〔兵頭二十八氏のサイトからの情報〕

『Helen Regan 記者による2020-12-28記事「Australia is the last Western holdout on the climate crisis. But some states and businesses are calling for change」。
      豪州北東部のクイーンズランド州にあるガリレー盆地は、それだけで英本土に等しい面積がある。地下には未開発の大炭田がある。2021年から採掘を開始する予定だ。
 カーマイケル川の源流は、オープンカットのため消失するであろう。

 グレートバリアリーフに積み出し港「アボット岬」がある。そこまで300km、貨物列車で石炭を運ぶ。
 ガリリー盆地からこれから掘り出す石炭は、年産6000万トンで、それは60年間枯渇しないだろう。その多くはインドへ輸出される。

 バイデンは2020前半に、2050年までに米国はネットゼロエミッションを達成すると表明している。
 中共、韓国、日本も2020年内に同様の目標を表明した。
 英国とEUは2019年にそう言っていた。

 豪州はG20諸国の平均の3倍以上のエミッションを出しており、モリソン政権は、いつこの国をゼロエミッションにもっていくのか、予定期限を表明できずにいる。パリ合意では2050年頃までに、2005年水準よりも26%は減らさねばならないのだが。

 豪州中央政府はこのような窮境にある。他方、豪州の地方諸州政府はすべて、2050年までにゼロエミッションにするという公約を、すでにブチ上げている。

 民間ではすごいプロジェクトが進行中。豪州北部(ノーザンテリトリー)の大砂漠でソーラー発電して、ダーウィン港から3711kmの海底ケーブルでシンガポールまで送電し、シンガポールの逼迫必至の電力需要の2割をまかなってやろうというのだ。完成は2028年だという。

 シンガポールに売電するためのソーラーパネルの施設面積は1万2000ヘクタール。これとバッテリーとあわせて投資は200億米ドル必要である。

 2020-11には、ニューサウスウェルズ州政府がブチ上げた。12ギガワットの風力&ソーラー発電施設を建設し、それに2ギガワットのエネルギー貯蔵施設〔おそらく揚水ダム〕も併設し、老朽化しつつある石炭産業に代置するという。

 同地域には320億米ドルの投資が呼び込まれ、これから10年間、6000人の新規雇用を生み出すという。

 ヴィクトリア州政府では、州内の住宅やオフィスの屋根にソーラーパネルを設置させるなどしてさらに600メガワットをリニューアル式に起電させるつもり。600メガワットは、同州内の全病院と学校の需要電力に相当するそうである。

 ヴィクトリア州はまた、テスラ社製の300メガワットのバッテリーを導入し、電力グリッドに介入させることにより、2030年までに、リニューアル式電気を総電力消費の半分までもって行けると見ている。

 ウェスタンオーストラリア州のピルバラ地区は、年中日照りがあり、風は夜昼区別なく吹いている。この6600平方キロメートルの土地を、電源基地化する民間主導計画も……。360億米ドルの投資によって、26ギガワット発電できるという。それは、豪州全体の電力消費量の4割相当である。

 構想では、この電力で水を電気分解して水素をつくる。水素のままでは輸送に不便ゆえ、それをアンモニアの形に変えて、全アジアへ輸出するという。

 水素をつくるのに火力発電を必要とするならばそれはグリーンではない。
 風力と太陽光から水素をつくって、はじめて、それはグリーン水素だと言えるのである。

 いま豪州の化石燃料は、日本、韓国、中共向けに75%以上が輸出されている。それら3国が将来のエネルギーは水素だと考えているとすれば、豪州は今のままでいいわけがない。舵を切らなければ。
 豪州は世界第二位の石炭輸出国。なかでもクイーンズランド州とニューサウスウェルズ州では石炭産業が主要な雇用主になっている。』

『※中共の諸都市で停電が発生している理由は謎と言うしかない。超うがったストーリーを考えれば、次の通りだ。地方政庁が濫発した地方債がこれから立て続けに償還不能になることが民衆に伝われば暴動が起きる。だから人民の気分を引き締めておく必要がある。ただしもし、暴動が大きくなったら、それは家庭用エネルギー料金の値上げをするチャンスである。エネルギー小売価格を値上げできれば、いろいろな問題が解決する。地方炭坑の損益分岐点が変わるから、地方の不良債権がまた優良化するかもしれない。値上げを政府のせいにされると困るが、人民のせいにできるなら、それはチャンスだ。他方また、計画停電で人民の気分が政府頼みに傾いたら、それもまた値上げ公表の好機だ。どっちに転んでも、値上げ政策に行ける。』

 ※ これは、けっこう鋭い視点だと思う…。

 ※ いわゆる発展途上国が「人口ボーナス」を利用して、中進国化しようとするとき、鍵となるのは「電化」だ…(かつての日本も、明治・大正期に、やった…。国内だけでなく、海外領土(朝鮮半島、満州、台湾)でも、やった…)。

 ※ 国策として、「電力料金を低く抑える」ことが多い…。採算は、度外視される(いろんな形で、国家予算から援助を受ける)…。

 ※ しかし、そういうことが長続きするハズも無く、いずれツケは回ってくる…。

 ※ 国策でムリクリ低く抑えた「生活必需品」の価格を、「適正価格」に是正しようとすると、庶民が反発して、「暴動・政権の打倒」につながる…。

 ※ そういう、「難しいもの」なんだ…。