「トランプ党」に共和の葛藤 異端大統領による傷痕 本社コメンテーター 菅野幹雄

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN04AS90U1A100C2000000

 ※ これは、良記事だ…。

 ※ 現在の「米共和党」の各議員の思惑が、よく分かる…。

 ※ 「国会議員。選挙落ちれば、ただの人。」 だから、誰だって「選挙区で、当選したい」んだ…。

 ※ バイデン民主党政権が成立確実として、トランプ人気に乗っかって、次の2年後の議員選挙に勝てるのか…。さらには、その2年後(4年後)の大統領選に向けての戦略を、どう描くのか…。

 ※ 特に、4年後に大統領候補に立とうと思っている有力者は、どういう戦略で自分の立ち位置を定めようとするのか…。ポンペオ、ペンス、マルコ・ルビオ、ニッキー・ヘイリーらは、どう動いて行くのか…。そして、何よりもトランプ氏自身が、そのレースに参戦しようという意思を、捨てていないだろう…。

 ※ さらには、今は全く無名だが、彗星のように「大統領候補」に上り詰める人材は、登場するのか…。

 ※ 大体、トランプ氏自身が、登場したての頃は、全くの「無名・泡沫候補」扱いだったからな…。

 ※ そういうモロモロのカオスの「行方」を、僅かでも「予測・予見」するべく、日々の情報解析・分析を、おさおさ怠らず、継続していく必要がある…。

『バイデン次期米大統領の就任式を2週間後に控えた米国に、重苦しい不透明感が覆う。トランプ大統領は大統領選挙の不正を訴えて敗北を認めず、結果を覆そうと共和党の身内をなお突き上げる。

民主主義や保守主義を曲げ、強権の色も漂う「トランプ党」への変貌を甘受し続けるのか。下野する共和党に深い葛藤が広がる。

向こう4年を託す46代大統領に民主党のバイデン前副大統領を正式選出する6日の上下両院合同会議。本来は「3…

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・本来は「306対232」という各州選挙人の投票結果を上院議長のペンス副大統領が読み上げて追認する儀礼的な手続きだ。だが、今回はトランプ氏に追従する150人を超す共和党議員が「選挙結果を認めない」と唱える異例の光景になる可能性がある。

・大量のトランプ票廃棄、集計装置の工作……。トランプ陣営が列挙する選挙不正の60近い訴えの大多数が証拠不足などを理由に棄却された。トランプ氏が保守系の判事を送り込んだ連邦最高裁判所ですら、門前払いした。それでもなお、激戦州の選挙結果を覆すよう迫るトランプ氏の行動は常軌を逸した危険な行為だ。

・米メディアが報じた電話の録音で、トランプ氏は共和党員のジョージア州のラフェンスパーガー州務長官に対し、バイデン氏の得票を1票上回るように「1万1780票をみつけたい」と投票結果の改ざんを強要した。

バイデン次期大統領(4日、ジョージア州アトランタ)=ロイター

・憲法の精神や法秩序を無視するような振る舞いには、トランプ氏を担いだ共和党内でも拒否反応が起きている。退任後も人気を保ちそうにみえるトランプ氏に忠誠を誓い続けるか、それとも「暴君」と決別して民主主義に立脚した保守政党としての原点回帰に懸けるか。踏み絵を迫られる。

・「ミッチ、あきらめるのは早すぎるぞ」。共和党上院トップのマコネル院内総務はトランプ氏の批判で火だるまになっている。ウクライナ疑惑の弾劾を巡る民主党の攻勢をはねのけ、連邦最高裁判所に保守派判事を送り込んだ政権の功労者だったはず。だが先月、民主党のバイデン前副大統領の勝利を認め、選定手続きを妨害しないよう呼び掛けたのを機に、裏切り者同然の扱いを受けている。

・トランプ氏は家計への現金給付を1人600ドルに抑える追加コロナ対策法の署名を一時拒否し、民主党の主張に合う2000ドルに増やせと要求した。最後は署名に応じたが、財政赤字を抑制する共和党の立場で交渉したマコネル氏へのあからさまな嫌がらせだった。

・米軍出身でトランプ氏の対中政策や安全保障政策を支持してきた43歳のコットン上院議員は「確定した選挙結果に異議を唱えても(トランプ氏の)再選は起きない」とバイデン氏勝利の結果を容認する姿勢を示した。すかさずトランプ氏はコットン氏などを「降伏の会派」と罵ったうえで「決して忘れないぞ」と距離を置く上院議員らをツイートで非難した。

・「RINO(Republican In Name Only=名ばかりの共和党員)」。自分の立場を支持しない者に、トランプ氏は容赦なくレッテルを貼る。アウトサイダーだったトランプ氏が共和党を乗っ取った現状を如実に示す。

・今のところ支持層の信頼は揺らいでいない。現職大統領として史上最多の7400万票を獲得した事実は残る。「6日に大規模な抗議集会を開くぞ」とトランプ氏はツイートで支持者に呼び掛けた。ホワイトハウス近辺には5日から多数のトランプ支持者が集結した。首都ワシントンDCの州兵が出動し、混乱の事態に身構える。

首都ワシントンDCの州兵(ワシントン中心部、5日撮影)=AP

・だが、ジョージア州の決選投票で民主党が2議席を取り、上院の支配を奪われるようなことになれば、トランプ氏の党内での影響力は陰るのではないか。人々の不安や怒りに訴えかけ、分断の政治を糧に支持を伸ばした異端の指導者は民主主義に傷痕を残した。選挙不正を敗者が一方的に訴え、投票結果を無にしようとする。そんな事例が続出すれば、選挙の正統性と政治への信頼は損なわれる。

・トランプ氏に対するもう一つの懸念は、軍隊への介入だ。

・トランプ政権のマティス、エスパー両氏を含む元国防長官10人は米紙への共同寄稿で「米軍を選挙紛争の解決に使うのは危険で違法、違憲の領域に私たちを導く」と警告した。戒厳令を敷き、激戦州で再選挙をさせる構想が伝わったことへの強い拒否感だ。

・視線は約4年後の大統領選挙に向かう。トランプ氏はバイデン氏の就任式を欠席し、当日に地元フロリダで2024年の大統領選の候補指名へ出馬表明するとの観測が流れる。現時点の世論調査では24年の共和候補としてトランプ氏の支持が56%と2位のペンス氏の11%を引き離すが、これには「現職ボーナス」の上積みがある。

・トランプ氏は今後もバイデン氏や競争相手を攻撃しつづけるだろうが、実際の政策を動かせる立場にない。分断の政治は共和党自体の路線対立を誘発する。

・まず、ペンス氏が米憲法に従ってバイデン氏の勝利を言い渡すのかどうかが試金石だ。

・ポンペオ国務長官やヘイリー元国連大使、トランプ氏の疑義に同調したクルーズ上院議員らも指名争いに加わる可能性がある。裏切り者と罵られても、時代の変化に適合する党の再建を掲げて勝ち抜く胆力はあるか。4年後にトランプ氏を破るリーダーが現れなければ共和党の退潮は決定的になる。

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