湾岸危機「日本の姿見えぬ」 米副大統領、海部首相に不満(外交文書公開)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE235BJ0T21C20A2000000

『イラクによるクウェート侵攻で緊張が高まっていた1990年11月、クエール米副大統領が海部俊樹首相に「日本の姿が見えない」と不満を伝えていたことが、23日公開の外交文書で分かった。直前に自衛隊を海外派遣するための法案が廃案になっており、日本に対する米側のいら立ちをぶつけた形だ。(肩書は当時)

 外務省が一般公開した外交文書=共同

クエール氏は、天皇陛下の即位の礼に出席するため来日。同年11月14日に海部氏と会談した。同10日に閉会した臨時国会では、政府提出の国連平和協力法案が、野党の抵抗で審議未了、廃案となっていた。

海部氏は会談で「3週間にわたり議論したが、自分の説得力がなかったのか、法案は成立しなかった」と反省を口にしつつ、国際協力が初めて国会で議論されたことは「将来に向けての踏み台」になったと理解を求めた。

これに対し、クエール氏は日本の資金協力に謝意を示す一方、「太平洋における最も強力な同盟国である日本が、湾岸でプレゼンスが見られないことは目に付く」とくぎを刺した。

この前日、海部氏はシンガポールのリー・クアンユー首相と会談。リー氏は、海部氏に先立ち顔を合わせたクエール氏の様子について「日本にとって大切な石油を守るために米国の若者が犠牲を強いられる可能性があることに、強い感情を持っていた」と伝えた。

〔時事〕』