米雇用14万人減 12月、感染拡大で8カ月ぶりマイナス

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN080360Y1A100C2000000

 ※ 非常に解決が困難な問題が、描き出されている…。

 ※ 「経済活動」「利益獲得活動」全体の構造が、「労働集約型→知識集約型」とシフトしてしまっていて、その流れに「適応」できない人は、「労働市場」そのものから「排除」されてしまう形となっている…、という話しだ…。

 ※ こういう流れ自体は、コロナ以前からあった話しだったが、コロナが「人との非接触」を強制するものなので、「その流れが、加速してしまっている」という話しだ…。

 ※ 「労働」というものの中味が、昔と今とでは、随分と違ったものとなってしまった…、という話しだ…。

 ※ どんなに「自動化」「機械化」「デジタル化」が進んでも、「人の手」に頼らざるを得ないものは、残る…、とは思う…。

 ※ しかし、そういう「領域」は、どんどん狭くなって行っている感じだ…。

『【ワシントン=河浪武史】米労働省が8日発表した2020年12月の雇用統計(速報値、季節調整済み)は、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数が前月比14万人減少した。雇用者数の伸びがマイナスに転落するのは、新型コロナウイルス危機が深刻になった4月以来8カ月ぶり。新型コロナの感染再拡大で労働市場の改善に急ブレーキがかかった。

失業率は前月比横ばいの6.7%だった。市場は就業者の増加幅を10万人増…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り1250文字

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

初割で申し込む
https://www.nikkei.com/promotion/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN04AVW004012021000000&n_cid=DSPRM1AR08

無料登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN16C7X016122020000000&n_cid=DSPRM1AR08#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

・市場は就業者の増加幅を10万人増、失業率は6.8%にわずかに悪化するとみていた。就業者の伸びは前月の33.6万人増から一転してマイナスに落ち込んだ。

・米失業率は4月に15%近くまで上昇し、5月以降は7カ月連続で改善してきたが、失業者数は12月時点でも1070万人と危機前(580万人)の2倍近い。雇用回復のもたつきは、長期失業者を増やして社会不安を強める懸念がある。

・新型コロナの新規感染者数は1日20万人を超えて過去最悪の状態が続く。12月に入ってからは、カリフォルニア州の大半の地域で外出禁止令が出され、ニューヨーク市でも飲食店の店内営業を再び停止した。コロナ危機が直撃する宿泊・飲食業の12月の雇用者数は前月から39万人も減り、1年前から21%も少ない水準だ。

・米国内総生産(GDP)は7~9月期に前期比(年率換算)で33.4%も増え、危機前の1年前に比べて97%の水準まで持ち直している。10~12月期も4%台の伸びが予測され、合計3兆ドルもの巨額の財政出動で経済の水準は回復に向かっている。12月末には9000億ドルの追加対策も決定し、ゴールドマン・サックスは21年1~3月期の成長率予測を3%から5%に引き上げた。

・にもかかわらず雇用全体の回復は遅い。製造業は12月の景況感指数が2年4カ月ぶりの高水準となったものの、12月の就業者数は前年同月比で4%も少ないままだ。ほかにもテレワークで需要が増すIT(情報技術)産業や、株高が追い風となる金融ビジネスなど、米経済には好況業種も少なくない。ただ、いずれも知識集約型の産業で、雇用の量そのものを積み増す動きは鈍い。

・就業者全体でみても1年前から6%も少ない水準で、米経済は「雇用なき回復」の様相がにじむ。新型コロナ危機は逆に人工知能(AI)やテレワークの普及につながり、労働現場を省人化するためだ。

・たとえばアマゾン・ドット・コムは20年秋、米南部ジョージア州とテネシー州の一部で、商品を家などへ自動で届ける「宅配ロボット」の試験運用を開始した。物販はコロナ危機で小売店からネットへの移行が一段と進むが、雇用の受け皿となるはずの倉庫業や配送業も、自動化の波は止まらない。

・米国は所得格差の広がりで、民主主義を支えた「中道政治」と、資本主義を担った「中間層」がともに弱まる。米マサチューセッツ工科大(MIT)のデビッド・オーター教授の定量分析では、グローバル化による米雇用の空洞化が、政治思想の右傾化と左傾化をともに強めたという。コロナ危機はその亀裂を一段と深めており、抜本対策が急務になってきた。

・1月20日に始動するバイデン次期政権は、4年で2兆ドルという巨額のインフラ投資計画を掲げ、雇用創出を最大の政策課題と位置づける。財務長官に指名されたイエレン前米連邦準備理事会(FRB)議長は、ニューヨーク市ブルックリンの下町出身で、もともと失業問題をライフワークとする労働経済学者だ。教育格差の是正などデジタル時代に対応した大がかりな就労支援策を敷かなければ、労働市場の立て直しは難しい。