バイデン政権の経済政策は 米ハーバード大教授に聞く

バイデン政権の経済政策は 米ハーバード大教授に聞く
ファーマン氏「感染封じ徹底で成長促進」
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『バイデン氏が20日、米大統領に就く。新型コロナウイルス抑制と経済再建という二重の難題を克服できるか。オバマ政権で大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務めたジェイソン・ファーマン米ハーバード大教授に新政権の経済政策を展望してもらった。

――世界経済の現状をどう認識していますか。

「2021年の経済成長は楽観している。ウイルスの封じ込めが期待され、先進国ではこれまで抑え込まれた需要の反動増が非常に強…

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・ウイルスの封じ込めが期待され、先進国ではこれまで抑え込まれた需要の反動増が非常に強い。新興国や発展途上国もウイルスの打撃は予想されたほどひどくない。最大のリスクは変異ウイルスがワクチンへの耐性をつけてしまうことだ」

・――世界銀行はワクチン供給が遅れれば、今年の世界の成長が1.6%に低迷するとみています。

・「ワクチン供給が遅れても1.6%より少し高めになるだろう。人々がこれから1年以上も家にこもり続けるはずはない。昨年春と同様に高水準の感染が続くが、それでも驚くべき規模の経済活動が起きている」

・――バイデン政権の経済政策はどうなるでしょう。

・「トランプ政権との最も重要な違いは、バイデン氏がコロナ封じ込めに集中する点だ。トランプ氏は何カ月もここを徹底的に無視した。バイデン氏はワクチン供給をスピードアップするほか、検査体制の拡充とマスク着用、社会的距離の徹底に集中する。ウイルス対策は成長に極めて重要だ」

・――バイデン氏が1.9兆ドルのコロナ対策を発表しました。債務膨張の心配はないでしょうか。

・「私の予想通り、家計支援の1人当たり1400ドルの増額、州や地方政府への資金支援の積み増し、3月限りで失効する失業保険の特例加算の延長が入った」

・「低金利下の米国で、いま債務は心配事ではない。21年に多額の需要追加はいらないと思う。家計の大半で1年前より手元資金が増えている。支出を抑制したのと同時に、政策の助けで収入が保たれたからだ。22~23年には需要の追加が必要になるだろう」

・――富裕層への増税や、気候変動対策など中長期的な政策の実現度は。

・「『よりよき復興』と称して数年間で数兆ドルのインフラ投資やクリーンエネルギーへの投資を打ち出している。税制改革自体の成長への寄与は非常に小さいが、全体の計画は米経済成長にプラスになる」

・「気候変動対策は野心的にみえる。上院で(共和党と同数の)50議席しか握っておらず、(副大統領の票で)過半数を得るには慎重派の一部民主党議員の説得が不可欠だ。提案の全体を実行できるとは思えないが、それでもバイデン氏にできることは多くある」

・――対中国の通商政策はどう変化するでしょう。

・「日本やオーストラリアなどの同盟国と提携した多国間のアプローチで、中国をルールに従わせることが不可欠になる。最善の手段は環太平洋経済連携協定(TPP)への復帰だ。中国と対決する必要はあるが、賢明で効率的なやり方を探らないといけない。トランプ氏は中国に非常に多くの労力を割いたが、米国が得た果実は非常に少ない」

(聞き手はワシントン支局長 菅野幹雄)

Jason Furman 現金給付をいち早く提言。新政権の経済チームとも交流。