ドローン使用作戦の一里塚:アゼルバイジャン大勝利

https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-21

 ※ マングースさんのサイトから、紹介する…。

『ロシア兵器使用のアルメニア軍に圧勝
イスラエル製やトルコ製のドローン多用で劣勢を一気に挽回

21日付読売新聞は、9月下旬から11月上旬にかけ戦われた、アゼルバイジャン領ナゴルノ・カラバフ自治州を巡るアルメニア軍とアゼルバイジャン軍の大規模戦闘で、軍用無人機(ドローン)を駆使したアゼルバイジャン側が圧勝を納め、ドローンの実戦使用に新たな1ページを刻み、アルメニア軍を装備面で支援していたロシア軍に衝撃を与えていると報じています

ソ連崩壊前に勃発した両国間の戦いは、ロシア製兵器に依存した国同士の戦いでしたが、ロシアとの同盟関係を生かしたアルメニアが優勢だと言われてきました。しかし、旧ソ連製の旧式兵器も多いアルメニアに対し、アゼルバイジャンはイスラエル製やトルコ製の比重を徐々に高め、今回の大規模戦闘では、旧ソ連やロシア製兵器の運用思想から脱却したアゼルバイジャンが、一気に劣勢を覆したようです。

戦いは9月下旬から44日間に及び、双方に6000人近い死者を出した戦闘は11月10日に停戦が発効しましたが、アゼルバイジャンがアルメニア側からナゴルノ・カラバフ自治州の大半を奪還したようです。

両国の戦いの様相について15日付読売新聞は
●作戦面では、特にトルコの影響が色濃かったと言われている。アゼルバイジャン軍は、第2次大戦直後に旧ソ連が開発した複葉機を無人機に改造して「おとり」に使い、アルメニア側の防空網に対応させ、その配置や使用周波数などをあぶり出した。
●その後、イスラエル製の自爆型ドローン「ハーピー」、トルコ製の攻撃ドローン「TB2」や新型ミサイルを多用しアルメニア防空設備を破壊し、地上部隊が進攻した。米シンクタンクCSISはトルコ製「TB2」の活躍が目立ったとの報告書を今月まとめ、「従来型兵器と新型兵器を巧みに融合させることが、現代の戦場では重要だ」と指摘している。
 
TB2 ●戦闘での被害を分析した専門家グループによると、アルメニア側はロシア製の地対空ミサイル「S-300」等26基や戦車「T-72」130両以上を破壊された。いずれも武器輸出大国ロシアの看板商品である。
●一方で、アゼルバイジャン軍のドローン損失は僅か25機にとどまり、有人機に比べてコストを低く抑えられるドローンの有効性が改めて歴然と証明されたことで、軍事関係者の注目を集めている。また無人機を用いた「小国同士の軍事衝突が増える可能性」を指摘する声も聴かれる

●ロシア製兵器は、リビアやシリアの戦場でも苦戦を強いられており、周辺国にも波紋を起こしている。米国との本格的な戦闘への備えを最重視するロシアは、偵察用ドローンは配備しているものの、攻撃ドローンの開発は後回しにしてきた。
harpy ●ニュースサイト「ガゼータ・ルー」は、「ロシアはドローン革命で眠り続けている」と指摘し、攻撃ドローンの開発推進を求めた。ロシアに南部クリミアを併合されたウクライナは昨年、トルコとTB2の購入契約を結び、国内生産に向けても協議しているという。
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ロシア軍も無人機の有用性は承知しているものの、人間パイロット族の組織防衛により、攻撃任務を無人機に委ねるまでの構造改革には踏み込めず、結果として敵の無人機攻撃の可能性に「目を背ける」ことになり、兵器体系の変革に後れを取ったのでしょう

米軍だって、程度の差はあれその傾向はあり、西側諸国も同列ですし、日本の自衛隊は対応&変革の遅さでは最後尾を走っていると考えてよいかもしれません

アゼルバイジャンのアリエフ大統領は18日、旧ソ連諸国の独立国家共同体(CIS)オンライン首脳会議で、「戦闘はもはや過去形で語るものになった」と「歴史的勝利」を振り返ったようですが、ドローンを巧みに使用する戦いは今後ますます普及するのでしょう』