コロナ市中感染ほぼゼロ、台湾・ベトナム・シンガポール

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『【シンガポール=中野貴司、台北=中村裕】世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、台湾やベトナムなどのアジアの国・地域が市中感染をほぼゼロに抑え込んでいる。共通するのは隔離や検査の徹底により、クラスター(感染者集団)発生の芽を早期に摘んでいることだ。

政治体制や法制度は異なるものの、日本が新規感染者を減らしていくうえで、こうした例から学べる点もありそうだ。

台湾では2020年11月、フィリピ…

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・台湾では2020年11月、フィリピンから出稼ぎに来た20代の男性が、隔離されていたホテルの部屋から8秒間、外に出た様子を監視カメラに捉えられ、10万台湾ドル(約37万円)の罰金を科された。映像は台湾のメディアで繰り返し放映され、当局による徹底した取り締まりを住民に改めて印象づけた。

・台湾では12月、約8カ月ぶりに域内で感染者が1人出た。それでも域内感染者は累計で56人にとどまる。感染を長期にわたって抑え込めている最大の要因は、海外からの入境者などに対する2週間の隔離の義務化だ。新型コロナを対象にした特別条例を2月に制定し、隔離違反者には最高100万台湾ドルの高額な罰金を設けた。

・台湾ではPCR検査で陽性の結果が出た人も自宅療養は認められず、すぐに指定病院への入院を強制される。指示に従わなければ罰則の対象となるが、入院費用は全額、当局が負担する。経済的な理由で入院できない人が市中で感染を広げる事態を防ぐ狙いだ。

・入国者の14日間の隔離を徹底しているのはベトナムも同じだ。加えて、市中感染が発生した場合は感染者の年齢や職業、居住地、直近の行動履歴などの個人情報を公表し、濃厚接触者をすぐに特定してきた。共産党による一党独裁だから可能な厳格な防疫手法で、累計の感染者は約1500人にとどまる。

・一時、外国人労働者の間で感染が爆発的に広がったシンガポールも最近は市中感染がゼロの日が多い。その理由は、徹底した検査と濃厚接触者の追跡だ。人口570万人の同国だが、累計の検査回数は約540万回。専用寮に住む外国人労働者らにはいまも2週間に1度の検査を義務づける。感染経路を追跡するスマートフォンのアプリや携行端末は合わせて普及率が人口の8割近くに達した。

・感染リスクの低下を受け、シンガポール政府は20年12月下旬、飲食店のテーブル1卓あたりの客数の上限を5人から8人に引き上げるなど、規制を緩和した。

・台湾やシンガポールは03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)に対応した際の経験を生かしている。台湾は03年以降、段階的に隔離病棟を増やしてきた。新型コロナの感染拡大が始まったばかりの1月から、病院は患者を受け入れる事前訓練や準備を進めていた。

・ただ、感染はこれまで抑制に成功していても、再び急拡大するリスクがある。タイでは20年12月に首都バンコク近郊の水産物市場で1000人を超える集団感染が起きた。1月5日時点の累計感染者数は約9000人で、この2週間ほどで2倍以上に増えた。

・集団感染者の大半はこの水産物市場で働くミャンマー人だった。タイは厳しい入国制限措置を実行しているが、不法入国した外国人労働者に感染が広がったとみられている。この市場を訪れたタイ人からの市中感染も各地で確認され、全国的な感染再拡大の懸念が高まっている。

・タイ政府は4日、全国77都県のうち感染者が多いバンコクなど28都県で商業施設の時短営業や学校の閉鎖を命じた。各都県の判断でより厳しい措置をとれるようにしており、バンコクでは5日から夜間の外食が禁止された。』