中国共産党、習派の任期長期化 地方幹部の高齢化進む

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM00068_X01C20A2000000

『【北京=羽田野主】中国共産党で将来の指導部入りを狙う地方幹部の高齢化が進んでいる。地方行政のトップである31地域の党委書記の年齢は50代後半から60代に集中する。長期政権をうかがう習近平(シー・ジンピン)国家主席が側近を長く重用する事例が目立つ。人事停滞で党内が活力を失うとの懸念も指摘される。

習指導部は2020年、合計31の省・直轄市・自治区の党委書記のうち、10人を入れ替えた。1960年代生ま…』

・1960年代生まれの「60後」と呼ばれる幹部が相次ぎ昇格したが、最も若くても、遼寧省の張国清党委書記で56歳だ。

・最高齢は北京市の蔡奇党委書記、新疆ウイグル自治区の陳全国党委書記で、ともに60代半ばに達する。蔡氏は習氏の側近中の側近として知られる。両氏は22年の党大会時には67歳となり、68歳以上は引退する党の慣習にぎりぎり抵触しない。

・かつての地方幹部はもっと若かった。習氏は49歳で浙江省党委書記に就いた。李克強(リー・クォーチャン)首相は47歳で河南省党委書記、胡錦濤(フー・ジンタオ)前国家主席は40代前半で貴州省党委書記になった。

・党内では「指導部入りには地方のトップを2カ所以上経験するのが原則」とされる。貧困や少数民族の問題などを抱える中国では地方の実情を知る人物が党中央に上り詰めるのを推奨してきた。だが今では高齢化が進み、地方のトップに就いた時点で党の退職年齢が迫る幹部が少なくない。

・習氏は10月に開いた党の重要会議、第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)で後継候補を選ぶ人事を見送った。後継者が固まる場としてこれまで注目されたが、22年の党大会以降も続投し、3期目を務める意思の表れとの見方が広がる。

・習氏も22年には69歳になり、党の慣習である退職年齢を超える。続投すれば年齢制限が事実上なくなる。側近の重用が続き、地方幹部や党指導部の人材の高齢化が一段と進む可能性がある。

・中国政治に詳しい慶応大の加茂具樹教授は「党内の人事が停滞すれば、若手官僚や党員のモチベーションは確実に低下する。結果的に政策の機動性が失われる可能性がある」と指摘する。