英、EUを「完全離脱」 FTAが暫定発効

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『【ロンドン=中島裕介】2020年1月末に欧州連合(EU)を離脱した英国を加盟国とほぼ同等に扱う移行期間が12月31日午後11時(日本時間1月1日午前8時)に終了し、英・EU間の自由貿易協定(FTA)が暫定発効した。英国は前身の欧州共同体(EC)加盟から約半世紀続いた関係を正式に断ち切り、独自の道を歩むことになった。

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・ジョンソン首相は新年の国民向けのメッセージで「我々は必要ならば、EUの友人と違う方法で行動できる。世界中と自由に貿易協定を結べる」と発効したFTAの意義を語った。英国で接種が始まったワクチン効果で新型コロナウイルスの悪影響が和らぐ期待も表明し、「21年は過去に失われたようにみえる日常的なことを行う年になる」と呼びかけた。

・12月24日に合意に至ったFTAなど一連の協定案について、英・EUは31日までに協定案を有効にするための手続きを終えた。EU側で欧州議会の批准が間に合わなかったため、協定は暫定的な発効となる。欧州議会は2021年1~2月に合意内容を審議する方針だ。

・FTAの発効で1月1日以降も英・EU間では、条件を満たす全品目・全数量の貿易で関税ゼロが維持される。ただ原産地規制の導入により優遇関税の対象は英・EU産の原材料が多い商品に限られる。品物によっては新たに関税が発生する場合もある。輸出申告の書類の提出など通関手続きも発生するため、物流面で混乱が生じる恐れも残る。

・英EU間の人の自由な移動も終了する。英側は1月以降、自由に移住を受け入れていたEU市民と他の外国人を同じ扱いにする。移住希望者を年収や英語力などに基づいてポイントで評価する制度を新たに導入し、一定以上の技能の労働者だけを受け入れる。

・EUからの完全離脱を実現したジョンソン政権は今後、新型コロナウイルスの対策に集中しつつ、EU加盟時にはできなかった域外との通商交渉を積極的に進める。環太平洋経済連携協定(TPP)への参加も目指す。

・一方で課題も残っている。英国はEU全域で金融事業を営める「単一パスポート制度」から正式に外れる。これに代わってEU側が英国の規制や監督水準をEUと同水準と認める「同等性」を英国に与えれば、英金融機関が在EUの顧客にアクセスしやすくなるが、この結論が出ていない。この判断次第では金融街シティーからの人員や資本の流出を招く可能性もある。