人民元、20年は対ドル6.5%高 高金利で資金流入

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『【上海=張勇祥】上海外国為替市場で人民元は31日、1ドル=6.5398元で2020年の取引を終えた。対ドルで3年ぶりに反発、通年の上昇率は6.5%だった。中国経済が新型コロナウイルスの影響からいち早く立ち直ったうえ、米国などに比べ高い金利が海外マネーを引き付けた。

元の対ドル相場は18年6月以来の高値圏にある。年前半は米中対立が主な相場の材料となり、海外市場では1ドル=7.2元近くまで元が売り込まれる局面があった。香港国家安全維持法の制定を巡って国際的な批判が集まり、「香港や中国本土からの資金流出のシミュレーションを重ねた」(投資銀行)との声が出ていたほどだ。

状況が大きく変わったのが7月以降だ。中国が新型コロナの抑えこみに成功し景気が回復に向かうと、世界的な金融緩和であふれた資金が中国に流れ込んだ。中国が20年4~6月期にプラス成長に転換したと発表した7月は、上海総合指数が1カ月で11%近く上昇した。

中国の金融当局はコロナの落ち着きに合わせ、銀行間金利の上昇を促すなどして元建て債の魅力を高めた。中国の10年物国債の利回りはおおむね3%台で推移、1%に満たない米国との金利差が拡大した。外国人の元建て債保有額は11月末で3兆元(47兆4千億円)を超え、1年間で4割も増えた。

21年も元高傾向が続くとの見方が多い。中国景気の底堅さ、相対的に高い金利など元の買い材料に大きな変化はないとみられるためだ。南華期貨研究所の馬燕アナリストは「1ドル=6.4元を中心に推移し、高値は同6.2元まである」と予想する。

ただ、20年後半のような急激な上昇には歯止めがかかるとの指摘もある。新型コロナのワクチンが期待通りの効果を発揮すれば、米欧景気が二番底に陥るリスクは低くなる。景気の格差が縮まれば一方向の元買いは起きづらくなる。

中銀国際証券の管濤エコノミストは「中国の金融リスクに警戒する必要がある」と指摘する。中国の社債の債務不履行は20年に1950億元にのぼり、19年の1670億元を上回って過去最高になった。過去と異なり国有企業でも不履行が多発しており、「安心して与信できるのは中国政府が直轄する『中央企業』だけ」(外国銀行)との声が出始めている。政府系半導体の紫光集団は元建て債3本、ドル建て債1本で元利払いが滞っている。

バイデン次期米大統領の中国政策が為替相場に影響を及ぼす可能性もある。中国側は総じていえば「トランプ政権ほど極端に厳しい対中政策はとらない」(国都証券)との期待がある。この観測に反してバイデン政権が中国に強硬姿勢をとった場合、投機的な元売りが相場を揺さぶるシナリオは否定できない。

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