米、中東に爆撃機・原潜を相次ぎ派遣 イラン警戒強化

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『【ワシントン=中村亮】トランプ米政権が戦略爆撃機や原子力潜水艦を中東地域に相次いで派遣している。米軍がイランの有力司令官を殺害してからまもなく1年が経過するのに合わせ、イランが中東で米兵や米国の施設に報復攻撃に出ることを警戒している。米・イランの相互不信は根強く、偶発的衝突のリスクが高まりかねない。

米軍は30日、中西部ノースダコタ州の基地から戦略爆撃機B52を中東地域に派遣したと明らかにした。B52は空対地ミサイルなどを備え、米軍保有のB52のうち約6割は核兵器を搭載可能とされ、強力な軍事力のシンボルだ。

中東地域を統括するマッケンジー中央軍司令官は30日の声明で「米国は戦闘準備を整えた戦力を中央軍の管轄地域に送り、いかなる潜在的な敵も抑止し米国人や我々の国益に対するいかなる攻撃にも備えて対応できると明確にする」と強調した。

米海軍第5艦隊も21日、最大154発の巡航ミサイル「トマホーク」を搭載できる原子力潜水艦ジョージアが同日に原油輸送をめぐる中東の要衝であるホルムズ海峡を通過してペルシャ湾に入ったと明らかにした。第5艦隊司令部があるバーレーンにも立ち寄った。敵から行動を読まれにくいことを強みとする潜水艦の行動を米軍が公表するのは異例だ。

米軍が相次いで軍事力を誇示するのは、イランをけん制する狙いがある。2021年1月3日は米軍がイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官をイラクで殺害してから1年の節目にあたり、米軍はイランが中東で米国人や米施設に報復攻撃を仕掛けると警戒している。

米メディアによると、米軍高官はB52派遣に先立って記者団に対し、イランが関与する攻撃計画がイラクなどで実行される恐れがあると主張した。具体的には短距離弾道ミサイルや巡航ミサイルに加え、無人機システムによる攻撃の可能性があると指摘した。計画が有事への備えなのか、すでに実行が決まったものかは判然としないという。

イラクでは20日、首都バグダッドの米大使館を狙ったとみられるロケット弾攻撃が起きた。米メディアによると21発のロケット弾が使用され、米大使館の周辺地域に向けられた攻撃としては10年以降で最大規模だったという。トランプ大統領はイランの関与があったと主張し「米国人が1人でも殺害されればイランに責任を取らせる」と強調した。イランは関与を否定した。

トランプ氏は11月、イラク駐留米軍を21年1月15日までに約3000人から2500人に減らす方針を決めた。駐留米軍はイランや同国の支援を受けるとされる武装勢力を抑止する役割もあるだけに人員削減はイランを利する結果となりかねない。

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