コロナ禍の2020年 最強通貨はスウェーデンクローナ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD00012_23122020000000

『新型コロナウイルスが猛威を振るった2020年の「最強通貨」はスウェーデンクローナだった。「日経通貨インデックス」を構成する25通貨の対ドル上昇率を比べたもので、ほかにもユーロやスイスフランなど欧州通貨の上昇が目立った。強さの背景としては貿易黒字という共通項が浮かび上がる。世界中の中央銀行が金融緩和に動いた結果、金利差が為替相場を動かす強力な要素になりにくくなったためだ。

スウェーデンクローナの対ド…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り1081文字

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

有料登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN16C7X016122020000000&n_cid=DSPRM1AR08

無料登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN16C7X016122020000000&n_cid=DSPRM1AR08#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

・スウェーデンクローナの対ドル相場は21日時点で昨年末に比べ12%近く上昇した。通貨の総合的な価値を示す実効為替レートの指標である日経通貨インデックスを構成する通貨のなかで、最も上昇した。

・自動車のボルボ、通信機器のエリクソン、家具のイケアにアパレルのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)――。世界的に活躍する企業を擁するスウェーデンの通貨クローナは「景気に敏感な通貨で株価と連動しやすい」(JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏)とされる。世界的な株高と歩調を合わせるように上昇した。米中貿易摩擦の暗雲が垂れ込めた19年は5.8%下落と「最弱通貨」だったが、1年で汚名を返上した。

・ユーロも年初から9%強上昇し、ユーロとペッグ(連動)するデンマーククローネも堅調だった。欧州連合(EU)による復興基金が域内景気を支えるとの期待が相場を押し上げた。スウェーデンもユーロ圏も貿易収支は黒字基調となっている。

・こうした欧州通貨の上昇は、米国の金利低下が促したドル売りの勢いがそのまま映し出されている面も大きい。ドルの総合的な強さを示すドル指数は同期間に約6.5%下落した。

・欧州の金利はもともと低かったが「米長期金利が低下した結果、外国為替市場では金利差を材料とした売買が減った」(野村証券の春井真也氏)という。手掛かりにする金利差が「消滅」してしまったからだ。市場参加者の視線は、貿易黒字などファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)やリスクに対する投資家心理にこれまで以上に左右されやすくなった。

・円と並ぶ「安全通貨」の代表格であるスイスフランも上昇した。「米大統領選を巡る政治の不透明感などが、リスク回避のスイスフラン買いを誘った面がある」(野村の春井氏)とみられる。コロナ禍でも結果的に株価が上昇した今年だが、リスクに対し半身の構えを残す複雑な投資行動がスイスフランにもマネーをひき付けたようだ。スイスも大幅な貿易黒字だ。

・一方、下落率が大きかったのはブラジルレアルやロシアルーブルだった。日経インデックスの構成通貨ではないが、トルコリラも28%超の下落となった。経済基盤の弱い国はコロナの打撃が大きくなった。

・強かった欧州通貨も不安材料を抱える。なによりコロナの感染者急増による経済活動の規制が、欧州における景気の二番底への懸念につながっている。英国とEUの今後の貿易関係を巡る交渉の不透明感も警戒だ。21年に上昇が見込める通貨としては「銅や鉄鉱石など資源価格の上昇が続けば、豪ドル相場を押し上げる」(みずほ証券の山本雅文氏)といった声があった。

〔日経QUICKニュース(NQN) 西野瑞希、藤田心〕