東南ア主要6カ国GDP、21年は明暗 IMF予想

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『【ハノイ=大西智也】2021年の東南アジア主要6カ国の景気は濃淡が表れそうだ。国際通貨基金(IMF)が公表した最新の実質国内総生産(GDP)の予想値はいずれも前年比プラスになるが、新型コロナウイルスが広がる前と比べるとばらつく。ワクチンが出回った後の新型コロナの感染状況、米国の政権交代などが不透明要因だ。

各国の19年のGDPを100とし、21年までの予想を指数化した。21年に100を上回るのはベ…

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・21年に100を上回るのはベトナム、インドネシア、マレーシアで、シンガポール、フィリピン、タイは下回る。20年はベトナムだけが上回り、ほかの5カ国は100に達しない。ベトナムはいち早く新型コロナを抑え込んだ。21年1月開幕の共産党大会を控え、指導部が公共投資で有効需要をつくり出した効果があった。

・21年もベトナムは好調を維持する見通しだ。IMFが予想する指数は108.4でトップ。米格付け大手、S&Pグローバルは、21年のベトナムの実質成長率が10.9%で、アジア太平洋では最高になると予測する。20年は2.91%だった。

・日本総合研究所の塚田雄太副主任研究員は「ベトナムには(韓国のサムスン電子など)グローバル企業の集積が続き、輸出に追い風」と指摘する。生産コストはなお低く、米中対立が続けば、拠点を中国から移す動きが加速するとの見方だ。

・21年のインドネシアの指数は104.5で、ベトナムに次いで高い。11月上旬にジョコ大統領が署名して成立した制度一括改正(オムニバス)法が機能すれば、企業活動の自由度が高まり、外資の受け入れが増えるとみられる。指数101.3のマレーシアも、世界経済が持ち直せば、主力の電気・電子機器の輸出の回復が進みそうだ。

・一方、シンガポール、フィリピン、タイの3カ国の指数が100を上回るのは22年に持ち越される見通しだ。

・タイはGDPの2割を占める観光業が21年も立ち直れそうにない。外国人の入国制限の本格解除がいつになるか見通しが立たないためだ。成長の柱だった自動車などの輸出も19年の水準には戻らない。フィリピンは個人消費が見通せない。足元では自動車など耐久財の売れ行きが鈍い。シンガポールも観光業の回復が遅れる見通しだ。

・各国に共通して景気の大きな下振れ要因になりかねないのが、新型コロナを巡る世界の動きと、21年1月20日に就任する米国のバイデン次期大統領の政策だ。

・ワクチンの接種は世界各国で順次、実施される見通しだが、東南ア諸国を含む新興国や途上国では遅れるとみられている。12月にはウイルスの変異種が日本を含む各国で確認されたが、既存のワクチンが有効かどうかはなお証明されていない。

・米国のバイデン次期政権は、保護主義の色彩が濃い民主党が支える。いまのトランプ政権で離脱した環太平洋経済連携協定(TPP)への復帰には積極的でない。米財務省は12月、ベトナムを「為替操作国」に認定した。日本を上回る巨額の対米貿易黒字を問題視した。ベトナムが通貨切り上げを強いられれば、輸出には打撃となる。