[FT]苦境の米エネルギー企業、デフォルト懸念再び

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『大手格付け会社の予想によると、米国の石油・ガス生産会社のデフォルト(債務不履行)は2021年に再び、その他すべての産業を上回る規模になるとみられる。この1年の価格急落で打撃を受けた業界がさらなる苦境に見舞われるからだ。

フィッチ・レーティングスは、エネルギー企業が21年に米国のハイイールド債(低格付け債)のデフォルトのうち150億~180億ドル(約1兆5400億~1兆8500億円)相当を占めるとの…

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・エネルギーの次に大きな影響を受けるヘルスケア、工業セクター双方の2倍以上にのぼる額だとしている。

・21年のデフォルト額は、エネルギー企業が過去1年間に計上した480億ドルを大きく下回る見込みだ。同業界のデフォルト額は20年に総額の41%を占め、どの産業よりも圧倒的に大きかった。深刻な経営難が続くことは、近年でも特に厳しい1年を経験したエネルギー産業が一息つけるという希望を打ち砕く。

デフォルト率は7~8%に

・フィッチでレバレッジドファイナンス担当のシニアディレクターを務めるエリック・ローゼンタール氏は「原油安に資本市場へのアクセスの問題が重なり、力の弱いエネルギー企業の多くが21年に債券発行を阻まれる公算が大きい」と話す。

・フィッチによると、21年にエネルギー業界のデフォルト率は7~8%となる見込みで、17年以来の高水準となった過去12カ月間の実績15%超からは低下するが、過去の平均である4.4%を大きく上回る。

・米国の石油産業は20年に大混乱に陥った。市場がサウジアラビア産の原油であふれていた時に、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が世界の需要を激減させたからだ。

・石油・ガス生産会社は支出を削減し、油井を閉鎖し、労働者をレイオフ(一時解雇)することを余儀なくされ、産出量減少でキャッシュフローがさらに落ち込んだ結果、債務返済に回す資金が手元に残らなくなった。注目された経営破綻には、シェールの名門チェサピーク・エナジーやホワイティング・ペトロリアムが含まれる。

・石油サービス会社は特に大きな打撃を受けた。生産会社の事業縮小で仕事を失ったためだ。

原油価格低迷は続く見通し

・テキサス州の法律事務所ヘインズ・アンド・ブーンによると、20年11月末までに生産会社43社とサービス会社54社が行き詰まった。ただ、そのペースは年末に向けた数カ月で鈍った。

・ヘインズ・アンド・ブーンのパートナー、チャールズ・ベッカム氏は「非常に大きな債務負担が危機的水準に達し、破産手続きによってそれは解消されつつある」と述べたうえで、21年はサービス会社が特に破綻に至りやすいと指摘する。

・格付け会社のデフォルト警戒リストには、石油会社の名前が多数挙げられている。フィッチの「最も懸念すべき債券」のリストは、エネルギー会社が35%を占めている。リストに名前が載っている企業の大半は、グラン・ティエラ・エナジーやノーザン・オイル・アンド・ガスなど、産出量が日量2万5000~3万バレル程度の中小生産会社だ。

・長引く原油安は21年を通して企業の支払い能力に重くのしかかるとアナリストらは語る。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、原油の国際指標の1つであるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が向こう1年間、1バレル45ドルに近い水準で推移すると予想している。大半の生産会社にとって、妥当な収益を上げるには低すぎる水準だ。

・ムーディーズはさらに、資本市場へのアクセスは今後も乏しく、債務借り換えの選択肢が限られ、デフォルトリスクが高止まりするとしている。

By Myles McCormick

(2021年1月3日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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