「メルケル後」探る欧州 選挙ラッシュ、けん引役占う

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『【ベルリン=石川潤、ロンドン=中島裕介】4年半続いた英国の欧州連合(EU)離脱を巡る混乱がようやく収束した欧州で、2021年から新しい秩序を探る選挙ラッシュが始まる。焦点は15年以上続いたメルケル政権の「次」を決める9月のドイツ連邦議会選挙だ。欧州では既存政党への支持が伸び悩む一方で、環境政党やポピュリズム政党の存在感が増しており、一連の選挙で政治地図が一変する可能性もある。

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・英国なきEUを誰が引っ張っていくのか――。この問いに答えを出す2年間が幕を開ける。最大の注目は、2005年の首相就任以来、欧州政治の中心に居続けたメルケル独首相の後継者争いだ。メルケル氏は21年秋の政界引退を表明済みで、16年ぶりの首相交代となる。

・最初の試金石が、1月16日に実施される独与党、キリスト教民主同盟(CDU)の党首選挙だ。反メルケルで保守派のメルツ氏、親メルケルで中道派のラシェット氏、外交通のレトゲン氏の3氏が立候補し、メルケル氏の中道路線の継続か保守回帰かが争点に浮上している。

・新党首はその後、会派内の首相候補争い、3月以降の州議会選挙という試練を経たうえで9月の連邦議会選挙に臨む。ここで第1党を奪った党の首相候補が、ポストメルケルの座をぐっと引き寄せることになる。

・ドイツの世論調査ではCDUが支持率1位(36%)だが、環境政党の緑の党が第2位(20%)で追いかける。メルケル人気に頼ってきたCDUが今後失速すれば、連立組み合わせ次第では、ドイツ初の緑の党出身の首相が誕生する可能性もある。

・メルケル氏の盟友でEUを引っ張る両輪だったマクロン仏大統領にも試練が迫る。フランスは21年6月の地方選挙を前哨戦とし、22年春、大統領選挙に突入する。下馬評では現職のマクロン氏が有利だが、改革路線への反発やコロナ禍を利用した極右勢力の巻き返しなど、不透明な要素も多い。

・独仏が一致したからといって欧州の決定にはならないが、独仏が一致しなければ前には進めない――。メルケル氏やマクロン氏はこれまで独仏協調の重要性をこう繰り返してきた。国内の反対派を抑え込み、EUをけん引する強いリーダーが独仏から失われれば、欧州は米中の狭間で漂流しかねない。

・EUの外に飛び出た英国では、5月6日に英北部スコットランドの議会選挙が行われる。国政野党で英国からの独立を訴えるスコットランド民族党(SNP)が過半数を確保し、独立運動を勢いづけるかどうかが焦点だ。

・EUへの残留支持者が多いスコットランドではEU離脱への反発が強く、直近の各種調査ではSNPが50%台半ばの支持を集めている。独立のための住民投票は英政権の承諾が必要なためハードルは高いが、SNPが過半数を得れば、英政局は再び不安定になる可能性が高い。

・21年10月にはチェコ、22年春にはハンガリーで議会選挙が待ち受ける。「チェコのトランプ」と呼ばれるバビシュ首相、非リベラル民主主義を唱えるハンガリーのオルバン首相にどのような審判が下されるかは、ポピュリズム勢力の趨勢にも大きく影響しそうだ。