中国、米国の政治混乱突く 香港民主派の逮捕巡り

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『【北京=羽田野主】香港警察が香港国家安全維持法違反の容疑で民主派53人を逮捕したことには、米国の政権移行期という政治的混乱を突きたいとの中国の習近平(シー・ジンピン)指導部の思惑がある。「核心的利益」と位置づける香港問題で、バイデン米次期政権に譲らぬ姿勢を強調する意図もありそうだ。

「予想どおり、一部の外部勢力が香港の内部事務に干渉してきた」。中国共産党系メディアの環球時報は7日の紙面でこう指摘…

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・「予想どおり、一部の外部勢力が香港の内部事務に干渉してきた」。中国共産党系メディアの環球時報は7日の紙面でこう指摘した。

・名指ししたのはバイデン次期政権の国務長官に指名されたブリンケン元国務副長官らだ。ブリンケン氏はツイッターに「中国による民主主義の弾圧に反対する」などと書き込んだ。

・中国外務省の華春瑩報道局長も6日の記者会見で「外部勢力と香港の一部が結びつき、国家と社会の安全を破壊しようと企てている」と主張した。民主派の一斉逮捕の原因は米国を中心とした外部勢力の介入にあると決めつけた。

・習指導部がこのタイミングで民主派の排除に動いたのは、米国の政治的混乱に伴う「政治空白」を突くためとみられる。トランプ米大統領は「民主党に大統領選で票を盗まれた」などと選挙不正の訴えを続けるが、香港問題には深い関心をみせていない。民主派の逮捕の直後にトランプ氏支持者による米議会乱入事件まで起きた。

・1月20日には人権問題などを重視するとみられるバイデン次期大統領が就任する。習指導部は、機先を制する形でバイデン氏に香港問題を巡り譲歩しない姿勢を示した。

・2020年10月に開いた中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)では「外部勢力による香港への干渉を断固としてくい止める」方針を確認した。「(香港の)国家意識や愛国精神を強める」考えも盛り込んだ。

・中国は政治的に敏感な時期に入っている。7月1日には今年で最も重要な政治日程のひとつである共産党創立100年を迎える。香港国家安全維持法の施行からほぼ1年でもあり、習指導部は香港の「安定」を政治的な成果として誇示するとみられる。

・9月には延期になっていた香港の立法会選挙がある。19年の大規模デモのさなかにあった区議会(地方議会)議員選挙では民主派が8割超の議席を得て圧勝し、習指導部に衝撃を与えた。20年11月には中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会で民主派議員4人の資格を奪う決定を下した。

・22年には5年に1度の第20回共産党大会が控える。異例の3期目入りをうかがう習氏にとって香港問題は米国や欧州の注目度が高く批判を招きやすい。政治的な混乱が続くバイデン次期政権の発足前に民主派の動きを完全に封じ込め、対米持久戦を有利に運ぼうとする狙いがみえる。