印中、国境地帯で衝突 45年ぶりに死者 2020年 衝突の残像④

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『インドと中国の両軍が6月に国境地帯で衝突し、45年ぶりに死者を出した。印中両軍は撤収に向けた協議がまとまらず、1962年の国境紛争以来の緊張関係が続いている。インドは中国から明確に距離を置き始め、日本や米国、オーストラリアと連携するなど外交政策の転換にカジを切った。

「印中関係は過去40年以上の間で最も難しい局面にある」。インドのジャイシャンカル外相は12月上旬、こんな厳しい見解を示した。インドは…

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・インドのジャイシャンカル外相は12月上旬、こんな厳しい見解を示した。インドは62年の中国との国境紛争で千人以上の死者を出している。印中関係はそれ以来の危機に直面しているとの認識で、両軍は解決策を見いだせないまま越年しようとしている。

・印中はヒマラヤ山脈などで約3000キロメートルの国境が画定していない。両軍は5月から国境係争地でにらみ合いを始め、6月の軍事衝突で印側に20人の死者が出た。8月末に再び小競り合いが起き、両軍はそれぞれ相手が実効支配線を越えて威嚇射撃してきたと非難した。両軍は現時点でも、国境沿いに総勢10万人程度を配置している。

・頻繁に衝突が起きた場所が印北部ラダック地方にある巨大な湖のあたりだ。印メディアによると、湖の広さは琵琶湖よりやや小さい600平方キロメートル。そのうち約3分の2が中国、約3分の1がインドの支配下にあるという。この複雑な地形の湖に両国の実効支配線がまたがり、両軍は偶発的な衝突をきっかけに後戻りできなくなった。インドは中国が領土を少しずつ拡張しているとの主張も繰り返している。

・「係争地を巡り起きた事態の責任は完全にインド側にある」。中国も外務省の華春瑩報道局長が12月上旬の記者会見で、インドを公然と批判した。「中国の領土と主権を守る決心は断固としてぶれることはない」とも語り、歩み寄る姿勢は見えない。両軍はこれまで8度の協議を重ねたものの、具体的な撤退策などを巡り物別れに終わった。

・8カ月にわたる対立の長期化は、インドの外交・安全保障政策に如実な変化を及ぼしている。

・インドは同国市場から、スマートフォンアプリを含め様々な中国製品を締め出す強硬策を打ちだした。従来は中国を含めた各国との「等距離外交」を重視していた。中国の海洋進出を警戒する日米豪との連携を強化する。日米豪印の4カ国首脳は「自由で開かれたインド太平洋」を合言葉に結束感を強める。

・中国の外交筋は「(日米豪印による)アジア版の北大西洋条約機構(NATO)の結成は避けなくてはならない」と語る。4カ国の協力体制が対中抑止の軍事同盟に変化する事態に警戒感を示している。

・インドの心変わりは、中国が重視するインド洋のシーレーン(海上交通路)安定や、広域経済圏構想「一帯一路」の実現に打撃を与えかねない。長引く印中の対立は国際秩序も変えつつある。(ニューデリー=馬場燃、北京=羽田野主)

中印小競り合いから半年、国境で両軍にらみ合い越年へ
2020年12月20日 05時50分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/75404

「中国・インド国境衝突 アジア両大国の思惑は」(時論公論)
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/431654.html