「トランプ氏のために闘え」 米首都で未曽有の混乱

「トランプ氏のために闘え」 米首都で未曽有の混乱 
支持者が議会乱入、拳銃・金属バットで武装も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN070DQ0X00C21A1000000

『【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領の支持者が6日に開いた大規模集会は首都ワシントンの未曽有の混乱につながった。支持者は大統領選で不正が起きたと主張して敗北を認めないトランプ氏に同調し、民主党のバイデン氏を次期大統領へ選出する手続きを進める議会に乱入した。拳銃や金属バットで武装した支持者も現れた。

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「前進せよ、前進せよ」。トランプ氏の支持者が掛け声に合わせて進入を遮っていた柵をなぎ倒して次々と議会の敷地に入った。20日の大統領就任式の準備を進めていた会場を占拠。「トランプ2020」と書かれた横断幕を掲げて「トランプ氏のために闘おう」と連呼した。会場設営に利用していたとみられるクレーンに乗って高所からトランプ氏の旗を振る支持者もいた。

米連邦議会議事堂前で気勢を上げるトランプ氏支持者(6日、ワシントン)=ロイター

ワシントンは6日午後6時から外出禁止となったが、支持者は「ここに残ろう。主張しよう」と互いを鼓舞した。集会に参加したリンダさんは「議会や裁判所、メディアは不正について声をあげない。我々が声を上げるしかなかった」と強調した。議会周辺には拳銃や金属バットを持ったり、ガスマスクや防弾ベスト、迷彩服を着用したりする支持者が現れて首都が異常事態に見舞われていることを際立たせた。

警官隊のバリケードを突破=AP

米連邦議会議事堂の壁をよじ登るトランプ氏支持者ら(6日、ワシントン)=AP
支持者の怒りは共和党にも向かった。南部ジョージア州から集会に駆けつけたデビー・キングさん(70)はトランプ氏の主張に同意しない共和党議員について「民意を反映できておらず辞任すべきだ」と訴えた。バイデン氏の勝利を覆せないと表明したペンス副大統領を「裏切り者だ」と支持者が糾弾する場面があった。

議会への乱入を受け、警察も対応に追われた。近隣の東部メリーランド州から応援に駆けつけた20台程度のパトカーがサイレンを鳴らしながらワシントンの繁華街を猛スピードで駆け抜けて議会へ向かった。上空には治安部隊とみられる2機のヘリコプターが飛んでトランプ氏の支持者の様子を監視した。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、トランプ氏はワシントンの州兵を動員することに反対し、最終的にペンス氏が動員を承認した。ワシントンの州兵の最高司令官である大統領の同意抜きに動員が決まるのは異例だ。

バイデン氏の支持者で集会の様子を見に来たというダグラス・オーウェンズさん(61)は「国家転覆を狙った試みだ」とトランプ氏の支持者を批判した。「デモ自体は悪いことではないが平和的に行ってほしい」と語った。

米ワシントンの連邦議会議事堂内に侵入したトランプ大統領の支持者ら(6日)=ゲッティ共同

米連邦議会議事堂の侵入者に銃口を向ける警察官(6日、ワシントン)=AP

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小島武仁のアバター
小島武仁
東京大学 マーケットデザインセンター所長
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ひとこと解説私が先月まで17年を過ごしたアメリカがここまで堕ちるとは残念でなりません。今は何を言ってもフェイクニュース認定されそうなので、あえて今回の話とは遠いところで私の専門の経済学に近い話をします。トランプを資本主義を守る存在だとか経済運営は良いと主張する人がいるようですが、全然違います。そのような主張は殆どのまともな経済学者からは否定されています。字数の関係で詳しくは述べませんが、例えばトランプ反対の経済学者の署名
https://sites.google.com/site/economistsagainsttrump/
を見るといろいろな職場・立場の人が反対を表明していることが見て取れます。
2021年1月7日 13:57いいね

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小平龍四郎
日本経済新聞社 編集委員
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分析・考察ワシントン騒乱について米国の知人、友人はSNSやメールで一様に「恥ずかしい」「やめてくれ」と哀切のメッセージを発しています。日本人にとって米国は市場経済や民主主義のお手本だったはずですが、眼前に繰り広げられている光景は「惨状」以外の何物でもありません。日本の新聞やテレビはまだ大人しいのですが、BBCなど国際メディアはかなりどぎつい映像を配信しています。「内戦」さえ想起させる現状から、バイデン新大統領はDay1を刻むことになります。
2021年1月7日 11:18 (2021年1月7日 12:58更新)
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滝田洋一
日本経済新聞社 編集委員
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分析・考察「デモ自体は悪いことではないが平和的に行ってほしい」。記事にバイデン氏の支持者のコメントがありますが、既視感があります。昨年夏にBLM(黒人だって大切だ)運動が盛り上がった際はどうだったか。実際には運動の一部が暴徒化し、極左組織とされるアンティファが扇動する事態もみられました。
左と右が反転し、今回はトランプ氏の支持者たちが同じ役回りを演じているともいえます。注目したいのは、本来は「法と秩序」を重視する共和党支持者(サイレント・マジョリティー)がどう出るかです。彼らがトランプ氏離れを起こすと共和党は分裂含みとなりますが、トランプ氏に寄り添うとなると米国の「新たな南北戦争」は長期化します。
2021年1月7日 11:48 (2021年1月7日 12:42更新)
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梶原誠のアバター
梶原誠
日本経済新聞社 本社コメンテーター
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ひとこと解説米国の分断を象徴する出来事です。負けたにせよ、大統領選で歴史的な数の票を得たトランプ氏はある程度の影響力を持つのでしょう。民主党が「トリプルブルー」を勝ち取っても、今月就任するバイデン大統領は思い通りの政策を採りづらいのではないでしょうか。感情的になった国民をどのように説得していくのか。バイデン氏のリーダーシップは就任前の今から試されています。
2021年1月7日 11:19 (2021年1月7日 11:45更新)
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