例年通りクリスマスに一時落ち込んだが、その後は昨年1月上旬よりも高い水準で推移している。

・だが、景気の先行き不透明感が強く、その影響がいずれ工業生産にも及びかねないとエコノミストらは警告する。

・パンテオン・マクロエコノミクスのユーロ圏担当チーフエコノミスト、クラウス・フィシュテーゼン氏は「(1~3月期の)ユーロ圏の製造業部門の回復は鈍化するだろう」との見方を示した。

By Valentina Romei

(2021年1月17日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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