AI、ノーベル賞級に迫る 生物学50年来の難題に解決策

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 ※『アミノ酸がつくり出す立体構造のパターンは理論上、無数に及ぶ。総当たりで列挙して探索すると、宇宙の年齢(約140億年)より長い時間がかかるともいわれる複雑さだ。ディープマインドは既知の17万個のたんぱく質の構造などを学習データに使い、最先端のAI技術を駆使して驚くべき成果をあげた。』という部分が、ポイントだろう…。

 ※ 「ビッグデータ」の処理の「方向性」「演算・計算の方向性」の指定…。

 ※ そこの部分では、「人間の閃き(ひらめき)」がカギとなる…。

 ※ 結局、どこまで行っても、「閃いた(ひらめいた)方が、勝ち」となる…。

 ※ 人工知能は、閃かない…。「人工知能に、閃き無し。」だ…。

 ※『アルファフォールドの開発で主導的な役割を果たしたとされるのはたんぱく質の振る舞いなどの研究を手掛け、米シカゴ大学で化学の博士号を取得したジョン・ジャンパー氏だ。東京大学の松尾豊教授の下でAIを研究する今井翔太氏は、AIだけでなく化学などの分野の専門知識も取り入れたことが優れた性能の背景にあるとみる。』という部分も、ポイントだろう…。

 ※ 「決して、専門バカになるな。」「学際研究が、大切。」ということだ…。

 ※ 自分の「専門分野」のたこ壺に籠っていては、「閃きが訪れるチャンス」も、少なくなってしまう…。

『人工知能(AI)が「ノーベル賞の領域」に足を踏み入れた。そんなことを感じさせる研究成果が生まれた。米アルファベット傘下の英ディープマインドが半世紀にわたる生物学の難題を解くAIを開発したという。創薬研究などに革新をもたらす可能性を秘める。

世界的権威をもつ米国の科学誌サイエンスが毎年末に公表する科学研究の「十大成果」。2020年を代表するブレークスルーの一つに選ばれたのがディープマインドのAIだ。…

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・「疾病のメカニズムの解明や創薬、干ばつに強い植物や安価なバイオ燃料の開発に役立つ」と期待を寄せた。

・「アルファフォールド」と呼ぶそのAIはたんぱく質の立体構造を高精度で予測する。たんぱく質は栄養素の印象が強いが、種類や役割は多様だ。目で光を感知し、筋肉を動かし、食物をエネルギーに変える、といった生命活動の根幹を支える。

・たんぱく質は20種類のアミノ酸が数珠状につながってできている。その機能は形に左右され、複雑な立体構造を調べる研究は昔も今も盛んだ。X線や電子顕微鏡などを用いるが、数カ月以上を要し費用もかさんでいた。

たんぱく質の立体構造を高い精度で予測する(ディープマインドのウェブサイトより)

・アルファフォールドは1次元のアミノ酸の並び方からたんぱく質の立体構造を短時間で予測する。DNAの情報からアミノ酸配列は比較的簡単に分かる。数日で構造を導くことも可能という。

・実力を証明したのが20年に開かれた「CASP」と呼ぶ競技会だ。X線解析などと遜色ない精度を示し、驚きを呼んだ。コンピューターによる予測は従来から活発だが、これほどの性能に達していなかった。米メリーランド大学のジョン・モルト教授は「非常に特別な瞬間だ」とたたえた。

・「生物学における50年来の難題の解決策」。ディープマインドは11月公開のブログにこんな題名を付けた。1972年にノーベル化学賞を受賞した米国のクリスチャン・アンフィンセン氏が「たんぱく質の立体構造はアミノ酸の配列で決まるはず」と唱えて以来のナゾに答えたと誇った。

・アミノ酸がつくり出す立体構造のパターンは理論上、無数に及ぶ。総当たりで列挙して探索すると、宇宙の年齢(約140億年)より長い時間がかかるともいわれる複雑さだ。ディープマインドは既知の17万個のたんぱく質の構造などを学習データに使い、最先端のAI技術を駆使して驚くべき成果をあげた。

・同社の名は囲碁AI「アルファ碁」をきっかけに世界に知れ渡った。2016年にトップ棋士を破りAIの飛躍的な進化を印象づけた。最高経営責任者(CEO)のデミス・ハサビス氏は米誌タイムの「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたこともある。

・アルファフォールドの開発で主導的な役割を果たしたとされるのはたんぱく質の振る舞いなどの研究を手掛け、米シカゴ大学で化学の博士号を取得したジョン・ジャンパー氏だ。東京大学の松尾豊教授の下でAIを研究する今井翔太氏は、AIだけでなく化学などの分野の専門知識も取り入れたことが優れた性能の背景にあるとみる。

・応用先に見込まれるのが創薬だ。薬は主に病気にかかわるたんぱく質に結合し作用する。薬と標的のたんぱく質は鍵と鍵穴の関係に例えられ、立体構造の素早い把握は新薬開発の手助けになる。

・アルファフォールドは新型コロナウイルスのたんぱく質の構造予測でも高い精度を示した。東海大学先進生命科学研究所の平山令明所長は希少疾患などを念頭に「今まで手のつけられなかった薬の開発もできるようになる」と、将来の発展に期待する。

・アルファフォールドも万能ではない。構造を予測できる対象には限りがあり、たんぱく質の機能や振る舞いの解明に向けた道のりはまだ長い。それでも研究者たちは「生物学全体の進歩につながる」(東北大学の中村司・日本学術振興会特別研究員)と熱い視線を注ぐ。

・人類に広く恩恵をもたらし、本当にノーベル賞級の成果といえる技術になるのか。これから真価が問われる。

(AI量子エディター 生川暁、スレヴィン大浜華)

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