コロナ下、半導体奪い合い 液晶パネルは品薄で急騰

コロナ下、半導体奪い合い 液晶パネルは品薄で急騰
トヨタは代替調達検討 ゲーム機生産に懸念も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ24B3K0U0A221C2000000

『自動車の電動化や在宅勤務の広がりなどを受け、基幹部品である半導体や液晶パネルに品薄感が出ている。トヨタ自動車は半導体の代替調達の検討に入ったほか、一部のゲーム機は生産調整を迫られる可能性がある。半導体や液晶パネルメーカーは増産を急ぐが、不足感が解消するには時間がかかりそうだ。

米国半導体工業会(SIA)によると、10月の世界の半導体売上高は前年同月比6.0%増の390億ドル(約4兆200億円)と、1年11カ月…』

・春ごろは新型コロナの影響で自動車を中心に減産の動きが目立ったが、7月ごろから急回復したのに伴い半導体も回復基調だ。

・在宅勤務の普及によるクラウド拡大も半導体需要を引き上げる。世界半導体市場統計(WSTS)の予測では、2021年の市場規模が前年比8%強増の4694億ドルと、過去最高を更新する見通しだ。

・旺盛な需要を背景に半導体メーカーは設備投資を増やしている。韓国・サムスン電子と台湾積体電路製造(TSMC)、米インテルの大手3社の20年の設備投資の合計額は前年比で13%増え、日本円換算で6兆円に達する見通しだ。TSMCは米アリゾナ州に新工場を建設する計画。サムスンは米テキサス州の半導体工場の敷地を4割程度広げ、最先端ラインを導入する準備を始めた。

・各社は増産姿勢だが、半導体デバイスは通常、材料を投入してから製品ができあがるまでに3カ月以上かかり、機動的に生産量を増やすのが難しい。新型コロナの感染拡大で自動車メーカーなどが発注を絞ったのを受けて今秋から冬ごろの減産計画を立てていた企業も多い中で、需要の急回復は短期的に一部の製品で供給不足といったひずみを生んでいる。

・「スイッチの生産に支障が出る懸念がある」。任天堂幹部は主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」に必要な半導体が今後、調達しにくくなるのではないかと気をもむ。

スイッチはコントローラーを本体から取り外して操作できるが、こうした機能には高い演算性能を持つ高機能半導体が必要だ。「スマートフォンや車に比べ販売数量に季節変動があるゲーム機向けの半導体は後回しにされやすい」(外資系調査会社アナリスト)という。

・「21年4月以降の完成車生産が滞る懸念がある」。11月下旬、トヨタ自動車の幹部は危機感をあらわにした。10月に旭化成の子会社の半導体製造工場(宮崎県延岡市)で起きた火災によって半導体調達が困難になったためだ。特にデンソーが主に生産し、トヨタに供給する衝突の回避や被害軽減する安全システム向けの影響が深刻とされる。

半導体自体の代替調達を進めるほか、部品構成が変わる新仕様のシステムの前倒し搭載も検討する。さらにデンソーのライバルである独コンチネンタルから安全システムを代替調達するなど複数の手段で、完成車生産に影響がでないよう手を打つ考えという。

・東芝の大分県と岩手県の半導体工場には「家電や産業用途など業種を問わず受託生産の要請が来ている」(関係者)という。両工場はフル稼働が続き、受託生産の比率は従来の1割から2割に拡大した。

・巣ごもり消費による需要の高まりの影響は半導体以外にも広がる。液晶パネルの価格は春ごろよりテレビ向けで6割、パソコン向けで2割上がった。液晶パネル需給がひっ迫している背景には、LGディスプレーなどの韓国勢が液晶から有機ELへのシフトを急いでいることがある。

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・さらに、液晶パネルの駆動に欠かせない半導体の一種であるドライバーICが不足していることも、液晶パネルの供給に響いているとの指摘がある。「半導体受託製造会社(ファウンドリー)にとって、利益率の低いドライバーICは生産の優先度が低い」(アナリスト)

・国内のあるパソコンメーカーの調達担当者は「必要数のパネルが手に入らずパソコンの生産が追いつかない」と漏らす。

・ハイテク産業の活況は21年も続くとみる関係者は多いが、米中摩擦の行方がリスク要因となる。英調査会社オムディアの南川明シニアディレクターは「米国の対中国戦略の大きな枠組みは変わらない。米中の競争はまだまだ続く」と指摘する。半導体各社などは生産増強に動くが、政治リスクが常に隣り合わせとなる。

(広井洋一郎、松本桃香、ソウル=細川幸太郎)

※ 半導体製造産業は、好・不況の波が大きい…。巨額の資金を要する「装置産業」なんで、「ハイリスキー」な事業となる…。

※ それで、Intelとか、Armとか、自分で「製造すること」からは手を引いた…。企画・設計部門に特化した…。

※ 日本は、永らく、そこの部門でも、競っていた(その残党を寄せ集めたのが、「ルネサス」)んだが、諦めて、「材料」「生産設備」部門へと、撤退した…。今でも、そこの分野では、競争力を保持している…。