米議会、波乱の幕開け 次期政権発足にらみ攻防へ

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『【ワシントン=永沢毅】米議会が3日開会し、バイデン次期政権の20日発足をにらんだ民主、共和両党の攻防が始まった。最初のヤマ場はバイデン氏を次期大統領に正式に選出する6日の上下両院合同会議だ。トランプ大統領が選挙結果を覆すように圧力をかけたとの一部報道もあるなか、共和党には敗北を認めないトランプ大統領に同調する動きが顕在化しており、波乱含みの幕開けとなった。

「今こそまさに米国に癒やしの時が来た」。下院で引き続き議長に選出されたナンシー・ペロシ氏(民主党)は3日に演説し、新型コロナウイルス対策などに超党派で取り組む必要性を訴えた。もっとも、米議会は融和ムードにはほど遠い。

2020年11月の大統領選と連邦議会選で民主党は大統領選を制し、下院も過半数を維持した。上院(定数100)は共和党が50、民主党が48で、残る2議席は5日に投開票される南部ジョージア州の決選投票で決まる。バイデン、トランプ両氏はテコ入れのため4日に同州入りを予定しており、対決の機運が強まっている。

共和党は1議席でも勝利すれば過半数を維持できる。バイデン次期政権にとっては上院での閣僚や大使といった枢要ポストの人事承認や、政策実現へのハードルが著しく高まる。

バイデン氏勝利を最終的に確定する上下両院合同会議は、新議会で民主党、共和党が激突する初の舞台となる。米メディアによると、下院で140人以上、上院では11人の議員が異議を申し立てる見通しだ。この場合、上下両院で最大2時間審議し、異議の賛否を巡って採決する異例の事態となる。ペンス副大統領も「法のもとで認められた議員の努力を歓迎している」との声明をだし、異議申し立てへの支持を表明した。

ただ、共和党執行部はバイデン氏勝利を認めているうえ、下院は民主が過半数を占めており、同氏の勝利が覆る可能性は極めて小さい。歴代の米国防長官10人も3日の米紙ワシントン・ポストに「選挙結果に疑問を投げかける時は過ぎ去った」と寄稿し、結果受け入れを訴えた。トランプ政権で国防長官を務めたマティス、エスパー両氏を含む共和、民主両党の国防長官のOBが加わった。

トランプ氏の言動も党派対立の火に油を注いでいる。ワシントン・ポストはトランプ氏がジョージアで選挙事務を統括するラフェンスパーガー州務長官に電話で圧力をかけ、バイデン氏勝利の選挙結果を覆すよう要求していたと報じた。2日にあった1時間以上の電話の録音で判明した。

トランプ氏は電話で「私が望むのは1万1780票を見つけることだ。なぜなら私はジョージアで勝利したからだ」とラフェンスパーガー氏に強調。「ジョージアの市民や国民は怒っている。再集計したと言うのは何も間違っていることではない」とし、バイデン氏が1万1779票差で勝利した集計結果の改ざんを事実上要求した。

トランプ氏はこの電話で、ラフェンスパーガー氏に5日までに対処しなければ同日の決選投票にも影響が及ぶと脅した。ただ、同氏はトランプ氏の要求を拒んだ。同州ではこれまでに2回再集計されたが、結果は変わっていない。

民主党では反発が強まっている。「大統領によるずうずうしい権力の乱用だ」。ハリス次期副大統領は3日のジョージアでの演説でトランプ氏を非難した。トランプ氏は3日、ラフェンスパーガー氏と2日に電話したことをツイッターで認めて「彼は不正投票に関する質問に答えようとせず、また答えられなかった」と開き直った。

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