https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR111P60R10C21A1000000
『【モスクワ=石川陽平】旧ソ連・中央アジアのカザフスタンで10日、任期満了に伴う下院選(定数107、任期5年)があり、政権与党のヌル・オタンが圧勝した。同党を率いるナザルバエフ前大統領が引き続き、国政への強い影響力を維持する見通しだ。
中央選挙管理委員会によると、政党別の比例代表制で争われた下院選で、ヌル・オタンの得票率は71%だった。インタファクス通信によると、ナザルバエフ氏は11日未明までに、「…
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・インタファクス通信によると、ナザルバエフ氏は11日未明までに、「カザフスタンは国のさらなる発展と福祉を向上をわが党と結びつけた」と勝利宣言した。
・ヌル・オタンの得票率は2016年の前回下院選での約82%は下回った。ただ、与党以外で得票率が議席獲得に必要な7%に達したのは、いずれも親政権派のアク・ジョルとカザフスタン国民党の2党にとどまった。
・ナザルバエフ氏はカザフスタンの初代大統領で、19年の退任後も大きな権力を保持し、トカエフ現大統領を支えている。今回の下院選では20年5月に上院議長を辞任したナザルバエフ氏の長女ダリガ氏が与党の下院議員として当選し、政界に復帰するとみられる。
・今回の下院選前では、公正な競争が損なわれたほか、選挙監視のルールが変更されるなど民主的な選挙ではなかったとの指摘がある。10日には野党勢力による抗議デモも起きた。ダリガ氏の政界復帰についても、ナザルバエフ一族による強権的支配の長期化につながりかねないと懸念する声も出ている。