「ワクチンの個別契約結ばないで」WHO事務局長が警告

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『【ウィーン=細川倫太郎】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は8日、先進国などの政府と製薬会社に対し、新型コロナウイルスのワクチンの個別契約を結ばないでほしいと警告した。これまでに接種が始まった42カ国の大半は高所得国だと説明し、途上国に行き渡っていない現状に強い懸念を示した。

欧米やアジアの主要国はワクチンを確保するため、製薬会社と個別で調達契約を急いでいる。テドロス氏は8日の記者会見で、こ…

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・テドロス氏は8日の記者会見で、こうした動きによって「価格が上昇する可能性があり、最貧国の人々に行き渡らなくなる」と指摘。「個別契約を結ぶのをやめるよう強く求める」と訴えた。

・WHOによると、ワクチンの接種を始めた42カ国のうち、36カ国は高所得国で、残りは中所得国となっている。世界人口の8割以上が集中する途上国で感染拡大を抑えられなければ、パンデミック(世界的大流行)の収束は遠のく。テドロス氏は現状は「明らかに問題だ」とした上で、「公平な接種は医療システムを安定させ、世界経済の回復にもつながる」と強調した。

・WHOなどは2020年4月に「COVAX(コバックス)」と呼ぶワクチン購入の国際枠組みを立ち上げ、各国に公平に届けることを目指している。コバックスでは既に20億回分の契約を結んだ。ただ、製薬会社は巨額を投じ購入契約を結ぶ国を優先しワクチン供給する可能性が高く、今後のコバックスの調達力を不安視する声も出ている。

・一方、中国で予定しているウイルスの発生源を調べる国際調査団の派遣について、テドロス氏は来週にも日程を調整できるとの考えを示した。調査団は中国が現地入りに必要な許可を出していないため、派遣が遅れている。テドロス氏は5日の会見で中国に対し、「大いに失望した」と批判していた。