トランプ氏、深まる孤立 迫る弾劾裁判

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『【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領が20日の退任を控えていらだちを深めている。連邦議会占拠事件をめぐる上院の弾劾裁判で、「有罪」回避へ共和党の協力が得られるか不透明なうえ、退任後に連邦検察に起訴される事態への心配を強めているためだ。

占拠事件後の支持率低下も重なり、異形の大統領は四面楚歌(そか)に陥っている。

トランプ大統領は大統領選の不正を訴えてきたジュリアーニ元ニューヨーク市長への不満を爆発させている=ロイター

米史上で初めて2回の弾劾訴追を受けた大統領となる不名誉を背負ったトランプ氏は激怒している。「ジュリアーニに報酬を支払うな」。米CNNによると、顧問弁護士のジュリアーニ元ニューヨーク市長の働きが不十分だったとしてこう指示した。報酬は1日あたり2万ドル(200万円超)にものぼるとされる。

ジュリアーニ氏は大統領選の不正を訴えるトランプ氏に同調し、選挙結果を覆すための法廷闘争の先頭に立ってきた側近中の側近だ。その人物をも非難するほどトランプ氏は孤立を深める。

盟友だったペンス副大統領も距離を置く。米メディアによると同氏は14日、民主党のハリス次期副大統領に電話で祝意を伝え、円滑な政権移行に向けた支援を申し出た。大統領選後に両者が会話したのは初めてで、20日の大統領就任式前にペンス氏がハリス夫妻を副大統領公邸に招く可能性もあるという。

一方、詐欺容疑で2020年夏に起訴された元側近のバノン元首席戦略官の恩赦にトランプ氏が踏み切るとの見方がある。政権初期に決別したバノン氏との関係修復の観測は、退任後を見据えて少しでも支援者を増やす動きともとれる。

トランプ氏が焦りを募らせる主因の一つは退任後に始まる上院での弾劾裁判だ。共和党の上院トップ、マコネル院内総務は裁判にどう臨むかについて明確な方針を示さず、同僚議員に「これは良心の投票だ」と語っているとされる。上院議員の個別判断に委ねる可能性も浮上している。

マコネル氏は前回2020年の1度目のトランプ氏の弾劾裁判では早くから共和党として一致して無罪評決をめざす方針を明言していた。違いは明らかだ。

今回は弾劾裁判で上院50人の共和から17人が造反すれば、米大統領として史上初の有罪評決となる。その後に上院で過半数が賛成すれば公職に就任する資格も剝奪され、トランプ氏は政治生命を完全に絶たれかねない。

もう一つの悩みの種は、議会占拠事件を扇動した疑いで連邦検察がトランプ氏の起訴を選択肢から排除していない点だ。法律の専門家で見解が分かれる自身への恩赦が取り沙汰されるゆえんだ。退任前に辞職し、大統領に昇格するペンス氏から恩赦を受ける選択肢もあるが、CNNによるとトランプ氏はペンス氏は頼りにならないと話している。

調査会社ピュー・リサーチ・センターはトランプ氏の支持率が過去最低の29%になったとの調査結果を15日まとめた。議会占拠事件が影響した可能性がある。

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