Facebook、対話アプリから利用者流出 方針改定で混乱

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『【イスタンブール=木寺もも子、シリコンバレー=奥平和行】米フェイスブックが運営する世界最大の対話アプリ「ワッツアップ」が利用者流出の危機に直面している。個人情報保護方針の改定を利用者が不安視し、競合サービスの利用が急増した。フェイスブックは火消しを急ぐが、業界の構図が変わる可能性もある。

「さようならワッツアップ」――。1月上旬、トルコの大手紙がワッツアップの利用停止を呼びかける記事を一斉に掲載した。当局が独占禁止法違反の疑いで運営企業の調査を始め、インドでも権利侵害などに当たるとして提訴する動きが浮上している。

きっかけはワッツアップが個人情報保護方針の改定を通知したことだ。アプリ間で電話番号や位置情報を共有することを必須とし、ワッツアップで消費者とやり取りした企業がフェイスブックの別のSNS(交流サイト)に広告を出しやすくする。個人間のやり取りには影響しないというが、チャットなどを盗み見られるなどの不安が広がった。

巨大IT(情報技術)企業が個人情報を集めることに不満を募らせてきた一部の政府やライバル企業は攻撃の好機と捉えた。トルコのエルドアン大統領は国産アプリ「ビップ」などの利用を促し、14日までの6日間で新規ダウンロード数が1000万件を超えた。

ロシア発のアプリ「テレグラム」も好調で、12日までの3日間に2500万人の新規利用者を獲得。20億人が使うワッツアップの背中は遠いが、運営会社首脳は「デジタル史上最大の移住かもしれない」という。

インドネシアやマレーシアなど東南アジアでも利用者がワッツアップから競合アプリに流入する動きが起きている。米調査会社センサータワーによると、ワッツアップ創業者らの非営利団体が開発した「シグナル」のダウンロード数は、10日前後から北米、欧州、中南米、アジアの世界各国で連日1位を記録している。

ただ、懸念もある。フェイスブックはセキュリティー対策に巨費を投じ、サイバー攻撃から利用者を守ってきた経緯がある。また、多くの強権国家でワッツアップは当局による検閲や盗聴への「盾」の役割を果たしてきた。トルコのビップの運営会社には政府系ファンドが出資するなど、対話アプリの勢力図の変化が監視の強化につながるとの声も上がる。

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