中国、レアアースの統制強化 日本企業にも影響

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM15AUM0V10C21A1000000

『【北京=多部田俊輔】中国政府は15日、レアアース(希土類)の統制を強化すると発表した。これまでは生産分野を管理してきたが、輸出を含めたサプライチェーン(供給網)全体に統制の対象を広げる。米国の対中包囲網を念頭とした法整備の一環とみられ、高性能磁石に強みを持つ日本企業の事業に影響が出る可能性もある。

中国の工業情報化省が同日、レアアース管理条例の草案を発表した。条例制定の理由について「新興産業の発展と国防科学技術の進歩に重要な意義があり、特別に保護する必要がある」と説明した。2月中旬まで専門家らの意見を募り、年内にも施行する見通し。

条例案は29条で構成。鉱山開発から精錬分離、金属精錬などの生産、利用、製品流通までのサプライチェーン全体を適用範囲とする。従来の鉱山開発や精錬分離を中心とする管理から大幅に広げた。輸出入についても企業は輸出管理の法律法規を順守しなければならないと明記し、戦略物資の輸出管理を強化するために2020年12月に施行した輸出管理法との連携も視野に入れるとみられる。

レアアースは電気自動車の基幹部品のモーターに組み込む高性能磁石などに不可欠な材料で、ドローンやミサイルにも使われているとされる。中国は世界生産の6割超を占める。日本企業は中国産レアアースを調達して高性能磁石を生産しており、顧客には米国企業も含まれる。

レアアースを巡っては、2010年の尖閣諸島を巡る日中対立で中国当局は輸出を一時的に停止した経緯がある。中国側はレアアースを外交カードと利用できる「戦略資源」と位置づける。米国がハイテク分野で日本を含めた対中包囲網の構築に動くなかで、「中国当局が対抗措置として新たな条例を利用する懸念もある」と外資系企業幹部は指摘する。米国企業を顧客に顧客に持つ日本企業が輸出停止などの措置の対象となる事態も懸念される。

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

初割で申し込む
https://www.nikkei.com/promotion/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN04AVW004012021000000&n_cid=DSPRM1AR08

無料登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN16C7X016122020000000&n_cid=DSPRM1AR08#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login