アジア投資銀、投融資の5割を環境関連に 25年目標

アジア投資銀、投融資の5割を環境関連に 25年目標
金総裁2期目へ 創設5年で会見
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『【北京=川手伊織】中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)は再生可能エネルギーの拡充など気候変動問題への対応を重点的に進める。13日に記者会見した金立群総裁は、2025年までに「総投融資の5割を環境関連にする」と表明した。日中欧などが二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする目標を打ち出すなか、環境の投融資で存在感を高める。

AIIBは16年1月に開業した。中国が最大の3割を出資し、増資など重要案件で拒否権を握る。金氏は創設時からトップとしてAIIBを率いており、21年1月から5年間の2期目に入った。

過去5年間の投融資は案件を承認したベースで108件、累計金額は220億ドル(約2兆2800億円)だった。直近1年間で100億ドル増えたが、大半は新型コロナウイルス関連だ。感染拡大をうけ、AIIBは発展途上国の経済立て直しを支援する130億ドル規模の融資枠を設け、このうち70億ドルの融資が承認された。

金氏は「21年の新規投融資額も20年と同程度(100億ドル前後)になる」との見通しを示した。「低所得国などが新型コロナワクチンを購入する支援となる資金を準備しなければならない」と語り、21年も脱コロナに向けた危機対応の投融資がメインになりそうだ。

中期的な戦略としては気候変動問題への対応を重点課題に挙げた。太陽光や風力などクリーンエネルギーへの投融資を拡充すると表明した。エネルギーの利用効率の向上も重要な目標に掲げた。発展途上国の石炭火力発電を高効率化することなどが視野に入っているとみられる。一方「原子力発電所の建設への参画は検討していない」とも述べた。

環境関連のほか、医療や教育など社会インフラへの支援も広げる。デジタル革命の進展を踏まえて、データインフラへの投融資も増やし、鉄道や道路、港湾といった従来型のインフラから対象を広げる考えだ。

AIIBの加盟国・地域は20年末時点で103となり、発足当初の57から8割増えた。加盟国の半分が南米やアフリカなど域外で、欧州の主要国も参加している。一方、日本や米国は参加していない。

投融資の累計額を地域別に見ると、南アジアの87億ドルが最も多かった。東南アジアと西アジアがそれぞれ35億ドル前後で続いた。アジア以外では東欧が最多だったが、規模は8億ドルにとどまった。金氏は、20年末に中国が欧州連合(EU)と投資協定の締結で大筋合意したことに「非常に重要な一歩で、AIIBにとって好材料だ」と今後の投融資拡大に意欲を示した。

AIIBは発足当初、「中国の金融覇権獲得に向けたツールになる」との警戒も多かったが、金氏の手堅い経営手腕が評価を集めている。19年5月に25億ドルのドル建て債を発行し、人民元建てのパンダ債や英ポンド建て債券も発行し、独自の資金調達も進めている。

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