「環境・ITに財政出動を」 IMF専務理事インタビュー

「環境・ITに財政出動を」 IMF専務理事インタビュー
経済政策、コロナ後の持続成長に軸足
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN14ERQ0U1A110C2000000

『【ワシントン=河浪武史】国際通貨基金(IMF)トップのゲオルギエバ専務理事は日本経済新聞などとのインタビューで「新型コロナウイルス危機からの持続回復へ、環境とIT(情報技術)分野への財政出動が必要だ」と主張した。日米などの追加コロナ対策で2021年の世界経済は回復に向かうと予測するが「国際的に広がる経済格差への対処も求められる」と訴えた。

ゲオルギエバ氏は13日、日本経済新聞と米欧の一部メディアの…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り916文字

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

有料登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN16C7X016122020000000&n_cid=DSPRM1AR08

無料登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN16C7X016122020000000&n_cid=DSPRM1AR08#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

・ゲオルギエバ氏は13日、日本経済新聞と米欧の一部メディアのインタビューに答えた。IMFは20年10月時点で同年の世界経済の成長率をマイナス4.4%、21年はプラス5.2%と予測していた。26日は世界経済見通しを改定するが、同氏は「20年は(1930年代の)大恐慌以来で最悪の1年だったが、各国の財政出動効果やデジタル経済への対応などで、21年は見通しの悪さが薄れている」と指摘した。

・日本は新型コロナの感染再拡大で11都府県に緊急事態宣言が出され、経済には一時的な下押し圧力がかかる。ただ、ゲオルギエバ氏は20年12月に決めた日本の追加経済対策を「状況の急速な変化に対処した」などと評価。IMFは日本経済新聞の取材に「21年の日本経済は緩やかに回復し、20年10月に予測した2.3%成長から幾分上振れするだろう」との見通しを明らかにした。

IMFのゲオルギエバ専務理事は2021年の世界経済を緩やかな回復軌道と見込む=IMF提供

・ゲオルギエバ氏は「世界経済にはまだ対処していない傷痕がある」とも述べ、コロナ危機で深まった国内外の経済格差を課題と指摘した。具体的な解決策としては「気候変動対策へのインフラ投資」を挙げ、太陽光発電の拡大や省エネビルへの改修などで、雇用創出と民間投資をともに誘発する必要があると訴えた。世界経済の二大エンジンである米中経済にも「さらなる景気刺激策が求められる」と主張した。

・国際通貨の安定を重視するIMFは、伝統的に加盟国に財政均衡を求めてきた。ただ、ゲオルギエバ氏は「世界的な低金利環境によって、デジタル経済とグリーン経済への移行に向けた財政拡張の余地がある」と指摘。財政再建への転換は「コロナ危機からの確実な出口にたどり着いたときだ」と述べた。緊急資金供給などの危機対策を緩める際には、膨張した企業や途上国の債務処理の体制づくりが同時に必要だとも訴えた。

・世界経済の回復はワクチンの普及次第だ。世界保健機関(WHO)などはワクチンを途上国にも均等に届ける国際枠組み「COVAX(コバックス)」を立ち上げたが、足元の普及具合は製薬会社と個別契約した先進国が先行している。ゲオルギエバ氏は「国際協力によって低中所得国のワクチン接種が進めば(景気回復が早まって)25年までに世界全体の所得が9兆ドル増える」と指摘し、ワクチンの国際的な供給体制の見直しを求めた。