米消費、14万円給付で上振れ期待 SNSでネット通販成長

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『【ニューヨーク=白岩ひおな】新型コロナウイルスの感染拡大下の米年末商戦は、予想を上回る好調な結果となった。国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費はネット通販の活況に支えられた。ワクチン接種の拡大や現金給付による手元資金の増加で景気の上振れ期待も出るなか、2021年はSNS(交流サイト)を通じたライブ販売の売り上げが倍増する見通しだ。小売り各社は巣ごもり消費を呼び込む切り札としてライブ販売を充実…

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・小売り各社は巣ごもり消費を呼び込む切り札としてライブ販売を充実させており、競争が激しくなりそうだ。

・全米小売業協会(NRF)が15日に発表した20年11~12月の年末商戦の小売売上高(自動車、ガソリン、外食を除く)は7894億ドル(約81兆9400億円)と前年同期に比べ8.3%増えた。実店舗は振るわなかったがネット通販が2090億ドルと同23.9%伸び、全体をけん引した。

・ディスカウントストア大手のターゲットは同期間の既存店売上高が前年同期比17%増え、通販は倍増。家具や家電の大きさを自宅で再現できるARアプリや車内・店舗での受け取り予約が好評で、店舗でのまとめ買いも伸びた。半面、電子商取引(EC)へのシフトが遅れ気味の百貨店は振るわない。高級百貨店ノードストロームは売上高が22%減、低価格帯の百貨店JCペニーも既存店売上高が7.5%減った。いずれも実店舗の減収を通販で補いきれなかった。

・年末商戦はネット通販の盛り上がりが目立ったが、個人消費そのものは力強さを欠く。米商務省が15日発表した20年12月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.7%減少し、3カ月連続のマイナスとなった。米調査会社CFRAリサーチのカミラ・ヤヌシェフスキー氏は「12月は財政刺激策の効果が切れてきた一方、特に中低所得世帯は議会で追加経済対策が成立するかどうかを注視し、消費者が財布のひもを締める傾向にあった」と分析する。

・12月末には1人600ドルの現金給付が決定。14日にはバイデン次期大統領が1400ドルの現金給付を含む1.9兆ドルの追加経済対策を発表し、さらなる家計の手元資金増を見込む。NRFのマシュー・シェイ会長は「家族や個人への直接給付、中小企業支援などのバイデン氏の刺激策は経済成長の維持につながる」と期待を寄せる。

・一方で、感染力が強い新型コロナの「変異種」の広がりは、経済活動のさらなる停滞につながりかねない。米国では少なくとも10州で変異種が確認されている。経済の正常化にはワクチンの普及など感染防止対策が喫緊の課題だ。バイデン氏は20日の就任から100日以内に国民1億人のワクチン接種実現を目指す方針を掲げた。

・コロナ下で一気に進んだ通販への移行の流れは21年も続きそうだ。小売り最大手ウォルマートのダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)はオンライン消費がコロナ収束後も成長を続けるとみる。同社は8~10月期決算で通販の売上高が79%増えたが、伸び幅は5~7月よりも縮小した。通販大手アマゾン・ドット・コムや小売り各社の競争は激しさを増し、各社はオンラインで消費意欲をかき立てる工夫をこらす。

新型コロナ下で通販の伸長が続くなか「アマゾン・ライブ」などライブ配信の需要も高まる

・消費者を奪い合う新たな舞台はSNS(交流サイト)だ。米国のネット広告の業界団体IABは、21年のライブ配信による世界の売り上げが前年比2倍の1200億ドル(約12兆円)に上ると予測する。ウォルマートは20年12月、中国発の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」で初のライブ販売を始めた。4300万人以上のフォロワーがいるダンサーのマイケル・ルさんなど、SNS上で影響力を持つ「インフルエンサー」が紹介する商品を視聴者はスマートフォン画面をタップするだけで購入できる。

・ネット通販はコロナ下で営業がしにくい実店舗の代替として売り上げ確保に貢献するが、店員からの提案や試着、店頭での衝動買いなど新たな消費につながるような購入体験を得にくい側面がある。アプリでの買い物などデジタル技術に慣れ親しんだ「ミレニアル世代」や「Z世代」の若者たちにライブ販売で訴求し、消費の呼び水にする狙いがある。

・先行するアマゾンは19年に始めた「アマゾン・ライブ」による日々の配信がコロナ下の巣ごもり消費で人気を集め、化粧品や電子機器の売り上げ増につながっている。売り手がライブ動画を無料で配信し、視聴者を自社の商品ページに誘導する。多くの出店者を抱えるプラットフォームとしての強みを生かす。集客・購入を深掘りする手法として、小売り各社に一段と浸透しそうだ。