[FT]完全離脱後のロンドン、「消滅」したEU株取引

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※ なるほど…。

※ 英EUのFTAとは、「物の貿易」が中心で、「金融関連サービスの貿易」は、対象外だったんだな…。

※ そういう「経済的な損得勘定」の他に働いたのであろう「戦略的な利益衡量」とは、一体何だったのか…、に興味があるな…。

『ロンドンの金融業界の2021年は、英の欧州連合(EU)からの完全離脱の影響を感じながら始まった。離脱後初の取引が行われた4日、ほぼ60億ユーロ(約7600億円)のEU株の取引が欧州の他の主要都市に移ったのだ。

金融情報会社リフィニティブによると、スペイン大手銀サンタンデール、ドイツ銀行や仏エネルギー大手トタルなどの株式の売買が、EU域内の取引所や各社が上場するマドリード、フランクフルト、パリの取引…

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・規制を受けずに欧州各国の株式を売買することに慣れていたロンドンの投資家にとっては突然の変化となった。

・ロンドンでEU株を扱っていたCBOEヨーロッパ、ロンドン証券取引所(LSE)傘下のターコイズやアクイスなどの取引所は、英のEU離脱の移行期間終了後を見据えて2020年末に開設していたEU内の拠点に取引を移した。ロンドンから流出した株式は4日の欧州全体の取引の6分の1に相当する。

・「特別な日だった。取引を移転するのは最も困難なことの一つだ。これは『ビッグバン(大爆発)』ではなく『爆発と消滅』だ。(ロンドンの金融街)シティーは欧州株ビジネスを失った」とアクイスのアラスデア・ヘインズ最高経営責任者(CEO)は話した。

英政府、税収減に
 
・欧州株はシティーで最も利益を上げる事業ではないが、取引が消滅すれば英政府は税収が減る。ヘインズ氏はよりスムーズで活発な取引を求めて企業がEU域内で上場する可能性も指摘した。

・CBOEヨーロッパはEU株取引の90%に当たる33億ユーロ超がアムステルダムに移ったとしている。アクイスはEU株取引の「ほぼすべて」が一夜にしてパリに移行したと話した。ターコイズもEU株取引の大半をアムステルダムの拠点に移した。こうした拠点では20年はほとんど取引が行われなかった。

・「我々のシステムはすべて正常に運用されている。また予想通り欧州経済地域(EEA)で上場している株式の取引の過半数は、どのセグメントもオランダの取引所で行われている」とCBOEヨーロッパのデービッド・ハウソンCEOは話した。

・長年にわたりロンドンに拠点を置く売買システムと大手投資銀行が国境を越える株取引の中心だった。EU株取引の最大30%がシティー経由で行われていた。

・しかし英とEUが結んだ自由貿易協定(FTA)は金融サービスをほぼ除外している。ジョンソン英首相は金融部門に関して自らの望みがかなわなかったと認めた。EUは英の規制制度のほとんどを自らの規制と「同等」だと認めなかったため、ユーロ建ての取引はEU域内に戻らざるを得なかった。

・FTA交渉で金融サービスが除外されたため、取引所の幹部はEU規制当局にほとんど何も期待しておらず、英の「合意なき離脱」を仮定して数年間にわたり準備してきた。ヘインズ氏はEUが早期に株取引で英の規制を同等とみなすということには懐疑的な見方を示した。

EU、シティーへの依存度引き下げに意欲

・EUはユーロ建て金融資産への監督強化を目指しており、戦略的に重要な経済活動とみなす金融に関しシティーへの依存度を下げることに意欲的だ。

・英、EU双方の金融サービスに関するロビー団体は、両者にFTAに基づいて作業を進め、共通監督基準に早期合意するよう求めている。両者は3月末までに金融サービス分野での将来の協力に関する覚書の作成を目指しているが、国際条約同様の法的拘束力はない。

・英とは別の法域であることを強調するため、EU規制当局は4日、英を拠点とする格付け会社6社と、デリバティブや証券取引に関するデータを当局に提供する4つの取引情報蓄積機関の登録を抹消した。今後EUの企業や投資家は域内の組織を利用しなければならない。

By Philip Stafford

(2021年1月4日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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