https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM052PB0V00C21A1000000
『【台北=中村裕】半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が日本に新工場の建設を検討していると、複数の台湾の地元紙が5日報じた。経済産業省の支援を受け、合弁で新会社の設立も検討しているという。実現すれば米中、シンガポールに続く海外の生産拠点となる。
報道によると、TSMCは半導体の複数の製造工程の中でも後半部分に当たる「後工程」のパッケージ(封止)作業を担う新工場の設置を予定するとい…
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・報道によると、TSMCは半導体の複数の製造工程の中でも後半部分に当たる「後工程」のパッケージ(封止)作業を担う新工場の設置を予定するという。近く日本側と正式合意に至る見通しだと伝えた。
・半導体製造で最も技術を要する「前工程」ではないため、設備投資も大型の投資にはならない。ただ近年、パッケージ技術が重要視され、ノウハウの獲得に世界の半導体各社がしのぎを削る分野だ。
・日本は、TSMCの誘致により、台湾のほか米国とも協力関係を深め、半導体の分野で技術水準をさらに高め、国際的に再び存在感を示したい狙いもあるとみられる。
・世界で最も半導体の生産技術があるとされるTSMCを巡っては、世界各国が誘致活動を活発化させてきた。昨年には米国がアリゾナ州に米国初の最新鋭工場の誘致に成功したばかりだ。投資額は120億㌦(約1兆2400億円)の予定。
・ただTSMCは、新工場の海外進出にあたっては技術流出の防止なども考慮して非常に慎重で、台湾当局の規制も厳しい。大半の製造ラインは、今も台湾域内にある。これらの条件をクリアした上で、各国政府が、TSMCの新工場の建設支援にどれだけの補助金を拠出できるかも、進出決定を左右する。
・TSMCの広報責任者は5日、新工場進出に関わる日本経済新聞の取材に対し、「何も答えることはできない」とコメントした。