アフリカ5カ国、中国支持表明 香港や台湾など「核心的利益」を巡り

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『【北京=羽田野主、カイロ=久門武史】中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相が9日にアフリカ5カ国の訪問を終えた。米中の長期対立をにらみ、新型コロナウイルスの「ワクチン」や金融支援で取り込みを進めた。5カ国は香港や台湾など中国の「核心的利益」に相次ぎ支持を表明した。

王氏は4日から9日の日程でナイジェリア、コンゴ民主共和国、ボツワナ、タンザニア、セーシェルの5カ国を公式訪問した。

「国民がワクチンを…

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・「国民がワクチンを得られるよう中国と協議している」。ナイジェリアのオンエアマ外相は5日、王氏との会談後、地元メディアに中国製ワクチンへの期待を示した。

・中国外務省によると、王氏は会談で「お互いの核心的利益を尊重し、内政不干渉の原則を堅持すべきだ」と強調した。ナイジェリア外相は台湾や香港を巡る問題で「中国を断固として支持する」と表明した。

・ナイジェリアは人口約2億人とアフリカ最大で、大量のワクチン調達が課題だ。ロシアも同様にワクチンを供給する姿勢を見せるが、中国が外相訪問で先行ぶりを印象づけた。

・米欧や中国でワクチン接種が進むのと対照的に、アフリカは確保に出遅れた。自前で開発できないうえに、資金不足に苦しむ国が多い。アフリカ疾病予防管理センターは、アフリカの広い範囲で接種が始められるのは21年半ばとみている。アフリカ全体の累計感染者は300万人、死者は7万人を超えた。

・王氏は次に訪問したコンゴ民主共和国で、債務の一部免除を表明した。20年末が期限だった無利子債務が対象という。ロイター通信が伝えた。米ジョンズ・ホプキンス大によると、同国への中国の債権は2000~18年に計24億ドル(約2490億円)にのぼる。

・中国から借り入れた巨額の資金の返済が難しくなる「債務のわな」に批判がでており、意識した可能性がある。ただ免除した金額は明らかにしていない。

・王氏はボツワナやセーシェルなどで習近平(シー・ジンピン)国家主席の肝煎りの経済圏構想「一帯一路」を推し進める考えを示した。

・アフリカでは1日、全体を共通市場にするアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)が始動した。5年以内に品目ベースで9割を関税ゼロにする目標を掲げる。王氏にはインフラ建設や通信分野の中国企業の進出を後押しする狙いもありそうだ。

・中国の外相は1991年から毎年最初の訪問先にアフリカを選んできた。とくに21年はコロナが広がりオンラインでの会議が増える中で直接足を運びアフリカ重視の姿勢をアピールした。

・中国にとってアフリカは国連の場で中国支持を取りつける「票田」になっている。20年に制定した香港国家安全維持法や新疆ウイグルを巡る人権問題を巡ってアフリカ各国は中国支持を表明した。

・1月20日に就任するバイデン米次期大統領は新疆ウイグルなどの人権問題を巡って同盟国と連携を深めて対中圧力を強める構えを見せている。王氏の年初のアフリカ訪問にはバイデンの「人権外交」に備える思惑が透ける。